今回の金融崩壊による大不況は、リーマンブラザーズ危機で象徴されているのだが、最初のきっかけは、サブライムローンなどの行き過ぎによる住宅不動産産業の崩壊による。
リチャード・フロリダの「グレイト・リセット」を読んでいて、気付いたのは、アメリカ経済の最大の牽引車は、いつも、住宅産業だったと言うことである。
リチャード・フロリダは、1920年代の工業生産の一大ブームは、フォード、GM,GEなど大企業が、新たな経済成長に力を貸したが、アメリカが、資本を蓄積して投資に向かって進撃するようになった最大の要因は、企業群でも、鉄道でも、産業ビルでもなく、住宅だったと言う。
個人住宅は、新たな地域開発と言う形で発展していったのだが、いずれにしろ、当時の最大の資本蓄積をしたのは、住宅分野であった。
工場もビルも道路なども、それに付随いして活況を呈し、これらを総合した建設産業が、資本の流れを導く最大の投資先だったと言うのである。
この当時、都市化の進展と同時に、何十年にもわたって政府が奨励したので、持ち家の比率が上昇したと言った要因も寄与したのかも知れない。
しかし、1920年代のバブルはあまりにも大きかったので、それが音を立ててはじけて大恐慌に突入し、回復するまでに20年あまりもかかった。
経済史家フィールドによれば、個人住宅以外の建設への投資が大恐慌以前の水準に戻るまでに22年かかり、個人住宅への実質的な投資が大恐慌前のピークまで回復するには24年を要したと言う。
したがって、これを考えれば、巷で言われているように、現在の大不況下で崩壊した住宅産業が急速に回復する筈がなく、まだまだ、回復までには長期間を要するであろうと言うのである。
住宅産業は、非常に裾野が広い総合産業であって、経済的波及効果が非常に大きくて、活性化することによって、経済成長を促す重要な牽引車になり得る。
更に、アメリカの場合には、今回の住宅価格の崩落までは、住宅価格が上昇を続けていたので、資産価値の向上によるキャピタルゲインや借入可能金額の上昇など、アメリカ人は、自分自身の改築改良への付加価値向上と同時に、住宅投資に夢を描くことが出来たのである。
欧米では、住宅価格の推移や住宅産業の動向に極めて敏感だが、日本の場合には、円高で輸出産業がどうだとか、株が上がった下がったと言うことには非常に敏感だが、住宅の動向については、かなり、注目度が低くくて関心が薄いのは、経済活動としての住宅産業の重要性にたいする認識不足ではないかと思っている。
アメリカのビジネスマンの場合、大体、自分たちの持ち家は、郊外に所有していて、最寄の駅まで車で乗り付けて、郊外電車で都心へ通勤しているケースが多い。
また、イギリスでは、私の知人などは、カントリーサイドに邸宅を構えて、週日はロンドンのアパートに滞在してロンドンで働き、週末に自宅に電車などで帰ると言ったケースや、一寸、離れた郊外に邸宅を構えて、電車でロンドンへ通勤すると言うケースが普通で、夫々、かなりしっかりした自分たち自身の持ち家を持っていた
イギリス人の場合には、広い庭付きの家を構えて、ガーデニングを楽しむと言うのは、生活をエンジョイするための重要な要件でもあるのである。
回りくどい表現をしているのだが、私の言いたいのは、日本人の場合には、最近は改善されたとしても、昔、欧米人に揶揄されたように、ラビット・ハウスに住んでいると言わないまでも、欧米基準から言っても、かなり住宅の質が悪く住宅事情が貧弱なので、もっともっと、国是として、持ち家制度の拡充と共に、住宅のグレイドアップを促進かつ企図した経済政策を積極的に打ち出すべきではないかと言うことである。
これまでも、かなり、住宅制度については、政府として促進政策を打ってきたのであろうが、そんな程度の中途半端ではダメで、エコ住宅への補助金政策でも、普通の国民が、食指を動かして、建て替えなどに積極的に踏み出せるような政策を打たなければ、効果がない。
言うならば、エコカー減税や補助金でプリウスが売れたり、薄型TVが売れたように、もっともっと抜本的なもので、やらなければ損だと思えるような住宅への減税&補助金制度を実施することである。
日本の住宅を、質そのものを根本的にグレードアップするような政策が実現できれば、その経済的波及効果は、車や家電の比ではない筈で、停滞した経済を動かせる筈である。
リチャード・フロリダの「グレイト・リセット」を読んでいて、気付いたのは、アメリカ経済の最大の牽引車は、いつも、住宅産業だったと言うことである。
リチャード・フロリダは、1920年代の工業生産の一大ブームは、フォード、GM,GEなど大企業が、新たな経済成長に力を貸したが、アメリカが、資本を蓄積して投資に向かって進撃するようになった最大の要因は、企業群でも、鉄道でも、産業ビルでもなく、住宅だったと言う。
個人住宅は、新たな地域開発と言う形で発展していったのだが、いずれにしろ、当時の最大の資本蓄積をしたのは、住宅分野であった。
工場もビルも道路なども、それに付随いして活況を呈し、これらを総合した建設産業が、資本の流れを導く最大の投資先だったと言うのである。
この当時、都市化の進展と同時に、何十年にもわたって政府が奨励したので、持ち家の比率が上昇したと言った要因も寄与したのかも知れない。
しかし、1920年代のバブルはあまりにも大きかったので、それが音を立ててはじけて大恐慌に突入し、回復するまでに20年あまりもかかった。
経済史家フィールドによれば、個人住宅以外の建設への投資が大恐慌以前の水準に戻るまでに22年かかり、個人住宅への実質的な投資が大恐慌前のピークまで回復するには24年を要したと言う。
したがって、これを考えれば、巷で言われているように、現在の大不況下で崩壊した住宅産業が急速に回復する筈がなく、まだまだ、回復までには長期間を要するであろうと言うのである。
住宅産業は、非常に裾野が広い総合産業であって、経済的波及効果が非常に大きくて、活性化することによって、経済成長を促す重要な牽引車になり得る。
更に、アメリカの場合には、今回の住宅価格の崩落までは、住宅価格が上昇を続けていたので、資産価値の向上によるキャピタルゲインや借入可能金額の上昇など、アメリカ人は、自分自身の改築改良への付加価値向上と同時に、住宅投資に夢を描くことが出来たのである。
欧米では、住宅価格の推移や住宅産業の動向に極めて敏感だが、日本の場合には、円高で輸出産業がどうだとか、株が上がった下がったと言うことには非常に敏感だが、住宅の動向については、かなり、注目度が低くくて関心が薄いのは、経済活動としての住宅産業の重要性にたいする認識不足ではないかと思っている。
アメリカのビジネスマンの場合、大体、自分たちの持ち家は、郊外に所有していて、最寄の駅まで車で乗り付けて、郊外電車で都心へ通勤しているケースが多い。
また、イギリスでは、私の知人などは、カントリーサイドに邸宅を構えて、週日はロンドンのアパートに滞在してロンドンで働き、週末に自宅に電車などで帰ると言ったケースや、一寸、離れた郊外に邸宅を構えて、電車でロンドンへ通勤すると言うケースが普通で、夫々、かなりしっかりした自分たち自身の持ち家を持っていた
イギリス人の場合には、広い庭付きの家を構えて、ガーデニングを楽しむと言うのは、生活をエンジョイするための重要な要件でもあるのである。
回りくどい表現をしているのだが、私の言いたいのは、日本人の場合には、最近は改善されたとしても、昔、欧米人に揶揄されたように、ラビット・ハウスに住んでいると言わないまでも、欧米基準から言っても、かなり住宅の質が悪く住宅事情が貧弱なので、もっともっと、国是として、持ち家制度の拡充と共に、住宅のグレイドアップを促進かつ企図した経済政策を積極的に打ち出すべきではないかと言うことである。
これまでも、かなり、住宅制度については、政府として促進政策を打ってきたのであろうが、そんな程度の中途半端ではダメで、エコ住宅への補助金政策でも、普通の国民が、食指を動かして、建て替えなどに積極的に踏み出せるような政策を打たなければ、効果がない。
言うならば、エコカー減税や補助金でプリウスが売れたり、薄型TVが売れたように、もっともっと抜本的なもので、やらなければ損だと思えるような住宅への減税&補助金制度を実施することである。
日本の住宅を、質そのものを根本的にグレードアップするような政策が実現できれば、その経済的波及効果は、車や家電の比ではない筈で、停滞した経済を動かせる筈である。