熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ディズニー映画「アナと雪の女王」

2014年07月04日 | 映画
   久しぶりに、ディズニー映画を見て、感動した。
   私が興味を持ったのは、スティーブ・ジョブズとともに、ピクサー・アニメーション・スタジオで、トイ・ストーリーやファインディング・ニモなど多くの名作CGを駆使して3Dアニメを生み出したジョン・ラセターがプロデュースしたことだった。
   ピクサーの作品は、ストーリーと言うよりもCGで造形された見せるアニメが多かったのだが、ディズニー・アニメには、夢や希望、憧れと言った物語性を重視したアニメが多かったので、アンデルセンの童話「雪の女王」から想を得たストーリーが、どのようにドラマチックに展開されるのか、非常に興味を持ったのである。

   このアニメのストーリーは、原作、
   少女ゲルダが、雪の女王にさらわれた少年カイを探して彷徨い女王の宮殿に辿りつく。カイを見つけて涙を流して喜び、その涙がカイの心に突き刺さった悪魔の鏡の欠片を溶かして、カイは元の優しい少年に戻り、二人は手を取り合って故郷に帰る。
   と全く違っていてディズニーの創作と言うべき作品となっていて面白い。

   女王エルサが雪の女王とカイの役割を演じていて、妹のアナが、ゲルダを演じていると言えば単純すぎるのだが、アナをめぐる二人の青年:勇敢でワイルドな山男のクリストフとサザンアイルズ王国の王子ハンス・ウェスターガード(悪役で、謂わば悪魔の鏡)との淡い恋物語が、物語を豊かにしていて楽しませてくれる。

   話題を呼んだ主題歌「Let It Go~ありのままで~」の素晴らしさは格別で、一面真っ白の雪の高原を登って行くエルサを、丁度、「サウンド・オブ・ミュージック」の冒頭のシーンのように一気にカメラをズームアップして大写しにして、氷の宮殿へ上って行く姿を活写しながら、エルサの孤高に生きざるを得ない心境を切々と歌うのである。
   私は吹き替え版で見たので、雪の女王/エルサは、松たか子が歌っていたが、HPで、イディナ・メンゼルの歌うオリジナルを聞いてみても、実に美しく感動的である。
   一方、主人公のアナは、神田沙也加が歌っていて、この二人の人気女優を起用した価値は十二分にあり、全編に流れる二人の歌声は、正に、ミュージカル・アニメの本領発揮であろう。
   私自身は、松たか子の舞台は数回、神田沙也加の舞台は1回しか、見ていないのだが、やはり、映画劇場の音響効果はまた別な迫力と奥行きがあって素晴らしい。
   映画と実際の舞台の差かもしれないが、リアル性と原体験としての臨場感には欠けるが、IMAXでは、TVで大画面を見るのとは、一寸違ったダイナミックス性が良い。

   さて、CGの迫力だが、縦横無尽に絵作りが出来る威力と機動性を発揮して、エルサが、魔法使いのように氷の宮殿を手玉にとって繰り広げる造形美の素晴らしさや、迫力とスピード感に満ちた舞台展開など、流石であり、半世紀前のシンデレラや白雪姫のディズニーのアニメ世界とは、大変な違いである。
   しかし、あまりにもモダンにダイナミックになってしまったために、あの何とも言えないほんわかとして詩情豊かだったお伽噺の世界が消えてしまった感じで、寂しい気もしている。

   
   
コメント
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