熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

ワインの楽しみ方が変わってきた

2018年06月09日 | 生活随想・趣味
   この頃、良く、酒を飲むようになった。
   と言っても、家でのことで、少し酒の飲み方が変わったと言うことでもある。
   特に酒量が増えたと言うことではなく、食事時期とは別に、リラックスしたい時に、ワイン、それも主に赤ワインなのだが、ワイングラスに注いで、佃煮、今日は、エビ入りちりめんくるみだったが、色々なさつま揚げ、魚のみりん干しや西京漬けなど、冷蔵庫にあるものを適当に酒の肴にして、飲むのである。
   余り綺麗な飲み方ではないのが恥ずかしいのだが、無聊を慰めるのには格好である。

   コンサート会場などでは、ワイングラスを片手に、休憩時間を過ごす人が多いが、欧米の劇場でもそうだったが、私には、そんな趣味はない。
   しかし、能や歌舞伎など、観劇が終わって東京から帰ってきた夜などには、結構、先のやり方で楽しめる。
   尤も、量も精々、ワイングラスに2杯くらいで、それで、満足できるのだから、特に、問題にはならないと思っている。
   こんな時には、これまで、甘いものをお供にして、コーヒーや紅茶を入れて、憩いの時間を楽しんでいたのだが、これが、酒に変わったと言うことなのであろう。

   酒は、どうしても、昼日中は慎むべきで、夜に限るべきであると言う意識があったのだろうが、私など、欧米人とのビジネスランチでは、結構、ワインを飲んでいたし、昼食をパブで取っていた時には、当然、ギネス1パイントくらいは飲んでおり、何も、昼に拘ることもなかったのであるが、結構、抵抗があった。

   みんなで、日中などで、酒盛りを楽しむと言うのは、やはり、典型的なのは、春の花見など、行楽の時であろう。
   最近では、殆どそんな機会もなくなってしまって、一人静かに気に入った散策道で、花や紅葉、自然の移ろいを愛でると言った風情だが、酒からは縁遠くなった。

   海外では、そんな花見の機会はなかったが、イギリスの友人たちの招待を受けて、グラインドボーン音楽祭のオペラ観劇に良く出かけて、美しい庭園で、イギリス風のピクニックを楽しんだ。
   ロンドンの南方イースト・サセックス州ルイス近郊の、お城のようなカントリーハウス、壮大な庭園を要した領主の館に、私設のオペラハウスがあって、ここで、本格的な質の高いオペラが上演されるのだが、午後早くに開演されて、長い休憩をはさんで、深夜まで続く。
   早くから庭園が開放されるので、常連のジムやマーゴット夫妻などは、庭園の一角にシートを敷いて場所を設営して、素晴らしいピクニックスタイルの中食とディナーを楽しませてくれた。
   手間暇を省いて、オペラハウスに常設されているレストランで食事や喫茶を楽しませてくれるのは、マイクとブレンダ夫妻で、モダン志向であった。
   この両者併用のスタイルもあったり、人夫々の楽しみ方が面白い。

   私が通っていた頃には、まだ、前の古風でエキゾチックなオペラハウスだったが、その後、在英中に新しいオペラハウスが建設中となって、帰国後完成して、ジムが何度か誘ってくれたけれど、タイミングが合わず、行く機会がない。

   このグラインドボーンには、シーズン中、ロンドンから観劇用の特別列車が往復しているのだが、私は、最初は、ハイヤーを使ったが、途中から、キューガーデンの自宅から、ベンツで往復した。
   初夏から初秋にかけて、美しいイギリスの田舎を通り抜けて、結構、長いドライブが続くのだが、360度まっ黄色に輝く菜の花畑を通り抜けたり、メルヘンチックな藁屋根の美しい農家を車窓越しに眺めたり、咲き乱れるバラや野の花などを楽しみながら、早い午後のイングランドのドライブは楽しい。
   尤も、オペラが跳ねると、月と星影しかない殆ど漆黒の気の遠くなるような田舎を車を走らせて帰るのだが、高速に入るとほっとしたりする。

   いずれにしろ、欧米生活で覚えたワインの味、
   色々、面白い思い出があるのだが、そんなことを思い出しながら、異国で集めたワイングラスを傾けている。

   ところで、ワインと何の関係もない口絵の写真、メトロポリタンで撮ったクレオパトラかネフェルティティか定かではないのだが、欧米では、自由に写真を撮っても良い博物館や美術館が多くて、随分、撮った。
   マドンナをイメージしたわけでもないのだが、パソコンを叩いていて、結構好きな彫刻だったので、取り入れただけである。
コメント
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