”趣味なし、夢なし、仕事なし、そして、我が家に居場所なし”
高学歴(東大卒)・高職歴(メガバンク)が邪魔をして再就職もままならない。
定年退職は、「生前葬」だと言う、そんなサブタイトルが、画面を走る予告編を見て、ついつい、映画館に行ってしまった。
サラリーマン人生を送った私にも、他人事の映画ではないのである。
メガバンクではなかったが、会社を離れるまでは、主人公のケースとかなり似た道を歩んできたので、思うことが結構あったからである。
尤も、私の場合には、アメリカ留学でMBAを取得して、14年もの欧米伯の海外経験があって、普通では遭遇できないような経験をしたと言うプラスかマイナスか分からない付加人生があったことであろうか。
出世競争に負けて、出向会社の専務で定年を迎えた壮介(舘ひろし)が、社員に見送られて会社を去るところから映画が始まる。
温かい家族の出迎えを受けて、その日は終わるのだが・・・
”仕事一筋だった壮介は、翌日から時間を持て余してしまう。公園、図書館、スポーツジムなど時間を潰すために立ち寄った先は、至る所に老人ばかり・・・。”
この光景は、何処へ行ってもそうだが、少子高齢化日本の超現象で、別に、気にすることもないのだが、定年退職で暇になれば、特別目に入ると言うことであろうか。
それよりも、気になるのは、これから暑くなると、百貨店やスーパーなどの休憩所などで、じっと何もせずに列をなして座り続ける老人たちが多くなることである。
”妻千草(黒木瞳)や娘・道子(臼田あさ美)から「恋でもしたら?」とからかわれる始末。ある日、大学院で文学を学ぼうと思い立った壮介は、勉強の為に訪れたカルチャースクールの受付嬢・浜田久里(広末涼子)に想いを寄せる。”
熱海の高級ホテルのドア口まで誘うのだが、空振りで、ベッドに当たり散らす。
通い始めたスポーツジムで知り合った新興IT会社ゴールドツリー社長・鈴木直人(今井翼)から会社の顧問になって欲しいと頼まれ、承諾したものの、社長が急逝して、後継者がいないために社長になるのだが、ミャンマーの提携会社が倒産して、3億円の負債を背負って倒産。順風満帆に思えたのも束の間、ずっと支えてくれていた千草からも愛想を尽かされ、「卒婚」を提案される。
映画のHPを借用して纏めれば、そんな話である。
この映画での良さは、最後に、壮介が、故郷回帰して、盛岡の高校時代のラグビー部の連中との邂逅とも言うべき出会いで、友人の主宰するNOP法人を助けることになることで、同窓生たちとの宴会で、全員で、さんさ踊りを歌って踊り故郷賛歌を演じることである。
ここで、壮介が、これまで盛岡へ帰れなかったのは、キャプテンで、東大を出て、メガバンクに入って・・・意地を張っていたからだと明かすのだが、友の思いは、これをはるかに超えて温かった。
自分のことを比較して語るのも面はゆいので止めるが、多少言えることは、冒頭の、「趣味なし、夢なし、仕事なし、」と言うことだが、
趣味については、他人を巻き込まない自分一人の楽しみが大半だが、忙しくなるほどやることが沢山あって、不足はなかったし、
仕事については、大学の同窓生と会社を立ち上げて、始動し始めた。
しかし、このコンサルタントの新会社だが、私自身に営業力がなく鳴かず飛ばずであったので、身を引き、大学の同窓のパートナーが引き継いでいる。
多少、役立つ仕事をしたのは、複数の大学の非常勤講師などをして、経営学やブラジル学などを講義講演したことであろうか。
夢については、もう、知盛の心境とは言わないまでも、見るべきものは見つに近い経験をしてきていたし、最早、夢を描くべき立ち位置でもなかったので、問題になりそうもない。
それでは、何を思って、引退後の日々を過ごしているのか。
会社を離れて、最初に考えたことは、読書のことで、この膨大な蔵書を、どのようにして攻略するかと言うことであった。
当時、5000冊は下らなかったと思うのだが、いくら暇になったからと言っても、やるべきことがいくらもあって、思いに任せず、思うように読み通すことが出来なかった。
その後、あの3.11の大震災で、私の書斎や書棚が大崩落したり、鎌倉への移転で処置なしとなって手放すなど、過半は処理したものの、それでも、必要だとかどうしても読みたいとか思った千数百冊は残してあるのだが、それも、殆ど倉庫の中で、眠っていて、手の届くところにあるのは、精々200冊で、このブログを書く時には、倉庫をひっくり返して資料を探したりしている。
経済学と経営学については、大学以来、欧米時代を含めて、ほぼ半世紀に亘って専門書を読み続けており、原書など並の学者よりもはるかに多く読んでいると自負しているのだが、だんだん、それも追い付かなくなってきており、寂しい限りだが、歳には勝てない。
それでも、年に少なくとも、50冊以上は増えて行く蔵書、
経済や経営以外に、歴史や文化芸術、トインビーも読みたいしホーキングも読みたいしシェイクスピアも読みたい・・・命との追いかけっこになりそうである。
他の趣味については、このブログで書き続けているので止める。
これまでに人生で、残念であったのは、お金に縁がなかったことで、正直なところ、問題の振り込みサギに引っかかっても、あのように、振り込む資金がないのでサギにかかりようがない。
欧米伯生活が長かったので、旅に明け暮れ、文化・歴史や芸術美術音楽鑑賞に入れ込み過ぎたと言うことかも知れないのだが、それだけに積み重ねた情報や知識や、善意に解釈すれば、人間臭い教養のおかげで、今でも、真善美を追求しながら、人類の素晴らしい遺産に敬意を表し、その素晴らしさ美しさに感動を覚えて楽しませて貰っている、この人生の醍醐味ともうべき喜びに感謝している。
高学歴(東大卒)・高職歴(メガバンク)が邪魔をして再就職もままならない。
定年退職は、「生前葬」だと言う、そんなサブタイトルが、画面を走る予告編を見て、ついつい、映画館に行ってしまった。
サラリーマン人生を送った私にも、他人事の映画ではないのである。
メガバンクではなかったが、会社を離れるまでは、主人公のケースとかなり似た道を歩んできたので、思うことが結構あったからである。
尤も、私の場合には、アメリカ留学でMBAを取得して、14年もの欧米伯の海外経験があって、普通では遭遇できないような経験をしたと言うプラスかマイナスか分からない付加人生があったことであろうか。
出世競争に負けて、出向会社の専務で定年を迎えた壮介(舘ひろし)が、社員に見送られて会社を去るところから映画が始まる。
温かい家族の出迎えを受けて、その日は終わるのだが・・・
”仕事一筋だった壮介は、翌日から時間を持て余してしまう。公園、図書館、スポーツジムなど時間を潰すために立ち寄った先は、至る所に老人ばかり・・・。”
この光景は、何処へ行ってもそうだが、少子高齢化日本の超現象で、別に、気にすることもないのだが、定年退職で暇になれば、特別目に入ると言うことであろうか。
それよりも、気になるのは、これから暑くなると、百貨店やスーパーなどの休憩所などで、じっと何もせずに列をなして座り続ける老人たちが多くなることである。
”妻千草(黒木瞳)や娘・道子(臼田あさ美)から「恋でもしたら?」とからかわれる始末。ある日、大学院で文学を学ぼうと思い立った壮介は、勉強の為に訪れたカルチャースクールの受付嬢・浜田久里(広末涼子)に想いを寄せる。”
熱海の高級ホテルのドア口まで誘うのだが、空振りで、ベッドに当たり散らす。
通い始めたスポーツジムで知り合った新興IT会社ゴールドツリー社長・鈴木直人(今井翼)から会社の顧問になって欲しいと頼まれ、承諾したものの、社長が急逝して、後継者がいないために社長になるのだが、ミャンマーの提携会社が倒産して、3億円の負債を背負って倒産。順風満帆に思えたのも束の間、ずっと支えてくれていた千草からも愛想を尽かされ、「卒婚」を提案される。
映画のHPを借用して纏めれば、そんな話である。
この映画での良さは、最後に、壮介が、故郷回帰して、盛岡の高校時代のラグビー部の連中との邂逅とも言うべき出会いで、友人の主宰するNOP法人を助けることになることで、同窓生たちとの宴会で、全員で、さんさ踊りを歌って踊り故郷賛歌を演じることである。
ここで、壮介が、これまで盛岡へ帰れなかったのは、キャプテンで、東大を出て、メガバンクに入って・・・意地を張っていたからだと明かすのだが、友の思いは、これをはるかに超えて温かった。
自分のことを比較して語るのも面はゆいので止めるが、多少言えることは、冒頭の、「趣味なし、夢なし、仕事なし、」と言うことだが、
趣味については、他人を巻き込まない自分一人の楽しみが大半だが、忙しくなるほどやることが沢山あって、不足はなかったし、
仕事については、大学の同窓生と会社を立ち上げて、始動し始めた。
しかし、このコンサルタントの新会社だが、私自身に営業力がなく鳴かず飛ばずであったので、身を引き、大学の同窓のパートナーが引き継いでいる。
多少、役立つ仕事をしたのは、複数の大学の非常勤講師などをして、経営学やブラジル学などを講義講演したことであろうか。
夢については、もう、知盛の心境とは言わないまでも、見るべきものは見つに近い経験をしてきていたし、最早、夢を描くべき立ち位置でもなかったので、問題になりそうもない。
それでは、何を思って、引退後の日々を過ごしているのか。
会社を離れて、最初に考えたことは、読書のことで、この膨大な蔵書を、どのようにして攻略するかと言うことであった。
当時、5000冊は下らなかったと思うのだが、いくら暇になったからと言っても、やるべきことがいくらもあって、思いに任せず、思うように読み通すことが出来なかった。
その後、あの3.11の大震災で、私の書斎や書棚が大崩落したり、鎌倉への移転で処置なしとなって手放すなど、過半は処理したものの、それでも、必要だとかどうしても読みたいとか思った千数百冊は残してあるのだが、それも、殆ど倉庫の中で、眠っていて、手の届くところにあるのは、精々200冊で、このブログを書く時には、倉庫をひっくり返して資料を探したりしている。
経済学と経営学については、大学以来、欧米時代を含めて、ほぼ半世紀に亘って専門書を読み続けており、原書など並の学者よりもはるかに多く読んでいると自負しているのだが、だんだん、それも追い付かなくなってきており、寂しい限りだが、歳には勝てない。
それでも、年に少なくとも、50冊以上は増えて行く蔵書、
経済や経営以外に、歴史や文化芸術、トインビーも読みたいしホーキングも読みたいしシェイクスピアも読みたい・・・命との追いかけっこになりそうである。
他の趣味については、このブログで書き続けているので止める。
これまでに人生で、残念であったのは、お金に縁がなかったことで、正直なところ、問題の振り込みサギに引っかかっても、あのように、振り込む資金がないのでサギにかかりようがない。
欧米伯生活が長かったので、旅に明け暮れ、文化・歴史や芸術美術音楽鑑賞に入れ込み過ぎたと言うことかも知れないのだが、それだけに積み重ねた情報や知識や、善意に解釈すれば、人間臭い教養のおかげで、今でも、真善美を追求しながら、人類の素晴らしい遺産に敬意を表し、その素晴らしさ美しさに感動を覚えて楽しませて貰っている、この人生の醍醐味ともうべき喜びに感謝している。