熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

国立演芸場・・・「桂歌丸追善落語会」

2019年04月20日 | 落語・講談等演芸
   昨年、惜しまれて亡くなった歌丸の「桂歌丸追善落語会」。
   「笑点」の登場者が、全員出演しての賑やかな落語会で、面白かったが、落語の重み醍醐味と言うか、昨年、なくなる寸前、呼吸器を鼻に詰めて、45分間「小間物屋政談」を語りきって熱演した鬼気迫る歌丸の余人をもって代えがたい質の高い高座を思えば、一寸、これで追善と言えるのか、寂しさを感じた。
   落語に興味を持ってから、歌丸の高座には、それも、国立演芸場だけだが、かなり通っていて、その至芸に接して、色々な圓朝ものの質や格調の高さや、この「小間物屋政談」や「ねずみ」「竹の水仙」など滋味深い人情物語に感動しきりで、全く手を抜かない、誠心誠意の全力投球の話芸の凄さに、楽しませてもらってきた。
   
   

   「笑点」そのものが、軽やかな話芸の世界なのであろうが、私としては、歌丸に対抗すると言わないまでも、それに伍する格調と質の高い落語で、追善興行として欲しかったと思っている。
   と言ってみても、これはないものねだりで、歌丸には歌丸流の哲学や芸風があり、笑点の登場噺家も、夫々の芸の道、個性があるのであるから、それを楽しませてもらったと思えば良いのであろう。
   
   歌丸の思い出について、こもごも懐かしそうに語っていたが、非常に面白かった。
   高座の歌丸の印象とは違って、相当厳しい怖い先輩であったらしい。
   冨士子夫人のこと、それに、円楽が皮切りに、弟子が嫌いだった(?)と言って、怒られてばかりいたと言う枝太郎が、座談の場に飛び入りして、先輩たちと和気あいあいの掛合いで、観客を喜ばせていた。

   当日の番組は、次の通り。

落語 林家たい平    七段目
落語 林家三平     荒茶
落語 三遊亭圓楽    極楽八景噺家の賑い
落語 三遊亭小遊三   金明竹
―仲入り―
座談 ー桂歌丸師匠を偲んでー
落語 三遊亭好楽    め薬
落語 春風亭昇太    看板の一
落語 林家木久扇    昭和芸能史

   

   会場ロビーには、歌丸の芸歴や舞台写真などのパネル、笑点の机や遺品など、歌丸ゆかりの品々が展示されていて、俄作りの歌丸小展示場の雰囲気。
   実に、懐かしい。
   
   
   
   
   
コメント
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