第3部の「国家と世界 進行中の危機」での「日本を待ち受けるもの」は、現在の日本が直面している危機と、それに対してどのように取り組むべきか、殆ど既知の知識情報の展開だが、ジャレド独特の見解も披露していて面白い。
危機に直面する日本人自身が、殆ど意に介せず無視している問題や、極端なジャパン・バッシングや無批判の日本礼賛論があるので、まず、日本の強みと弱みにつて論じている。
強みの最初は、日本の経済力で、これについては、説明を要しないであろう。。
次の強みは、「人的資本」で、文化的な強み、ナショナル・アイデンティティ、生活の質。
もう一つの強みは、環境の良さ。
興味深いのは、経済大国アメリカと中国が、多額の軍事費を割いているが、日本は、アメリカの押し付けた憲法で、軍事費を節約できているが、将来はトラブルを招き得ると言う指摘。
日本の安全防衛のタダ乗り論は、多くのアメリカ人の心情で、トランプも問題にし始めたのだが、ジャレドは、日本が、核装備した軍事大国への道を歩まざるを得なくなると言うのであろうか。
弱みについて、まず指摘するのは、「巨額の国債発行残高」。
債務削減策として、是率引き上げ、歳出削減、老齢年金の削減など、打開策は議論されているが、年々悪化しており、いまだ解決策への合意を得ていない一大問題だと言う。
この問題は、現代経済学でも、大いなる問題であり疑問なのだが、辻褄を合わせるためには、出来るか出来ないかは分からないが、民間企業がやるように、途轍もなく膨大な国富を持っている日本国のバランスシートを分析して、資産を売却すればどうであろうか。国債を振り向けて、膨大な眠っている金融資産を活性化する以外に方法はない。
東大や京大が、いくらで売れるか分からないが、少子高齢化で経済が縮小していく日本では、経済成長が期待できないし、インフレも期待薄で、政府の考えているような債務削減策では、国民の身のみならず、骨も皮も切り刻むことになって、お先真っ暗である。
ジャレドが指摘する弱みは、女性の役割、少子化、人口減少、高齢化、
言われなくても、日本人総てが知っている現実である。
ジャレドの指摘で面白いのは、「人口減少」は、朗報であって、人口が減れば、日本は困窮するのではなく非常に裕福になると言うのである。
資源の逼迫は、近代日本史において呪縛の一つであり今もそうだが、人口が減れば、必要とされる国内外の資源が減るからである。
次の章で、震源の豊かなアメリカは逆に、資源は無尽蔵であり、人口が少なく十分に余裕があり、人口増が経済発展に望ましいと論じている。
確かに、ジャレドの指摘には一理あるものの、これは、債務もない安定した先進国に言えることであって、
国家の経済力は、「人口」×「一人当たり平均生産量」であるから、人口が減れば経済成長が鈍化して、益々、日本の国家債務が増加して首を絞めることとなって、裕福になるどころではない。
国家債務削減のためには、少なくとも、名目GDPの成長は、必須なのである。
日本がほかに抱えている問題は、移民、中国と韓国との歴史問題、自然資源管理への消極的姿勢。
外国人の移民に対しては、最も門戸を閉ざしている日本だが、ジャレドは、アメリカの章でも、移民によっていかにアメリカが発展成長を遂げたかを論じており、移民礼賛論で、日本にも、自国にとって潜在的価値があるのかどうかと言う基準を重視して進めることを提案している。
自然資源保護については、クロマグロやクジラを挙げて、遠洋漁業や捕鯨に関する真っ当な規則についても日本は反対勢力の先頭に立っており、自己破壊的だと極めて厳しい。
そんなに言われる程、酷いとも思わないが、私自身は、クロマグロにもクジラにも全く興味はないので、何故、意固地になって騒ぐのかは疑問に思っている。
中国と韓国に対する歴史認識の問題だが、ジャレドの理論展開や指摘は、中国や韓国の極端な一方的な論述の域を出ておらず、コメントは避けたい。
参考文献においても、かなり分析の確かであった明治時代のものばかりなので、最近のメディア情報や当事国の論調などに影響されているのであろうか、公平性を欠いているように思う。
危機に直面する日本人自身が、殆ど意に介せず無視している問題や、極端なジャパン・バッシングや無批判の日本礼賛論があるので、まず、日本の強みと弱みにつて論じている。
強みの最初は、日本の経済力で、これについては、説明を要しないであろう。。
次の強みは、「人的資本」で、文化的な強み、ナショナル・アイデンティティ、生活の質。
もう一つの強みは、環境の良さ。
興味深いのは、経済大国アメリカと中国が、多額の軍事費を割いているが、日本は、アメリカの押し付けた憲法で、軍事費を節約できているが、将来はトラブルを招き得ると言う指摘。
日本の安全防衛のタダ乗り論は、多くのアメリカ人の心情で、トランプも問題にし始めたのだが、ジャレドは、日本が、核装備した軍事大国への道を歩まざるを得なくなると言うのであろうか。
弱みについて、まず指摘するのは、「巨額の国債発行残高」。
債務削減策として、是率引き上げ、歳出削減、老齢年金の削減など、打開策は議論されているが、年々悪化しており、いまだ解決策への合意を得ていない一大問題だと言う。
この問題は、現代経済学でも、大いなる問題であり疑問なのだが、辻褄を合わせるためには、出来るか出来ないかは分からないが、民間企業がやるように、途轍もなく膨大な国富を持っている日本国のバランスシートを分析して、資産を売却すればどうであろうか。国債を振り向けて、膨大な眠っている金融資産を活性化する以外に方法はない。
東大や京大が、いくらで売れるか分からないが、少子高齢化で経済が縮小していく日本では、経済成長が期待できないし、インフレも期待薄で、政府の考えているような債務削減策では、国民の身のみならず、骨も皮も切り刻むことになって、お先真っ暗である。
ジャレドが指摘する弱みは、女性の役割、少子化、人口減少、高齢化、
言われなくても、日本人総てが知っている現実である。
ジャレドの指摘で面白いのは、「人口減少」は、朗報であって、人口が減れば、日本は困窮するのではなく非常に裕福になると言うのである。
資源の逼迫は、近代日本史において呪縛の一つであり今もそうだが、人口が減れば、必要とされる国内外の資源が減るからである。
次の章で、震源の豊かなアメリカは逆に、資源は無尽蔵であり、人口が少なく十分に余裕があり、人口増が経済発展に望ましいと論じている。
確かに、ジャレドの指摘には一理あるものの、これは、債務もない安定した先進国に言えることであって、
国家の経済力は、「人口」×「一人当たり平均生産量」であるから、人口が減れば経済成長が鈍化して、益々、日本の国家債務が増加して首を絞めることとなって、裕福になるどころではない。
国家債務削減のためには、少なくとも、名目GDPの成長は、必須なのである。
日本がほかに抱えている問題は、移民、中国と韓国との歴史問題、自然資源管理への消極的姿勢。
外国人の移民に対しては、最も門戸を閉ざしている日本だが、ジャレドは、アメリカの章でも、移民によっていかにアメリカが発展成長を遂げたかを論じており、移民礼賛論で、日本にも、自国にとって潜在的価値があるのかどうかと言う基準を重視して進めることを提案している。
自然資源保護については、クロマグロやクジラを挙げて、遠洋漁業や捕鯨に関する真っ当な規則についても日本は反対勢力の先頭に立っており、自己破壊的だと極めて厳しい。
そんなに言われる程、酷いとも思わないが、私自身は、クロマグロにもクジラにも全く興味はないので、何故、意固地になって騒ぐのかは疑問に思っている。
中国と韓国に対する歴史認識の問題だが、ジャレドの理論展開や指摘は、中国や韓国の極端な一方的な論述の域を出ておらず、コメントは避けたい。
参考文献においても、かなり分析の確かであった明治時代のものばかりなので、最近のメディア情報や当事国の論調などに影響されているのであろうか、公平性を欠いているように思う。