熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

NT プーチンに近づきすぎか?ロシア人芸術家をチェック

2022年03月06日 | 政治・経済・社会
   ニューヨークタイムズが、Too Close to Putin? Institutions Vet Artists, Uncomfortably と言う記事を掲載した。
   「プーチンに近づき過ぎか?組織が、芸術家たちを調査する、不快にも」と言うことであろうか。
   看板スターとも言うべき超弩級の大スターのロシア人ソプラノ・アンナ・ネトレプコが、プーチン大統領を非難することを拒否したので、メトロポリタン歌劇場が決別したと報じている。
   先日、NHKが、BSニュースで、METが、公演に合わせて、オペラ歌手達が舞台に列んで、ウクライナ国家を合唱するのを放映していて、オペラ劇場も、反ロシア、ウクライナサポート一色であることが分かった。
   24日のロシアのウクライナ侵攻直後に、ニュースで、カーネギホールのコンサートで、ヴァレリー・ゲルギエフの指揮がキャンセルされたと報じられていたので、プーチンの熱烈な支持者であるギルギエフは当然だとしても、ロシア人芸術家にも広範にボイコットが、これほど急速に伝播するとは驚きである。

   ロシアのウクライナへの攻撃に対する世界的な非難が高まるにつれ、文化施設は驚くべき速さで動き、ロシアの芸術家にプーチンから距離を置くよう圧力をかけている。芸術機関は、過去にプーチンを支持した芸術家が、演技の前提条件として彼と彼の侵略を明確に非難することを要求し、他のロシアの芸術家には、戦争について論争の的となる発言をしていないことを確認するために、名簿をチェックし、ソーシャルメディアの投稿を調べている。ポーランド国立オペラは、「ウクライナの人々との連帯」を表現するために、ロシアで最も偉大なオペラの1つであるムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」の製作を中止した。と言う。

   しかし、政治など全く念頭になく、地政学的な専門知識が乏しい芸術管理者が、ここ数十年で最も政治的に起訴された問題に直面している。ロシアの芸術家に対して厳しい姿勢を取るという圧力は、これまで何十年にも亘って育まれてきた文化交流を終わらせるリスクがある。ロシア人芸術家が果たしている役割が如何に大きいかを考えてみれば、その損失は一目瞭然である。

   メディアでは、サッカーやオリンピック関係などスポーツでのロシアとベラルーシ選手のボイコットは派手に報道されていたが、これらの関係以外にも、おそらく、多方面に亘って、両国の関係者達の排斥運動が進んでいるのであろう。
   世界全体、一部の国を除いて、グローバルベースで、ロシアとベラルーシの孤立化が鮮明になるのであろう。

   第二次世界大戦後では、ヘルベルト・フォン・カラヤンが、ナチ党員であったと言うことで、興行界を握っていたユダヤ人達の抵抗を受けて、アメリカでの公演が、長い間実現しなかったというのは有名な話である。
   最近では、むしろ、大家と言われる指揮者が多い程だが、ヒトラーがワーグナーを愛したと言うことで、ユダヤ系の指揮者が、ワーグナーを指揮しなかった時期が長くあったのを覚えている。
   ナチに蹂躙された筈のユダヤ系オランダ人のベルナルド・ハイティンクなど、ワーグナー嫌いでも不思議ではないと思ったのだが、ロンドンのロイヤルオペラで、ワーグナーの楽劇の多くの舞台を指揮したのを観て不思議に思ったこともある。
コメント
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