熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

阪神優勝・・・本当に嬉しい

2023年09月15日 | 生活随想・趣味
   昨夜、TVで阪神巨人戦を観ていて、阪神の優勝決定に感動した。
   岡田監督、選手の皆様や関係者の方々のご努力の結果であるが、京阪神を活性化したい熱狂的なファンの力も大きい。

    ロンドンに5年間生活しながら、一度もゴルフをやったことはないし、ブラジルに4年間住みながら一度しかサーカーを観戦していないほどだから、スポーツには、殆ど興味がない。
   しかし、阪神に対する思い入れは、スポーツが好きか嫌いかの域を越えている。

   私が阪神ファンなのは、至って単純で、私が、阪神の本拠地西宮に生まれて、子供の時に、甲子園球場に潜り込んで遊んでいた記憶があるなど、幼年期を過ごしたふるさとであり、生まれながらにして刷込まれたDNAであろう。
   甲子園球場へは、高校の時に、高校の野球部が兵庫県予選に出場したので応援に行ったり、夏の高校野球の甲子園大会を何度か見に行ったくらいで、その後関西を離れてしまったので、阪神戦も観ていないし一度も行っていないので、テレビでの印象しかないのだが、何故か無性に懐かしい。

   このブログでも、何度か阪神について書いているが、もう、30年以上も前になるのだが、パリで、阪神の吉田義男監督と一度会食したことがあり、星野阪神が優勝を決めた年のの2005年09月13日に、「阪神優勝・・・パリの吉田監督との思い出」として書いているのだが、懐かしいので、一部採録したい。
   当時、吉田監督は、オリンピックを目指して頑張っていたフランスチームの監督としてボランティアで働いておられた頃で、私は、仕事の都合でロンドンから出かけてJALホテルでお会いして、色々、興味深いお話を拝聴した。

   残念ながら、殆ど忘却の彼方だが、1985年のリーグ優勝と日本一の話の中で、覚えていることが二つある。
   一つは、阪神の優勝。
   「あんた、あの時、阪神優勝すると思いました?
    そうでっしゃろ、私も思いまへんでした。
    勝ち始めたら、あれよあれよですわ。いきおいですなあ。」
   もう一つは、その翌年の惨憺たる阪神の成績。
   「どんな手を打っても、あかん時はあきまへん。
    朝起きたら、真っ先に空を見まんねん。
    なんでや思いはります?
    雨やったら、その日は、試合がないから、負けんで済みますやろ。」

   私は、艱難辛苦の日々の苦労など、身を切るような思いに微塵も触れずに、淡々と語る吉田監督の顔を見ながら、大将とは如何に孤独で厳しいものかを感じて胸が痛くなった。
   運や偶然では決してない。恐らく、あの当時は孤軍奮闘で、大変な辛吟の中、必死になって頑張っておられたのであろうと思う。それでも、日本一に上り詰めたと思ったら、次には奈落の底、
   結果は天と地程も違ってくる。

   もう一度、吉田監督の話。
   「次、阪神は何時優勝すると思います?
    20年後?
    きつい事言わはるナァ。」
    この時、7~8年経っていたが、次の優勝は、18年後の2003年と2005年であった。

   長嶋監督が、弱い阪神が野球をダメにしていると言って阪神を立て直す為に星野監督に阪神入りを勧めたとか、逆に、当時は、巨人がプロ野球存続の足を引っ張っていた。
   「勝っても負けても、関西には熱烈な阪神フアンが居て、甲子園球場に来て電車に乗ってくれる、阪神電車が儲かれば良いのだ。」と言った阪神のお粗末な経営理念を、星野監督は根本的に叩き潰して優勝に導いた。
   コーポレート・カルチュアを変えてしまったから阪神は強くなった。
   もう、何十年も前の阪神に戻ったのである。

   さて、ドラッカーが、晩年になって、どんな組織でも、マネジメント理論は有効であると、理論展開を広げて本質論を説いた。
   阪急阪神Hの経営理念が、阪神の将来の帰趨を決すると言うことであろうか。
   タカが野球ではない。
   野球は、謂わば、文化文明の総てを凝縮したような総合産業であり、経営収支を越えて最も経営学の手法を必要とし、また、活用できる事業ではなかろうか。
   AIの進化と共に、どの様に野球が変って行くのか、興味深いが、やはり、阪神優勝で、道頓堀に飛び込む泥臭いファン心理も大切にしたいと思っている。

   理屈は兎に角、阪神が勝てば、文句なしに嬉しい。  
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