NO128(川上哲治)
「“あきらめ”という言葉が大きらいだ。全生活が野球だった。電車に乗れば、運転台のすぐ後ろに立って、枕木を1本1本数えた。窓から、走り去る電柱をとらえようとした。時おり襲ったスランプだって、克服すれば前より良くなった。だから、スランプは向上のために天が与えた配剤だ、と考えて努力するようになったが、不思議なもので、それ以後は、あまりスランプはやってこなかった。」
今日の練習は厳しい精神闘争でした。
(その1 練習は全員が集中するもの)
球拾いをしている時に遊び出す男子が一人。大人数を私一人で見ているので、これを見過ごすとチームはどんどん悪くなると思っています。そこで練習中止して、反省のための一人特訓。
(その2 相変わらず他人事の5年生男子)
自分らのチームから、こうした態度の人間を出して指導されているのに、5年の男子はまるで他チームのことのように知らんぷり。声をかけたり励ましたりするのは女子ばかり。男子は何もしない。このことを多くのお母さん方からも注意されているのに、全然分かっていないようです。
「自分のチームのメンバーが叱られているのに、人のことだと知らんぷりしている男子チームなど相手している暇はない。駿台杯で今年の試合は終わり。秋の大会は全部棄権する。」
「次の練習からは気をつけますからチャンスをください。」と言ってきましたが、一人がそう思っていてもダメなものはダメ。5年生全員が同じ自覚を持たない限り認めないつもりです。
(その3 助言を素直に聞き入れよ)
子どもは一人一人性格も生活環境も違います。持っている個性は生かそうと思います。しかし、スポーツをやる者は「素直な心」を持っていなければ絶対に伸びません。助言をしているのにふてくされたような態度をする子は、チームの雰囲気も悪くします。こういう子をコートに入れるわけにはいきません。「辰巳の指導=私の指導」です。それを真っ直ぐに受け入れられない子は私には伸ばすことができません。
逆に、どん欲に指導を吸収してくれる子は、たちまち上達します。今日の練習後、女子セッターから、
「先生の読んでいる『集中力を高める本』を読みたいので貸してください。」
という申し出がありました。この掲示板をご家族の方が見て子どもに伝えてくれたのでしょう。バレーに役立つことをもっともっと身につけたいという子どもの心と、ご家族の方々のご支援が生み出した、素晴らしい「向上心」にとても嬉しくなりました。こうした姿を見れば、教える私だって人間です。どんどん教えてあげようという気持ちになるじゃないですか。