サッカー部員は全校児童の模範たれ!

先週から今週にかけて、課外活動(吹奏楽とサッカー)をしている子に指導を入れる機会がありました。どちらもそうじをおざなりにしていたことがきっかけです。そこでこのように指導を入れました。

「課外で活動をしているということは特別なことで、体育館や校庭を使わせていただいている、活動をやらせてもらっているということになる。その分、全校の目も集まる。だから全校児童の模範となるべきだ。それをマイナスの行動をしていたり問題を起こすようなことがあるならば、出場停止や活動禁止、指導者は処分を受けるというのが常識だ。
模範というのはそうじも勉強も誰よりも頑張っている。朝礼に遅れてくるなんていうのはもってのほか、誰から見ても模範の児童になる必要がある。」

これを受けて、サッカー部員は子どもだけで自主的にミーティングを持ったようです。私が午後の出張から職員室に戻ると、机の上に紙が置いてありました。


(サッカーチームの目標)

「香取小 絶対優勝 勝ち取るぞ」



(香取小の校庭を使わしてもらっているかわりに何ができるか?)

1,感謝の言葉
2,そうじをしっかりやる
3,めいわくをかけない
4,場を清める
5,学校のことを最優先
6,あいさつ
7,校庭をあらく使わない
8,勉強をしっかりやる
9,いい記録を出す
10,きまりを守る
11,使った道具をきれいに返す
12,学校の物を大事に使う
13,校庭にちらかっているものをかたづける


よくぞ自分たちだけで考えました。素晴らしいと思います。
これでサッカー部もひとつ脱皮してくれることでしょう。

私からはもう一度、この言葉を書き残しておきます。

全校児童の模範たれ!
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「やまなし」で宮沢賢治が何を表したかったのかを考える授業 【分析② クラムボン】

〔分析② クラムボン〕
クラムボンに視点を当てて感想を書いた子がいました。

〔ピクミンさん〕
 私は「やまなし」を読んで、宮沢賢治は何を伝えたいのかは分からなくて、すごくふしぎな物語だと思いました。
 「やまなし」の物語の中で出てきた「クラムボン」や「イサド」など、宮沢賢治が考えて作った名前は、どういうふうに作ったのかが知りたいです。
 「クラムボン」という言葉が最初、分からなかったけど、勉強しているうちに「人間」だなと思いました。
 この「やまなし」にはたくさんの疑問があります。私は「やまなし」を読んで勉強してから楽しい物語だと思いました。

〔レモンさん〕
 私は初めてこの「やまなし」を読みました。最初は宮沢賢治がいいたいことがさっぱり分かりませんでした。だけど、じっくり読んでみたり、マインドマップでまとめていったら、なんとなく分かったような気がします。
 私が「やまなし」を読んで一番心に残った言葉は「クラムボン」です。なぜ宮沢賢治は意味もよく分からない「クラムボン」を作ったのか聞きたいです。
 私が想像する「クラムボン」は、きらきら光っていて、魚みたいな生物です。でも、「やまなし」に出てくる「クラムボン」は、「殺されたよ」とか「笑ったよ」と出てくるので、人間みたいな感じがしました。
 親子のカニたちも、あわをふいて、大きさを比べたりして、まるで生きているように感じました。宮沢賢治は自然を大切にしてと言っているように私は感じました。

〔吾郎ちゃん〕
 ぼくは、宮沢賢治が書いた「やまなし」という文章を読んで、最初に舞台がどこかを書いたところがいいと思いました。
 文章の中に「クラムボン」という言葉が出てきたので、なんなのかなぁ?と考えてみたら、カニが「クラムボンは笑ったよ」と言っていたので、クラムボンはカニの仲間なのかな?と思いました。
 この「やまなし」の中に「クラムボンは死んだよ」「クラムボンは殺されたよ」と書いてあったので、宮沢賢治は、読者に人の人生には泣いたり笑ったり、おこったり、いろいろなことがあると告げているのだと思いました。
 それに、宮沢賢治は、戦争の時代に生まれたので、その戦争で亡くなった人の悲しみを告げているのかなぁ?と思いました。
 これがぼくの、「やまなし」への感想です。

〔プーギーさん〕
 やまなしを書いた宮沢賢治さんが何を伝えたかったのか。それは戦争の恐ろしさだと思います。なぜ思ったのかというと、「クラムボンは笑ったよ」と「クラムボンは死んだよ」のところで、「クラムボン」は人間に重ねているんじゃないかと思ったからです。ほかにもカニは人間のこどもの成長を重ねたり、鳥は鉄砲を表したり、魚も人間を表しているんじゃないかなと思いました。
 なぜ人間や鉄砲をカニや鳥で表したのかは、宮沢賢治さんにしか分からないけど、ぼくは、やまなしを書いた時が戦争中の時だから、人間をそのまま表すと、非国民だと言われるからじゃないかと思いました。でも、宮沢賢治さん自体が非国民と言われるのがいやなんじゃなくて、家族や知り合いにも非国民だと言われるかもしれないから、カニや鳥を人間や鉄砲にしたんだと思います。

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〔分析〕
「クラムボン」というのは人間の言葉ではなく、「カニ語」なのだということは私から子どもたちに指導をしてあります。そのことから子どもたちは、「クラムボンは何かの象徴だろう」という考えを持つようになりました。

 物語の中で、クラムボンは笑うかと思うと死んだり殺されたりします。そしてまた笑うという現れ方をします。ここで紹介した4人の子ども達は、「クラムボン=人間」を表そうとしているのではないかと思ったようです。そこに、宮沢賢治が1896年に生まれた情報から推理して、1894年の日清戦争、1904年の日露戦争、1914年の第一次大戦、1931年満州事変と続いた戦争という時代背景が賢治の作品には影響を与えているはずだと判断しての意見構築です。

 これらの意見が正しいかどうかは別として、賢治が生きた時代まで思いを巡らせ、やまなしを深く読み取ろうとした学習経験が今後の生涯学習に良い影響を与えることを期待しています。
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