一昨日の研究授業では、学習者(子ども)イメージを「刑事(デカ)」だと設定して、徹底的に宮沢賢治について捜査をしようと投げかけ、モチベーションを高めた井上です。
捜査のポイントは6つ。
(1)疑問を持とう
(2)言葉にこだわろう
(3)関連づけ・・・考えをつなげよう
(4)発言して意見を集めよう
(5)いろんな角度から考えよう
(6)可視化(見えるように)しよう
このポイントを考慮しながら、まるで刑事のように難題の解決に当たった子どもたちでした。
何しろ「やまなし」自体を読むだけではなくて、
『いったい宮沢賢治はなんで「やまなし」を書いたのか?』
という大学の研究者がやっているテーマで考えさせたわけで、普通だったら小学生から意見など出ない可能性もありました。
これを読んで下さっている方はいかがですか?
宮沢賢治は「やまなし」で何を表そうとしたのでしょう?
どこまで答えられますか?
「この授業はひとつの答えを求めるのではなく、答えなき問いに対して、できるだけたくさんの答えを捜していく。そして外側から輪郭を明らかにして賢治が表現したかったことを発見していくという、まるで刑事になったかのような授業です。」
ということは、クラスの全体討論は「捜査会議」だったわけです。論理的でなくて全然かまわない。考えられることをとにかく出して出して出し尽くしたところに、答えがうっすらと見えてくる。そんな授業をしてみたわけです。
ただし、何もないところから考えろといっても、それは無茶です。どんな資料を提供し、子どもたちの思考をどう耕しておけば、困難な思考にチャレンジしていけるか。授業者の私が頑張ったのはその部分でした。十分な「捜査のヒント」を用意してあげたわけです。そのひとつが画像のマインドマップです。
これは「イーハトーブの夢」という宮沢賢治の生涯を書いた文章を読んで、得られた情報や気づいたことを子どもたちから出してもらい、マインドマップにする作業をしながら、さらに子どもたちが気づいたことを書き加えてまとめた資料です。これが大きな力を発揮しました。
「分からなくなったら、このマインドマップに戻ると参考になるよ。特に色をつけてあるところが重要なんだよ。」
これだけのヒントで十分。子どもたちは「あ~!そうだ!そうだ!」と気づいて、自分なりの意見をジャンジャンまとめていきました。
【続きは、授業後の子どもたちの感想を掲載していきます。】