若手の先生に読んでほしい本

二十代の先生へのメッセージです。
かなり生意気なことを書いてしまっていますが、読んでみて心に落ちた方が参考にしてくだされば。そんな思いを込めて書きました。



教師という仕事をしていると、けっこう忙しいですし、明日の授業を楽しくするためにどうしたらいいだろうかと「マニュアル的な本」に手を出すことが多くなるでしょう。確かにできるだけたくさんの「教育方法の引き出し」を持っていることももちろん大事です。

しかし、ここに勘違いが生じることがあります。
教育方法=授業方法にばかり視点が行ってしまうと、本質を見失う危険があります。

この「教師」という仕事の本質は何かと考えると、「授業を上手にする」ということでは決してないと思うわけです。(もちろん授業が上手に越したことはありません。)

教師の仕事で最も大事なことは・・・・・「子どもを育てる」ということです。

どれだけ授業が上手だとしても、子どもたちが育たなければ何の意味もありません。まあ、授業が上手だからこそ子どもたちは育つわけですけれども。


私が過去に出会った先輩教師の中には、このような残念な発言をしてしまった方もいます。その方は研究授業をすることになっていて、教材研究は一生懸命やっていたんです。本番に向かう前に、隣のクラスで事前授業をした時のことです。子どもがあまり乗ってこなかったんですね。集中できずに他のことをしていた子が何人もいたそうです。そういう状況の中で、その先輩教師は子どもたちに向けて、言ってはならない言葉を口走ってしまいました。

「研究授業に向けて、私がこんなに一生懸命準備しているのに、あなたたちはどうして集中できないの!」

研究授業で追い込まれていたことは理解できますが、それは大人の都合です。子どもたちには関係ありません。

こうした言葉が出てしまう心根には何があるのかというと、子どもを自分の思い通りにして、「私は優秀な教師だ」ということを見せたい。だから、自分の心の範疇(器)におさまらない子に対して、「あの子はダメだ」とか「育て方が悪い」とか責任転嫁して、自分の授業力不足をカモフラージュしようとしてしまうのだと思います。


話を元にもどします。

教師は教育方法・教育技術を深めることは当然必要だと私も思っています。しかしその前に、確固たる「教育哲学」を持つ必要があると強く感じています。そして教育哲学とは、困難な状況になればなるほど輝きを放つものだと感じています。

この「教育哲学」は二十代のうちにある程度は確立すべきです。ベテランになってから身につくと思ったら大間違いです。

そのために少しだけですが本の紹介を載せました。

難しい本なので、読んでも理解できないかもしれません。それでもいいのです。とにかく読んでおくことが20年後に花開きます。脳科学的に考えても、いったん脳に入れた情報は何らかのきっかけで将来につながるものです。


私自身、今の行動を支えているのは、大学時代の4年間に学んだ「教育哲学」です。その一端を書きますと、

「最大の教育環境は教師自身である。」

「教育の目的は、目の前の一人の子の幸せである。」

「教育は人類最大の事業である。」

「子どもは未来からの使者であるから、最大の敬意を払って接すべし。」

「悪い子なんて一人もいない。子どもは白いキャンバスだ。そこに美しい絵を描いていくのが教師という仕事だ。」

「人間には一瞬に三千通りの可能性がある。どれだけ困難な状況であっても、次の一瞬には180度転換しているということも普通にある。」

「二十一世紀は教育の世紀である。」

書き始めると次から次から出てきますね。全部18~22歳の間に自分の心に刻み込んだ言葉です。


若手教師の皆さん、どうか苦しい思索の作業から逃げないで、深い教育哲学を持てるようにしてくださいね。私も皆さんに負けないように、もっともっと勉強していきますからね!

変身 (新潮文庫)
カフカ
新潮社

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幸福論 (集英社文庫)
アラン
集英社

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ファウスト〈第一部〉 (岩波文庫)
ゲーテ
岩波書店

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九十三年〈上〉 (潮文学ライブラリー)
ヴィクトル ユゴー
潮出版社

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レッドビーシュリンプ

12月2日に行った6年生国語「やまなし」の研究授業に向けて、川底の雰囲気を感じるために教室に置いたアクアリウム。これが呼び水になって、過去にハマっていた趣味である「レイアウト水槽」がフラッシュバックしてしまいました。

「研究授業で頑張った自分へのご褒美だ!」
と購入した、ちょっとステキな水槽台と60㎝水槽の中で、私の心を奪った生き物がいます。
「レッドビーシュリンプ」(写真)です。

体長2㎝ほどの小さな生命ですが、その愛らしさに癒されています。

繁殖までしてくれると楽しいのですが、そうなったら私、水槽から離れられず、何もできなくなるかもしれません(笑)
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研究会で紹介された本

昨日参加した研究会で紹介された本を記録しておきます。

こんなとき、どうする?発達障害のある子への支援 小学校 (特別支援教育をすすめる本)
内山 登紀夫
ミネルヴァ書房

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できる教師の子どもを変えるステキな言葉
山中 伸之,内田 聡
学陽書房

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出現する未来 (講談社BIZ)
P. センゲ,O. シャーマー,J. ジャウォースキー,野中 郁次郎,高遠 裕子
講談社

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街場の教育論
内田 樹
ミシマ社

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いちばん大事なこと―養老教授の環境論 (集英社新書)
養老 孟司
集英社

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今回の研究会で私がプレゼンしたのは「U理論に基づく学年改革」でした。

詳しく書くと長文になってしまいますので、大事なポイントだけを箇条書きします。

・問題を解決するために、まずは既知の価値や知識を「保留」してまっさらな状態で物事を受け入れる。(センシング)

・宇宙の根本知からの気づきを促すために、できるだけ抽象度を上げる努力をして、自己の使命を知る。(プレゼンシング)

・大我(大目的)を意識していくことで、小さなエゴ的行動に規制がかかり、より高いレベルの行動を促すことができる。(リアライジング)


ものすごく簡単に書きました。
私自身のメモとして書いてありますので、詳しく知りたい方は上記で紹介している「出現する未来」という本を読んでいただくか、私と面談して対話をしてください。2時間くらい話せば私が何をしているか理解できると思います。
そういう対談には気軽に応じますので、遠慮なくご連絡くださいませ(笑)

実は私、「一切の学級崩壊を解決する方法」を思いついています。
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