美しい言葉を使う小学生プロジェクト

12月1日(水)、自校の5年生が区小研の研究授業を行いました。総合的な学習の時間を使って「美しい言葉を使う5年生プロジェクト(略してBLP5)」という、これまでまったく教育実践のない授業に挑戦したのです。

この授業を企画したのは、教員経験4年目の若手にして、私と同じ「マインドマップ公認フェロー」でもあるH教諭でした。H教諭は昨年、私と同じ学年を組んでいたので、授業力・生活指導力について徹底的に訓練をしてきました。今回、まったく「0」の地点から授業を組み立てていくだけの力を発揮してくれましたので、いよいよ教師としてひとり立ちできる力がついたと言っても良いだろうと思えます。

本人の考え方について、こちらにリンクしておきます。

「美しい言葉を使う5年生プロジェクト!」

「続・美しい言葉を使う5年生プロジェクト」

「降りてきた!!『美しい言葉リーダーへの道』案」

「すてきな言葉と出会う祭典ー「言葉の力」を東京からー@東京国際フォーラム」



この研究授業に講師としてお呼びしたのは、多くの学校を授業キャラバンし「十分間俳句」の指導を続けておられる教育委員会学校支援課相談員の小山正見先生です。小山先生は近々、俳句指導の本も出版されます。教員は一冊持っていても良いと思います。特に国語の教員には強くお薦めします。

どの子もできる10分間俳句
小山 正見
学事出版


研究協議会での小山先生のご指導を要点だけでも書き残しておきます。

・美しい言葉を使うことが縦の糸ならば、自分を見つめる視点を持てることが横の糸である。この縦横の糸がつむぎ合ってこそ、美しい言葉とは何なのかを子どもたちが理解していくだろう。

・「あったか言葉」が本当にあったかいのかを決めるのは、その言葉を話している人ではない。それを決めるのは言われる側の意識である。言われて嬉しかった体験があるからこそ「あったか言葉」とは何なのかを理解することができるのだ。

・同じ言葉を言っているのに、相手や状況が変わると「あったか言葉」に聞こえなくなる場合がある。だから聞く側の体験に基づく意識が大事になってくる。

・「あったか言葉」をあったかいと認識するためのエネルギーは、言われて嬉しかったという「思い」や「体験」が源泉となっている。

・「あったか言葉」を言われて、素敵な言葉だと認識する感受性を心に育てていかないとならない。また、教師自身もそのような感受性のアンテナを敏感にしておかなくてはならない。

・「あったか言葉」は人間の心と心をつなぐものであり、こうしたプロジェクトに取り組むことは、とても大事なことである。

・「チクチク言葉」を言わないようにするという授業はけっこうある。しかし、この「チクチク」というマイナス言葉を考えていくと、管理主義になりかねない。

・もしも、言葉を点数換算するとしたら、「あったか言葉」は加点法であり、使えば使うだけ点数がどんどん良くなっていく。200点、300点・・・と、どんどん点数が伸びていくタイプ。「チックチク言葉」は減点法であり、この言葉を使うことによって、100点からマイナス思考で点数が減っていく。自他を傷つける「チクチク言葉」を使わないことが100点であり、それ以上がない。そう考えると、「あったか言葉」がいかに大事か分かる。

・言葉というのは情報量が少ない方が、早くイメージ化することができる。イメージ化したものは共有することができる。集団の構成員がイメージを共有できれば大きな力となる。

・言葉づかいの指導も、子どもたちの日常的な動きにしたいのであれば、スローガンにして単純化した方が良い。誰もが覚えられる言葉に象徴化する。たとえば、私の校長時代には学校のスローガンとして「元気なあいさつ八名川スマイル」とし、子どもたちもみんな覚えていた。「いつでも元気なスマイル」を「いつでも」「どこでも」「何度でも」見せること。このイメージを全員が共有していた。

・ぜひ、他学年にも伝えられるように、子どもたちが「判断」し、「計画」し、「行動」していけるように指導していってほしい。


【参考のために】
私自身が言葉に視点をあてて指導した記事がありますので、リンクしておきます。
どうぞご覧ください。

「言葉をたくさん知っているとどんな大人になるか?【マインドマップ活用授業】」

「言葉に視点をあてた授業 【マインドマップ活用授業】」

「言葉を知らないとどういう大人になるだろうか? 【マインドマップ活用授業】」

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小山先生から、「マインドマップは俳句の指導にも使えるかもしれない」というお言葉をいただきました。
確かにマインドマップフェローの先生の中には、すでに俳句の指導で効果をあげている方もいます。
「作文すらすらワーク」の中には、俳句につなげる書き方は入れませんでしたが、私自身が来週の授業で実践してみる予定です。
マインドマップで作文すらすらワーク (ドラゼミ・ドラネットブックス)
クリエーター情報なし
小学館

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