恩方第二小学校の校内研講師を務めました

12月8日(水)に、八王子市立恩方第二小学校の校内研講師として派遣していただきました。

小学校現場の主幹教諭が講師として招かれるというのは特別なことです。
なぜ呼ばれたのかというと「マインドマップ公認フェロー」という肩書があるからです。この学校に私を紹介して下さったのが、同じ八王子のM小学校の先生でした。その先生が、ある研修会でマインドマップをかきながらメモを取っていた。それを見た恩方第二小学校の先生が関心を持ち、私につながったそうです。縁とは不思議なものです。


さて、今日の授業は2年生の国語。教育出版社の教科書にある「生き物図鑑を作る」という活動です。
マインドマップで自分の選んだ生き物についてまとめておき、その中から順番と意識して図鑑カード化していく学習です。

【授業の流れ】
(1)前時までのことをふりかえる。
・前時までに「カルタ」を使って情報を収束してある。
・伝える相手を確認する。子どもたちからは、「全校のみんな」「先生たち」「来賓の方々」「お父さん・お母さん」といった意見が出ました。

(2)文の順番を意識して書くことを、教師が作ったお手本を見せながら指導する。

(3)調べた情報の中から、自分が紹介したい項目を選び出す活動をする。

(4)選んだ情報を文章化する。
・B5サイズのカードに文章を書いていくのですが、「カルタ」に設計図が書かれているので、効果的に文章化できていました。

(5)書いた文章と「カルタ」を教師が紹介する。
・今回は教師側で紹介しましたが、できれば子ども自身が紹介する活動を入れた方が良かったと、研究協議会で意見が一致しました。そうすることによって、「話す・聞く」という活動も入るからです。


【研究協議会】
研究協議会で話題になったことを列挙しておきます。

・マインドマップの導入時に扱うテーマは、「自己紹介」「好きなもの」「リンゴ」「恩二小」「最近の3日間」など、すぐに思いだせるものの中で、とにかく楽しく取り組めそうなものが良い。

・読解指導に使う時には、「物語教材」から入るよりも「説明文教材」をマインドマップでかかせていく方がやりやすい。なぜなら、説明文教材は「始め・中・終わり」や「起承転結」といったように、小学生にも分かりやすいように文章が構成されている。言葉の裏にあるような心情を読み取るということもしなくて良いのでマップ化しやすい。

・マップ形式で考えさせていくと、発想が拡がりすぎて論理のずれが出てくることがある。こういう場合は担任の采配が大事になってくる。何をどこまで考えさせるのか、考えた中からどう取捨選択させるのか、ここはマインドマップで行う段階ではなく、授業の次の段階になる。マインドマップを使ったからといって、すべてができるといった万能なものではない。様々な方法を使って、子どもたちの能力を高める必要がある。

・今回の図鑑を作る学習の中で、文中に「気持ち」を表現している子がいたが、図鑑なので「~と思った」という表現は使わせない方が良い。こうしたことは「文型指導」「内容指導」として、別に行う必要がある。

・マインドマップには大きく分けて、「拡散型」と「収束型」の2種類の使い方がある。「拡散型」の書き方は、自己紹介や好きなものをテーマにしてかく時のような、どこまでも思考を拡げていくかき方。「収束型」は、知識として得たものを整理し、記憶していくためにまとめるかき方。読解指導の際には、この2つを場面に応じて使い分ける。内容を読み取る時には「収束型」のかき方。自分の意見を拡げる時には「拡散型」のかき方。その後の話し合いをマインドマップで板書していくと、話し合いは活性化するし、意外なところでの「気づき」が生まれることが多い。

・文章を書く時や、発表をする時に、相手意識を持たせることは、思考の方向性を決めるための重要なポイントになる。誰に伝えるのかということをイメージしているだけで、文章内容が変わるし、より良い文章を書こうというモチベーションの高まりにもつながる。


【私の講評内容】
これはレジメとして用意したものの中から、お話したものだけを載せておきます。

1、マインドマップの効果
①思考の面
・思考の拡大、促進
・思考の設計図
・思考の収束、整理
・図解は理解

②表現の面
・文字を超えるイメージの広がり
・楽しく表現、創意工夫
・スピーチを自分の言葉で

③脳活性の面
・ポジティブな学習になりやすい ⇔ 楽しむがルール
・脳神経系への刺激が強い
・脳内に思考回路が生まれる
・40~50枚かいてみると、自分の変化に気づく

2、マインドマップの可能性
①社会
・スタートはビジネスツール⇒社会のニーズがある
・自ら考えられる人材が求められている
・学社一体の教育改革を目指すきっかけにできる⇒ジャパンメソッドとして教育輸出できる

②世界
・すでに各国で活用している
・インストラクターネットワークに日本が強い影響力を発揮しはじめた
・言語を超えた理解がマインドマップだと可能である
・人類の抱える諸問題を考えることも・・・

3、指導方法
①開拓のはじまり
・どのように活用できるかは教員の創意工夫しだい
・各自の持っている指導力から判断して、効果的であれば使う



協議会終了後にも先生方の質問を受け、とても充実した研究授業になりました。
その際に興味を持っていただいたことに関する記事を下にリンクしておきます。

子どもたちを伸ばす「ゴール意識」

卒業した君たちへ その1・・・まさに「史上最高の卒業式」でした

史上最高の卒業式のイメージを創る 【マインドマップ活用授業】

マインドマップ 「卒業式の意義」 2009年バージョン

半分教師 第37回 「6年生は「『卒業式』について考えてみました」

卒業式の準備計画 マインドマップ

前向きな生き方をするための良い習慣を考える 【マインドマップ・ポジティブ思考ワーク】

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