俳句指導「ことばの花びら」

12月21日に、江東区教育委員会・学校支援課相談員を務めている元・八名川小学校校長の小山正見先生をお招きし、俳句の授業を予定しています。小山先生からは、「事前に俳句を作っておいて、選句をする授業をしよう」と指導されています。そこで、子どもたちがより良い俳句を作れるようにするために、言葉感覚を広げておく取り組みをしてみました。

題して「言葉の花びら」という授業です。


ほとんどの小学生は、俳句作りに慣れていない初心者の頃には、このようなものを作ります。


運動会 全力で走った 疲れたな

さざんかは 赤い花びら きれいだな

みんなでね ドッヂボールだ 楽しいな

クリスマス DSもらった うれしいな

こういう俳句は個性が感じられないと私は思っています。最後の五音に個性がない。「疲れたな」とか「きれいだな」という言葉が抽象的すぎるわけです。抽象度が高いと実感が伝わりにくくなります。そこで、言葉に対してそれほどこだわりのない初心者の子どもたちに対して、言葉感覚を広げると表現豊かになることを実感させる必要があります。

この指導で有効活用できるのが「マインドマップ」です。江東区の俳句指導を一身に受けて進めている小山先生からも、12月1日に行った5年生の研究授業「美しい言葉を使う5年生プロジェクト」へのご指導の中で、
「マインドマップは注目すべきツールである。このツールは俳句の指導にも大いに役立てることができるだろう。」
と太鼓判を押していただきました。

そこで、導入段階に使ってみました。

「楽しいな」「うれしいな」「おもしろい」という言葉ではなくて、この言葉からもっとイメージを広げてみようということをなげかけ、意見交流。画像のようにどんどんイメージが広がる授業となりました。

例えば、「うれしいな」という言葉から広げたイメージには、「ラッキー」「ハッピー」「ランラン」「赤い顔」「Vサイン」という、いかにも俳句で使えそうなものが出てきました。これを使うだけでも、ずいぶん違う俳句になります。例えば、プレゼントをもらった時の喜びを「うれしいな」ではなくて、「ハッピー」を使えばこんなふうになります。

朝起きて ハッピー気分の クリスマス

もし「うれしいな」を最後の五音に使ったら、たぶん「クリスマス プレゼントもらい うれしいな」なんて俳句になるでしょうね。どう考えても「朝起きて ハッピー気分の クリスマス」の方が味がある。こうした言葉感覚をどんどん拡大していくために、マインドマップを活用することが力となります。

今回の指導で、俳句指導に向けての「言葉の花びらマインドマップ学習シート」という活用方法を開拓できました。まだ実際には作っていませんが、99%アイデアは固まりました。かなり良いものになると思います。


俳句で子どもたちを鍛えれば、必ず言葉に敏感な子どもに育つことでしょう。豊かな言語感覚は豊かな人間関係を築いていける力となります。豊かな人間関係を築く力はすなわち「生きる力」となります。学習指導要領で強調されている「生きる力」にグイグイ迫っていく授業をすることができる可能性が「俳句+マインドマップ」というコラボレーションにあります。

こういう視点で、小山先生ともたくさん論議を交わしながら、江東区の教育が日本の教育をリードしていけるように、創造的な活動をしていきたい。そんな思いを深めています。


どの子もできる10分間俳句
小山 正見
学事出版


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