かねてから当ブログにおきまして、臨海貨物線の濃厚な味わいを堪能できる路線としてご紹介している神奈臨・千鳥線。『貨物時刻表』をご覧頂ければお分かりの通り、これまでは平日2往復の列車が設定され(これとは別に、川崎市営埠頭の車両船積み&陸揚げ場に向かう超不定期の甲種輸送列車もあり)、化成品およびコンテナ輸送が細々と行われていたのですが……沿線最大の荷主であったA化成が去る8月上旬から全てのコンテナ輸送を川崎貨物駅における搬入・搬出に切り替えてしまったことにより、定期の貨物列車としては消滅してしまいました……。
その転換は当初9月上旬というウワサだったのですが、残念ながら海外出張中の8月上旬に繰り上げて実施されてしまったため、最後の日々を見届けることはかなわず……(T_T)。
そこで先日、現状ではどうなっているのかと思いまして、久しぶりに化学工場の異臭が漂う界隈に繰り出してみましたところ、午前中の1往復が単機のレール磨き&踏切作動確認列車として姿を現しました。
1年前の今頃は、それこそ青化ソーダ(青酸カリ)タンクコンテナ、JRF標準コンテナなどを積載したコキや、ラテックス用タキをジャラジャラと連結した堂々たる編成で悠然と大踏切を横切っていたものですが……余りにも急激な変化にガク然とせずにはいられませんでした (-_-)。
「環境に優しい鉄道貨物輸送」と言いながらも、A化成での入換作業では線路配線の関係上近くの主要道路の踏切をかなり長い時間塞がなければならず、その都度トラックやダンプカーによる大渋滞が引き起こされていました。そのことが排ガス問題に悪影響を及ぼしていた可能性があるだけでなく、「何でA化成のためだけに」という数多くの苦情が寄せられていたことが想像されます。そのことが結果的には工場地帯を行く臨海鉄道の収入減につながってしまったとしたら、複雑な気分ですね……。
というわけで、千鳥線の日常の貨物輸送風景を撮影したのは、結局今年の5月末に↑このシーンを撮影したのが最後になってしまいました。取りあえず「是非一度、千鳥町のヤードで新鋭機DD60が牽引するシーンを見てみたい……」という願望が最後にかなったのは良かったですが……(リンク頂いている貨物ブログ「ロジ坦」さんは何度も千鳥町でDD60を撮影されていると思いますが、何故か私はちっとも当たらなかったもので……-_-)。
超ディープな貨物線である千鳥線の今後ですが、たまにある市営埠頭の甲種回送はまず残るとしましても (当面の注目は京王9000系の甲種回送)、秋~春限定 (?) で時折運行されるS電工への入換や、浮島町の荷役設備が保守作業のため使えないときに限って千鳥町の設備が利用されるN触媒への入換がどうなるのか……非常に気になるところです。
何はともあれ、今まで当たり前だった鉄道風景が、ある日あるときを境として忽然と消えてしまう……だからこそ地道な記録に励まなければならない!……ということを改めて強く思い知らされる出来事でした (-_-