地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

春の潮風・江ノ電日和 (下) 最後の1000形旧塗装

2007-05-05 00:56:00 | 地方民鉄 (東海道)


 いまや江ノ電で最も撮り甲斐のある車両といえば303・305Fですが、もう1本のお目当て・303Fは、極楽寺の車庫で寝ていました (T_T)。しかも最近、極楽寺の車庫の前には、「ここから先、写真撮影禁止」の掲示が……。幸いにして303Fは一番本線寄りの位置で寝ていましたので、掲示の位置から望遠レンズで撮影できたのですが、車庫前を横切る踏切から木造の車庫に集う旧型車を撮影できたのは遠い昔のことになってしまったようです (-_-;)。
 303Fが走っていなければ、江ノ電の運用は72分で一巡するのでヒマ……と思いきや、この日はもう1本の「当たり」編成として、最後の1000形旧塗装編成となった1201Fが、2000形の白バージョン (この車両の広告は、後ろに連結されている限り目立たないのでオーケー ^^;) を従えて走っていました。



 300形をイメージしたダークグリーンとクリームイエローの新塗装が20・1000・新500形に採用されたことは、個人的に非常に好感度が高いのですが、そうなると今度は1000形の登場時の塗装が消えてしまうなぁ……という寂しさがあります。なにせ、1979年に1000形がこの塗装をまとって登場したときは、余りにも優美な印象で世間をアッと驚かせ、私も子供心に腰を抜かしそうなほど驚きましたから……。
 この電車の登場までの江ノ電といえば、横須賀線の車内から見下ろすと、古びたホームに旧型っぽさ炸裂の車両たちが地味〜に停まっているという印象でした (まあ、私はそんな江ノ電も大好きでした ^_^ そういえば、小田原駅の片隅から発車する大雄山線もそんな感じでしたね……)。それが、この1000形の登場 (そしてサザンの登場など) で大注目を浴び、以来江ノ電は、1000形に象徴される優美なプチ電車路線と、300形に象徴されるレトロ路線の両者をうまく活用して、見事脱皮を図ることに成功したわけですから、まさにこの車両と塗装の組み合わせは、江ノ電にとって最も記念すべきもののひとつなのでしょう (1960年代にはクルマ社会に敗北宣言して廃止するという話もあったそうで、それを完全にはねのけたという意味でも)。
 そんな1000形も、早いもので今年は1001Fが登場して28年! 私はいまだに1000形のことを新型電車と思っているのですが、この塗装ともどもそんなに月日が経ってしまったということで、トシはとりたくないものです (汗)。そんなことを思いつつ、消え行く旧塗装を眺めたのでした……。