
会津鉄道で若松に到着しますと、目の前には次のお目当ての455系が停車していました。しかも、6連で到着したばかりの3233Mを3連の3234Mにするための解結作業を行っている最中! さっそくカメラにレンズをセットして、駅撮り一人祭りに突入です (^^;
振り返ってみれば、磐越西線用の455系赤塗装は、緩く描かれたカーブがどうもイマイチ個人的に好みではなく (鉄道車両の塗装デザインは直線的かつシンプルであって欲しいと思っているものでして……^^;)、しかも最近は観光キャンペーンとの関連で「赤べこ」までラッピングされてしまったのが残念……だったのですが、ここはやはり腐っても鯛 (?!)、どんなに塗装が変わろうとも455系は455系! とくに、解結された2編成が同一線路上で並ぶという貴重な光景であることから、思わずカメラを握る手に力が入ってしまいました。

その後はさっそくこの編成に乗って、郡山までの快速運転を堪能しました。遠く残雪に覆われた飯豊を望み、近くに会津盆地を見下ろしながら、右に左にカーブを切りつつ軽快に勾配を登って行けば……磐梯山の麓はまさに今が新緑の盛り! 一部ロングシート化されたことを除けば、急行ばんだいの現役当時と何一つ変わらないであろう重厚な乗り心地も最高! 全くと言って良いほど、経年劣化を感じさせるものはなく、ただただ「あと僅かで廃車になるとは絶対に信じられない!」と思うのみでした……。
磐越西線の455系の旅は、たかだか1時間少々、あっという間のものかも知れません。それでも、かつて急行型電車が確かに地方の中長距離輸送の星として君臨していたのだ……ということを記憶に留めておくうえで最良のひとときであることは間違いないでしょう。18きっぷシーズンではありませんが、最後にこうして訪れて、学生時代の貧乏旅行の記憶をあたためることが出来て本当に良かったなぁ……と思っています。
5月末の時点では、駅や車内に名残を惜しむ「鉄」と思しき人々は他にほとんどおらず (強いて言えば、観光客のオジサンが私の激写態勢を目にして「にわか鉄」に豹変する程度 ^^;)、静かな雰囲気の中で別れを惜しむことが出来ましたが、ついに離脱まで残り2週間を切り、今頃は沿線も車内も賑わっているのでしょうか。無事故で有終の美を飾ってもらいたいものです……。