地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

急行「よねしろ」用キハ58・最後の奮闘

2008-04-14 00:24:35 | 国鉄型車両


 1/29に小坂鉄道を撮影したあとは、翌30日の昼に「ドクターJ」さんと盛岡でミニオフ会をすることになっていたのですが、それに先立つ30日の朝は、引退迫る「よねしろ」色のキハ58を満喫することにしました。そこで宿泊地として選んだのは、大館ではなく鹿角花輪。何故なら……小坂からは大館行よりも花輪行のバスの本数が多いということもあるのですが、大館宿泊の場合は花輪線の上り一番列車に乗ってようやく十和田南にてキハ58に遭遇できるのに対し、花輪宿泊の場合は駅留置シーンを撮影できるのに加え、6時22分発の下り一番列車で十和田南まで先回りしておけば、スイッチバック駅である十和田南にてキハ58の入線シーンを撮影できるということで……ホンの少々の工夫で楽しみが増えるからです (^o^)。
 そこで、花輪駅前の宿に泊まった私は計画通り早起きしまして、まずは鹿角花輪駅でキハ58をバルブ撮影! (3月7日付記事参照) その後は2駅移動し、次第に明るくなりゆく十和田南駅の構内踏切にてキハ58の来臨を待ち構えたのですが、時折雪が強くなって視界が悪くなり、光量も下がってヤキモキ……。それでも、7:16の定刻通りにキハ58が姿を現しますと、うまい具合に雪も弱くなり……墨絵のような森をバックに力強く入線するシーンを決めることが出来ました v(*^O^*)v。



 う~ん、それにしても、先頭の車両がキハ58 23とは……。膨大な数のキハ28・58が製造され、既にそのほとんどが消え去ってしまった中、その歴史の最初期に生まれた車両が、塗装変更・機関交換・室内アコモ改良を経ながらも、こうして堂々と県都直通列車の先頭に立っているのですから……キハ58の歴史を締めくくるにあたっての新たな伝説としか言いようがありません!
 そして、私が撮影後に乗り込んだ最後部の車両は、キハ58 1502! (2枚目の画像。十和田南→大館間は先頭)  RP誌の08年3月号でも紹介されている通り、この車両は何と国鉄気動車5000両達成を記念する由緒ある存在です! 3両中2両がかくも伝説的な車両ということで……何気に超デラックスな編成に乗ってしまった私の心臓はバクバク (笑)。しかし、この列車の東大館までの顧客である高校生の皆様は、そんなことはつゆ知らず……恐らく進学校の生徒サンで、試験でもあるためか (?)、それとも進行方向を向いたリクライニングシートの効用か、発車すると不思議なほど車内は静かになりまして、ただ床下の2つのエンジンから発せられる力強い唸りだけが響き渡っていました。しかも、沿線風景は折からの雪で、完全に白と黒のコントラストの世界……。引退間際にこのような列車に乗り合わせることが出来て本当に良かった!!と思ったのでした。正直なところ、その魅力に気付いて訪れるのが遅すぎたほどです (花輪線の他の普通列車に用いられていたキハ28・58も、個人的には結局盛岡駅でちょこっと撮っただけでしたし……汗)。
 そんなことを考えているうちに、列車は東大館で高校生を全て吐き出し、その代わりに秋田へ向かうビジネスマンを少々乗せて大館に到着。数分の停車時間ののち、「快速」表示も凛々しく秋田へと走り去って行くキハ58を見送りながら、果たして波動用として生き残ることが出来るだろうか、それとも近いうちに川崎港に姿を現すのだろうか、あるいはそのまま解体だろうか……と、その今後を案じずにはいられませんでした。
 【4/15補足】DJ誌最新号によりますと、波動用として残るとのこと (^^