地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

台湾・花東線ナローのSL、堂々復活へ!

2010-05-24 09:26:00 | 台湾の鉄道


 日本統治時代につくられたあれこれのインフラや建造物がここ10数年来「台湾近代史の生き証人」として脚光を浴び、さまざまなかたちで活用されて人気を博しているのが台湾という国。たとえ経済的には完全に大陸の周辺として取り込まれそうな状況であるといっても、だからこそ社会・文化面で台湾らしさを保とうという発想も強く、その最先鋒として保存鉄道ブームが吹き荒れているようです。とくに、来年は中華民国100周年ということで、たとえ辛亥革命が台湾と無関係であったとしても、ちゃっかりとその記念を兼ねて台湾の鉄道遺産を盛り上げようという雰囲気がありありなのもまた台湾らしいと言えましょう。
 その中でも最大の目玉は、新線の開通によって廃止されて久しかった西部幹線・山線旧線区間の復活! 三義~勝興~泰安間を完全な観光鉄道として再整備し、途中の風光絶佳な場所には新たに魚籐坪駅を設置するなどして、まずは6月以降8月までは週末2往復運転を実施。来年以後本格的に営業するとのことです。この区間は私も乗ったことがありますが、保津峡とやや趣が異なるものの素晴らしい風景が展開し、いずれは嵯峨野観光鉄道との姉妹提携もひょっとするとあり得るのでは……とすら思えるところです。



 しかしここに来て、もう一つの強烈な保存鉄道計画が判明! 先日、台湾の鉄道総合サイト『台湾鉄道網』を見ていたところ、な何と何と!東部幹線の要衝・花蓮駅前にて保存されていたかつての花東線用ナローを徹底的にレストアし、花蓮駅西口に約1kmほどのナロー線路を敷設のうえ、SL・LDK59号 (1枚目の画像) を時速5kmで保存運転するとのこと! 牽引される客車はもちろん花東線のDC・PCということで、個人的には如何にも戦前の日本製DCらしい表情の車両 (2枚目の画像) や、必殺・ナロー寝台車の活用を期待したいところです (*^^*)。
 今回アップした画像は2005年に撮影したものですが、せっかく保存車両が立派な鉄道公園内に置かれているというのに、スペースが狭いところに大量に並べられ、かつ周囲の植え込みもあって、余り「引き」を取れずキレイに撮影出来なかったのが未だに悔やまれます。その後最近では、そもそもこれらの車両の多くが姿を消してしまったとのことで、「一体どうしたことか……まさか塩害でボロボロに?!」と心配していたのですが、実は復活に備えた長期レストアのためだったようで、いや~良かった良かった……。これであとは、新しい保存鉄道スペースが十分な広さを擁し、形式写真や走行写真を撮りやすいかどうかですが、果たしてどうなることやら (^^;
 台湾の保存・観光鉄道といえば、ここにきて更なる朗報も……。民間委託が杜撰な経営へと裏目に出て、しかも昨年の大水害で不通となっていた阿里山森林鉄道が、まず御来光見物客や森林遊覧客の乗車を安定的に見込める阿里山~祝山・神木間で6月19日に営業を再開するようです。嗚呼……台湾に前回出かけたのも早いもので2年2ヶ月前となり、体内台湾分も著しく低下しているだけに、なるべく長い時間を確保してこれらのスポットを訪ね歩きたいものですが……4~5日を超える休みをとれないのがうらめしや……。