地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

加悦SL広場を訪ねて (1) 2両の電車

2010-11-02 00:00:00 | 保存・園内・特殊車両


 国鉄&JR宮津線丹後山田駅改め北近畿タンゴ鉄道野田川駅で下車したとなれば、紡績業関係者や地元民ではない遠来の客の目的地は……自ずと加悦SL広場ということになるでしょう (^O^)。
 野田川駅からバスに揺られること30分少々、最寄りの「鉱山口」にて下車し、バスの運転手氏に「あそこですよ~」と教えて頂いた方向を見ると……ををっ!確かに高台の上に古そうな赤い車体が見えます。そこで歩くこと3~4分、バイパス沿いに出てついに念願の地に到着しました! もともと加悦鉄道の保存車両群は加悦駅構内に展示されていたことは言うまでもありませんが、廃止後の加悦駅は駅舎を除いて再開発されて与謝野町役場支所(旧加悦町役場)が鎮座していますので、加悦SL広場は道の駅を兼ねた施設として、かつての大江ニッケル鉱山貨物駅の跡地に安住の地を見出して今日に至っているようです。



 そこで早速入場券を買って中に……とも思ったのですが、早朝に新横浜からスタートして以来乗換の連続でとにかく腹ペコ (^^;)。しかも目の前には元東急サハ3104を改造した喫茶店がある以上、東急ファンのはしくれとしてここでくつろいで腹ごしらえしない手はありません♪ というわけで、美味しいパスタとコーヒーを賞味して大満足♪♪ サハ3104は加悦鉄道入線当初こそDL牽引の客車列車に用いられたとのことですが、DCの増備とともに事実上失業し、廃止前の晩年には加悦駅SL広場の休憩車両となり、側壁をほとんど取り払うなどの改造を受けていたとか。そこで、さらに客車風喫茶店として流用されるにあたり、車体の幅を大幅に (?) 広げるなどほぼ原型を留めない状態となりましたが、旧型電車的な意匠は何と言っても嬉しいですし、車内……いや店内に入りますと、車端部には僅かに種車の雰囲気(そしてナンバープレート)も温存されています。そして、ボックスシート風のスペースで食事をすれば、隣りに連結されている南海モハ1202がモロに見えることも相俟って、あたかもレトロな食堂車で舌鼓を打っているかのような錯覚が……(*^^*)。また、大改造されたとはいえ台枠が台車の上に載っていることには変わりありませんので、歩くと揺れるのも良い感じです (^^;)。
 いっぽう、折角の貴重な南海モハ1202が、顔を撮影出来ない狭い空間に封じ込められているのはとにかく残念……。車内はレストラン多客時の予備空間として用いられており、とりあえずニス塗り車内の雰囲気はとどめられているのですが……(今回は外から覗いたのみ)。あと、屋根の腐食が進み (あるいは腐食を避けるため?)、カバーが掛けられた状態となっているのも残念……。まぁ現存しているだけでも有り難いと思わなければならないのかも知れません。


 天井の幅と車体の幅が一致していないところがミソ。
 南海フォントの「1202」をすぐ目の前に見ながら食事♪(^o^)v



 大江山麓の美味い水で淹れたこの濃いぃコーヒーが美味い!!
 ニス塗りのこんな食堂車、どこかの鉄道に登場希望……。