冷房車・非冷房車を問わず日本製の電車が圧倒的に幅を効かせるジャカルタの電車シーンにあって、もちろんインドネシア国産の電車も健闘してはいるのですが……本来120両以上という陣容を誇った非冷房VVVF車は製造後それほど年月を経ていないにもかかわらず今や少なすぎ (汗)。昨年も今年も、稼働状態にある車両は8連 (4+4) 2本しか確認出来ませんでした。まぁ正面デザインがアレ過ぎますので、別に滅多に来ない存在でも構わないのですが、ゲテモノ趣味的観点からみれば取りあえず撮っておくのも悪くないのだろう……と (^^;
そんな、撮っているとまさに「ギョロ目」が迫って来るかのようで不気味な非冷房VVVF車も、本来の下回りそのものは決して粗製濫造ということはないようです。今夏の訪問時に初めてこの車両に乗ったところ、車内の荒れ方は他の非冷房エコノミーと同様であることは否めませんが、何と言っても起動音が最高にお上品……。静かに、慎ましやかにVVVF音が床下から湧き上がるさまは、まさにユーロピア~ン♪という感じです (ただの偏見かも知れませんが)。まぁ、世界最大規模の輸送機器メーカーを豪語する (?) ボンバルディアの下回りといえども、高温多湿なインドネシアの環境には太刀打ち出来ず、あるいはメンテナンスのサービス提供も不十分だった、ということなのでしょう。
既に、廃車になった車両の一部は、この顔を捨てて電気式DCに改造のうえバンドゥンや中部ジャワに転じており、現在ジャカルタに残る編成も機器の切れ目が運の切れ目となることでしょう……。マイルドでお上品なVVVF音と全開ドアのギャップを楽しみたい方は是非急いだ方が良さそうです (そんな方はいるわけないか。笑)