地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

会津鉄道2010新雪 (2) 下郷のキハ8500

2010-12-26 00:00:00 | 地方民鉄 (東北)


 今回雪見を兼ねて会津鉄道を訪れた最大の目的は、新AMEXを撮って楽しむのもさることながら、引退後も会津田島の車庫と会津下郷の側線にて留置されたままの状態が続いているキハ8500の姿を眺めて記録することでした。キハ8500が撮りやすい状態で放置されていることが個人的にかなり早い段階から分かっており、いつ何時解体されてもおかしくないことから、なるべく早めに訪問しておきたかったのですが、何のかの言って多忙の中で先送りとなってしまいました。
 しかし……気がついてみれば会津鉄道公式HPにて、キハ8500譲渡に関する応札者募集が掲載されているではありませんか! しかも、落札した車両の引取期限は来年3月20日ということで、会津鉄道がいつまでもキハ8500を現状のまま放置するつもりではないことが発覚……(落札者がなければ雪解けを待って解体?)。加えて、もし長期気象予報の通りにこの冬が寒くなり、とくにこの年末寒波で南会津の積雪が増えるとすれば、下郷にて下回りを含め満足な状態で撮影出来る機会は得難くなってしまうはず。積雪が20~30cmとなれば立ち位置を自由に選べなくなり、40~50cmを超えればキハ8500の下回りが隠れるだけでなく、駅前(公民館)駐車場で撮るにも腰から下が雪まみれ……。したがって、バックの森ともども雪化粧したキハ8500を思い通りに撮るには、一昨日は千載一遇のチャンスだったのです。



 というわけで、浅草から約3時間50分の長旅の最後に大川(阿賀野川)鉄橋からの絶景を眺め、下郷に到着しますと……ををっ、確かにキハ8502+8503が保線車両に挟まれるかたちで静かに眠っていました……。贅沢を言えば、前後の保線車両との間隔があと1~2mあれば有り難かったのですが、いやいや、こうして撮りやすい位置に留置されているだけでも御の字と言わなければならないでしょう。というわけで、会津田島行が到着するまでの持ち時間が20分少々と限られていたため、無我夢中でバシャバシャ撮りまくった次第ですが、キハ8500もバックの森も狙い通りに美しく雪化粧し……薄命な佳人の最後のひとときを訪ねて来た私にとってこれ以上の絶妙な演出があるだろうか?!と思わず唸らざるを得なかったのでした……。
 そんなキハ8500、公式HPによれば昨日は下見会が開催されたようですが、果たして応札予定の参加者はいたのでしょうか……? そもそも折からの激しい雪もあって、下見会自体が中止だったりして……。特急用DCの譲渡と言えば、JRHのキハ183がビルマ(ミャンマー)に輸出されたことは記憶に新しいですが、公式HPにある今回の売却条件では国外への転売は禁止とありますし、他に大柄な高級ディーゼルカーを欲しがる地方私鉄があるようにも思えず (いすみ鉄道がキハ52を購入したのは単行運転が可能だからでしょう)、輸送費がかかりそうな南東北の山間から静態保存目的で2両1セットを買って運ぼうという個人も希有なのではないでしょうか。まぁ資産も何もない一個人としては、最終的な成り行きを黙って眺めるしかないことは言うまでもありませんが、何とか活路が開かれることを祈るばかりです。
 ちなみに、田島の検修庫手前に留置されているキハ8501+8504は、手前にお座トロ風覧坊編成が居座っていたため撮影不可能でありました……(泣)。新年のお座トロ新雪号運転日を狙って何とか再訪したいものです (汗)。