地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

神奈中バスで甲州街道・大垂水峠越え

2012-02-08 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 先月富士急6000系甲種を撮影した際には、恐らく標高の高いところでは積雪があるだろう……と期待しまして、ついでとして中央東線での撮影を楽しもうと目論んだのですが、いざ久しぶりに115系に揺られて雪の小仏峠界隈を眺めたのも束の間、相模湖に着いてみると……線路の周辺は雪がほぼ消滅し雨となっているではありませんか (T_T)。周囲の山々は中腹から上が雪化粧でしたので、僅かな標高の違いが運命を分けるのでしょうか。中央高速も目の前を通っている土地柄ですし。
 それでも折角ここまで来ましたので、何か変わったことをと思いまして、駅前の神奈中バス停にて時刻表を見たところ、何と!一日三往復しかない甲州街道・大垂水峠越えの八王子行きバス (八07) にさほど待たずして乗れるではありませんか! しかも……大垂水峠の積雪によるものの、首尾良く富士急6000系甲種に間に合うな……と瞬時に計算 (笑)。そこで、しばらく撮り鉄に励んだ後、改めてバスの到着を待っていたところ、チェーンを巻いて準備万端なエアロスター様が御登場! 昨年8月に骨折してから約3ヶ月ほどの間、神奈中のエアロスター様には本当にお世話になりましたが、そんなエアロスター様がチェーンの重装備に加えてレア表示「八07 八王子駅」を出している勇姿にはもう心の底からシビれました……(*^^*)。車体広告がパチ屋モノでなければなお良しだったのですが (笑)。



 そこで早速乗車したところ、如何にも熟練な雰囲気の運転手氏が「大垂水峠の状況が分からず、しかも高尾山口到着時にチェーンを外しますので、時間は大幅に遅れますが宜しいでしょうか?」とご説明下さったのですが、こちらは趣味で乗っているだけですので全然没問題! 定刻から3分遅れ (JRまたは他のバスとの連絡?) の11時48分に発車したバスは、さっそく大垂水峠へのヘアピンカーブの連続に挑んで行きました……。標高380m程度の大垂水峠は東京都と神奈川県を分ける甲州街道の分水嶺にあたり、中央高速が繁盛する現在でもそこそこの交通量がありますので、決して狭隘路ということはありませんが、ひところは毎年年末年始になると族が大挙して曲芸走行をやらかしたことで知られ (汗)、対策としてセンターラインに赤いポールが林立している箇所も多数 (苦笑)。そんな独特の景観 (?) の中を次第に登って行きますと、路面は確かにグズグズのシャーベット状を呈し、上から屋根目がけてバッサバッサと湿雪のつぶてが落ちて来ます (汗)。というわけで、チェーン装着によって乗り心地が格段に落ちているものの、何とも頼もしい走りとハンドル捌きで大垂水峠を通過~♪
 峠の高尾側は割と直線気味のスロープが続き、峠道名物のラブホ街がにわかに出現して思わずニヤニヤしますが (笑)、やがて外環道とのジャンクションや高尾山の参道が現れて京王高尾山口に到着しました。通常であれば駅西側の折返し場で方向転換を済ませてすぐに八王子へ向かうようですが、この日はチェーンを外すために折返し場で客扱いのまま長時間停車。運転手氏から許可を頂いて車外に出て撮影したのが2枚目です♪ 京王9000系を画面左側に入れて高尾山口の証拠としていますが (笑)、そもそも通常この折返し場を利用するバスは神奈中の上下計6本 (平日1往復は相模湖~高尾山口で折返し) に加えて京王の免許維持路線1往復のみですので、ここでこのようなカットを撮影出来ること自体が積雪時の特典と言えましょう。
 高尾山口を定刻の16分遅れで発車したあとは、一変して住宅街の客をこまめに拾うフツーのバスとなりますが、普段は圧倒的に京王のバスに慣れきった利用客の皆様は、たまにレアな神奈中が来るとどうしても乗車時にまごついているご様子。また、京王八王子まで行く客は乗車を見送っていました。それでも八王子駅が近づくにつれて車内は立ち客多数の大盛況に! では、高尾山口までは本数がレアな路線にありがちな完全ヲタ輸送 (=一般乗客ゼロ) だったかと言えばそんなことはなく、大垂水峠西側の集落住民が八王子に向かう際に便利であることから数名が乗車していたのは新鮮な発見でした。
 こんな感じで、相模湖駅発車から1時間25分経過した1時13分に八王子駅に到着した後は、ハイテンションなまま富士急甲種撮影に没入したのでした……(笑)。なお、降雪時のスロー走行・チェーン着脱、それに雨天時の八王子市街地での利用客増のため、通常は約1時間で到着するらしいところが大幅延着となり、八王子では客を降ろしたあと即座に相模湖へと折り返して行きますので、八王子から乗る方は注意が必要かと存じます。