日本の対外援助や対外投資の流れが猛然と東南アジアへ向かっている中、ジャカルタ周辺のインフラ整備にも莫大な資金を投じることで日本・インドネシア両政府が合意したという話題が秘かに注目を集める今日この頃。その一環として、かねてから用地整備がチンタラと進められているように見えながらその後ロクに進展がなかったジャティヌガラ~ブカシ複々線化工事(電車列車・客車列車の分離)がついにエイヤッと大展開する気配となったようです。『じゃかるた新聞』公式HPのうち、無料公開されている日イ関係アーカイブスをつらつら眺めておりますと、チカンペック (ジャカルタの東80km)~チルボン間の複線化をインドネシア自力で進めようとして10数年進まなかったところ、日本の援助が入って以来あっという間に完成し、当時のメガワティ大統領は大喜び……とありますので、恐らく同じようなパターンをたどることになるのでしょう。そういえば今夏の遠征時には、ちょっとしたドブ川に架ける線増部の橋を建設中でしたが、これも既に予算がつく見通しであったことから前倒しで着手したものだったりして (^^;
というわけで、ジャカルタの街自体が猛然と経済発展へ向けて加速して行きそうな気配が増している中、「そういえばジャティヌガラ~ブカシ間の複々線化予定区間で撮り鉄したことはなかったなぁ……やっぱ記録として一度は撮っておくべきだろう」と思い、テキトーなところで目星をつけて撮影したのが以前アップした東急8618Fの画像ですが、折角この区間に来るからには、インドネシア鉄道が誇る客車列車群を撮影しないわけには参りません! 勿論これまでの訪問でも、電車の合間を縫ってやって来る客車列車を撮影したことは言うまでもありませんが、如何せん過密ダイヤや複雑な線路配置の中を遠慮がちに走るシーンばかり。本格的に加速しまくることが可能な区間でアメ罐が本気モードを出しているシーンは実は全然撮っていなかったりしますので……(^^;)。
しかも、現在インドネシアの罐事情は新たな変動期に入っています。インドネシア鉄道のロゴマークが変わったのに伴い、新塗装罐が急増中であるのに加え、旧塗装罐も取り急ぎロゴマークのみ描き換えたものが一般的になりつつあり、旧ロゴの旧塗装罐はまさに風前の灯火 (?)。さらに、スマトラの石炭列車用としてアメ罐のイメージとは大いに異なる新型DLが登場していますが、ジャワ島内の罐としても今後新型車が登場する可能性もあるでしょう。
そこで今回は、猛然と加速しまくる旧ロゴ旧塗装罐を撮影出来れば超ラッキー!という心構えで臨んだのですが、果たせるかな……スマラン行特急「アルゴ・ムリア」を牽引する罐は旧ロゴマーク旧塗装!(1枚目の画像) しかも正面に運輸省ロゴマーク!! そして何よりも感動的なのは……猛烈な黒煙サービス (^O^)。これはホントに良い記録となりました……。もっとも、別の列車で「SLかよ」と思うほどの超絶大爆煙を撮影しておりますのでお楽しみに (汗)。
いっぽう2枚目の画像は、旧塗装のまま側面のロゴマークが変更された罐。ジョグジャカルタ行き特急「タクサカ」を牽引しているところです(名称に「アルゴ」が付く特急は、インドネシア国鉄が誇る最新・最高レベルのアルゴ客車[グレーと黄色が車体シンボルカラー]を使用し、なるべく正確な時刻で走ることを目指しているのに対し、名称に「アルゴ」が付かない特急は、本来ブルーがシンボルカラーのやや古めな車両を使用。しかしアルゴ客車の不断の増備により、アルゴ客車を使用しながら名称に「アルゴ」が付かない特急が増えています)。正面に運輸省マークがないのは少々寂しいのですが、それにしてもこの罐は台車廻りも含めて超ピカピカ……。大統領専用列車への使用も考慮して格段の整備を施したばかりなのかも知れない、と思うことにします♪