地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

第五ジャカルタ炎鉄録 (16) スマトラの赤い罐

2013-12-07 00:00:00 | インドネシアの鉄道


 タンゲラン線で落花生。様とKFWに試乗する前のお楽しみとして、ドゥリ駅界隈での撮影という重要なメニューがあったのですが、一旦当局による大打撃を受けながらも不死鳥の如く復活した線路市場の賑わいにつきましては、レバラン明け直後のジャカルタに人が余りおらず流通がヘタレている期間だけに、予想通り不発でした (^^;)。しかし一方、最近の電車列車と客車列車の分離に伴うバンテン線客車列車のダイヤ変更・停車駅変更に伴い、ドゥリ駅が電車・客車の乗換駅として格段に重要性を増しており、ドゥリ駅での客車列車ウォッチングは飛躍的に面白みを増しておりました。とりわけ、一部ドゥリ折り返しの客車列車が設定されているため、タナ・アバン形の上下渡り線を通って2番線で客車列車が折り返すというレア・シーンを楽しめたほか、2番線を客車列車が埋めている間は環状線のボゴール方面行やアンケ発の客車列車が3番線 (通常タンゲラン線用) から発車するという血湧き肉躍るシーンも展開しまくり♪ (この面白み、現地に行かなければ決して分からないでしょうなぁ……スミマセン ^^;)



 勿論、バンテン線の客車列車がアンケまたはドゥリ始発となり (アンケでの折り返しの一部はカンプン・バンダン駅脇の留置線でも実施)、スルポン=バンテン線最大の乗降駅であるはずのタナ・アバンを通過するというのは、いくら電車列車自動改札化に伴う分離策であるとはいえ、客車鈍行利用客にとってはたまったものではないに決まっています。しかし、このように敢えて客車鈍行の利用を不便にすることで、客車鈍行利用客の冷房電車への以降を促進し、行く行くはスルポン=バンテン線の客車鈍行はジャカルタ側では全て廃止、パルンパンジャンまたはティガラクサで電車から客車・DCへの乗換を実施することになるのかも知れません……(汗。電化区間の末端手前にあるティガラクサ駅は、現在は交換を行わない停留所扱いですが、既に見事な有効長を持つ2面4線用の線路が出来上がっています。3線分の供用とホーム建設はこれからですが……)。
 そんな過渡期のバンテン線客車鈍行に乗った話を、この連載の次回にアップしたく存じますが、バンテン線客レの今を語る上で忘れるわけには行かないのが、スマトラから転属してきた赤いCC201! 基本的にこれまで、ジャワ島の罐は白系の塗装を纏い、赤い罐は入換機やBB級の中型罐に限られていましたが、スマトラ島南東部のパレンバンを要とするエリアでは大型機が赤く塗られ、主に運炭列車を中心に大活躍するという光景が展開していました。しかし、経済発展に伴い激増する火力発電用石炭の需要に応えるため、鉄道の運炭能力アップが火急の課題となる中、高出力の新型罐・CC205がパレンバン地区に大量投入され、確か昨年秋以来余剰となった赤いCC201がジャワ島に転属、BB罐を追いやりつつ赤罐姿のまま各地で活躍しています。
 しかし、ジョグジャカルタ地区が主な転属先のようで、個人的に「ジャカルタでは果たして赤罐を見られるだろうか……? 電化路線とスマトラの赤罐の組み合わせというレアシーンを、是非白い新塗装に塗り替わる前に記録したい」と思えども、その通りに上手く行くかどうかハラハラしておりました。それだけに、バンテン線の運用に少なくとも1両の赤罐が充当され、こうしてドゥリ駅で記録出来、もう気分はサイコーです♪♪ (この嬉しさも、実際にジャカルタで撮ったことがある方でないと分からないだろうなぁ……と ^^;)