LBPTZ10854。元DCであったことが顔から明瞭に分かります。
LBPTZ10855。元運転席?部分にドアが増設されているものの、ステップ無し。
LBPTZ10856。
LBPTZ10858。
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jR東海の引退DCが続々と名古屋港に運び込まれる一方、新聞紙上における環状線冷房車計画の露呈や臨港線への路面電車導入 (?) で風雲急を告げるミャンマー鉄事情ですが、速報的な話題は他のサイト様にお任せするとして、前回も記しました通り個人的に「激変期に入った今だからこそ総括の機会」と思った既存客車群について整理分類してみまして、今後ダラダラと形式写真をアップして行くことにします。このブログをご覧の方の1%も期待していらっしゃらないでしょうが (^^;)。
その一発目は、恐らく現役の車両として圧倒的最古参と思われる、英国製DCの第一世代を客車化した「LBPTZ10850形」です! ミャンマーの形式略号は詳しい資料が手許にないため、ワケが分からない状態で恐縮ですが、他の車両との類推で、L=Local (ロングシートの大型客車はこれが付いていることが多い。例外もあり)、B=Bogie、P=不明、T=Third、Z=不明……です。全然ダメじゃん (滝汗)。
英領ビルマ時代に投入されたDCは、かつての正面窓の上にあるヒサシと前照灯ケースが何故か残っており、ただちにそうであると判断出来るのですが、この形式は次世代の元DC・LBTX900と比べると、裾絞りがないリベットだらけのボディで、しかも窓も小さい……ということで、何処をどう見ても骨董品の極みのような存在です。しかも、それが1両きりではなく複数現存しているということがこの上もなくスゴい……。まぁ思い出してもみれば、ベトナム国鉄ハロン線の満鉄客車も、車齢約80年 (?) にしてなおも現役ですし (少なくとも廃車の報せは未だ聞きません)、何のかの言って日本を含む帝国主義列強が強勢の極みを誇った戦間期というのは、この手の半鋼製鉄道車両技術におけるひとつの円熟期であり、だからこそ頑丈この上ない鉄の塊として造られた車両は、補修を重ねさえすればトレーラーとして長持ちするということの実例のようなものかも知れません。
それにしてもこの車両、ドアの不揃いぶりが印象に残ります。当初は車端部デッキ1ヶ所の優等車両的存在として製造され、のちに中央の大型乗降口(ドアは無い ^^;)が設けたのか、それとも当初は中央のみで、あとで車端部にもデッキを設けたのか……? あと、車番の付番ルールがさっぱり分からん……。この車両は10850ですが、戦後日本製アッパークラス寝台車という全く対極にある車両が10800番台を付与されていますので……。元々は全く異なる車番で、改造を経たのち空いている車番区分を割り当てられたということなのだろうか……。
まぁいずれにせよ、環状線にもし新型車が入ろうものなら真っ先に廃車となりそうな車両ですので、こんな感じで撮影出来たこと自体を有り難いと思わなければならないでしょう。