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英国紳士風の優雅な雰囲気を今も伝える元先頭車。(LBTX927)
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元中間車はこんな感じ。貫通路は全て封鎖。(LBTX946)
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元正面窓部分にルーバーを設けた珍車。(LBTX907)
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元乗務員用窓を小窓化して存置している珍車。(LBTX911)
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ヤンゴンで見られるミャンマー国鉄客車を勝手に自己流で分析するという、恐らくどなたも期待されないであろうシリーズの二発目は、環状線客車における最大勢力であるLBTX900形! これは形態からして、英領ビルマ時代の置き土産であり、深いRで絞られた裾といい、窓を一部潰した痕跡から伺われる登場当時の優雅な大窓といい、大英帝国が植民地ビルマにおいて表現しようとした《文明》の姿が集約されているように思います……。
そんな車両であるが故に、鋼体も台枠も非常にしっかりとしているのでしょうか、登場から70数年以上 (?) 経っても、牛歩に毛が生えたような環状線の運用では全くガタが来ず、しかも昨年の訪問時から約1年のあいだには、最新鋭のロングシート200ks特別車 (LBTZ13300形) に準じた車内アコモ整備 (但し扇風機は無いので引き続き運賃100ks) まで施工されています。そして一部の車両は、環状線運用のうち4運用が日本中古DCとなったことから、玉突きでマンダレー本線・ヤンゴン近郊区間用 (ヤンゴン~トウチャウカリー間を中心に、東郊の支線へ直通) として他の形式を含む3連を組むようになり、かつて日本中古RBE+RBT800であった運用や、東方紅21+RBT800であった運用を完全に置き換えてしまいました。
しかしまぁ、今年度中に環状線の列車を全て日本製最新鋭電車にするという話は、ヤンゴンそしてミャンマー全体の電力不足に鑑みてインチキだとしか思えないものの、最近の日経新聞も伝える通り、ミャンマーでは日本企業の膨大な投資もあって火力発電所建設ラッシュが起きており、それらが完成する数年後には電力不足が解消され、さらなる経済発展の可能性が開かれることになります。その結果、今ある陸橋が全て嵩上げされて環状線が電化され、本当に電車が走ることになるかも知れませんし、あるいは新型高性能DMUが本当に導入されるとしても不思議ではありません。したがって、数十年前の英国の置き土産たる骨董品がガタピシ言いながら頻繁に行き交う光景は、どう考えても早くてあと1年以内(もしJRCのDCが大量配属されれば、あるいは現地紙が伝える日本製新型DMUが本当に出現すれば)、遅くともあと数年以内となることでしょう……。勿論、英国風の旧型客車といえば、本家英国の保存鉄道に行けばゴマンと走っているわけで、別に珍しいというわけでもありませんが、旧植民地の途上国でこれだけまとまった数が走っているという話は他に余り聞きませんので、興味のある方はお早めに……。