地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

北陸の消えゆく車両と色 (3) 急行色475系

2015-04-22 00:00:00 | 国鉄型車両


 北陸における3月の鉄道網激変と521系の全面投入により、455・475系は撤退してしまったのは周知の通りですが、とりわけここ数年来復活していた国鉄交直流急行色も運用から消えてしまったのは、時代の流れとはいえ残念なことです。
 個人的には、親戚などが交直流電車運転路線の沿線に住んでいなかったこともあり(とゆーか、親戚は神奈川・静岡に集中 ^^;)、交直流急行型全盛の頃は縁がほとんどなく、唯一乗った記憶といえば宇都宮から黒磯まで「なすの」455系運用の間合いか何か……という体たらくです。それゆえ、北陸でこの塗装が復活してもしばらくの間は「正面の幕窓が埋められているし、いまいちピンと来ないなぁ~」ということで、必ずしも気分的に盛り上がらなかったのですが、一昨年の7月に東急8590→富山地鉄17480を追っかけて富山を訪れたついでに北陸線でも撮影していたところ……レアもの故に来るとは全く期待していなかった交直流急行色が突如現れ、そのオーラに圧倒されてしまったのでした……。やっぱりどんな車両でも、旧塗装は復活してくれるだけで偉大で、雑誌などで眺める歴史的シーンを彷彿とさせてくれる……ということでしょうか。



 そしてこの復活色、富山を訪れたついでに高岡を訪れて万葉線を楽しんだ際にも偶然の出会いを果たしたのを思い出します。富山にて、何も考えずに金沢行に乗ったところ、目の前に停車しているとは……突然すぎて心臓バクバク (笑)。まぁ乗ってしまえば他の455・475系と変わらず、デッキ周辺がロングシート化されており、別に何かが特別ということはなかったですが、ホームからデッキに乗り込むまでの刹那、自分の体がローズピンク・ツートンに包み込まれて行くというこの感覚こそが、往年の交直流長距離急行の旅そのものであったわけであり、そんな遠い歴史的ひとこまを追体験出来たことは貴重な体験だったと言えましょう。
 そんな復活国鉄色編成も、今は松任工場の片隅に放置されている(早々に解体されていなければ)はずですが、正面の幕を復活させた上で、3両編成まるごと梅小路にて動態保存されれば良いなぁ、と思います (あのスペースからして、電車の動態保存などもやって良いのでは……?)。国鉄急行型電車が、過去数十年来日本の鉄路において果たしてきた功績は余りにも大きいはずですが、動態保存と言えばSLに関心が集中しがちで、電車の動態保存には世間の注目が余り集まらないのを寂しく思っております。そんな越えられない一線を、北陸で最後まで奮闘した455・475系が破ってくれるならば、JRWに対する拍手喝采も惜しまれないことでしょう……。

 ……こんなことをつらつらと妄想していた矢先、とんでもないニュースが! まさか、413系のうち1編成のみクハ455-701を相棒としていた編成が、今般のダイヤ激変による廃車の対象とならず、七尾線の茜色塗装となって出場したとは!! というわけで、依然として国鉄急行型車両は死なず、このクハ455-701が最後の一両として注目を集め続けることになるでしょう~。そしていずれはこの編成も交直流急行色となり(413系にこの色は初めて……という展開になるか?)、改めて多くのファンの注目を集めることになるのかも知れません。次回北陸を訪れる際には、個人的に超!手薄……と申しますか未訪問な能登半島だな、こりゃ (^^;)。