ミャンマー国鉄標準タイプのボディである17m前後・浅い屋根・切妻の車両の第一世代 (?) としてリベット付き車両をご紹介しておりますが、このうちヤンゴン界隈で撮り鉄をしていて最もよく見かけるのは、オーディナリーの10300番台 (仮称 ^^;) ではなく、アッパークラスのBDUEZ10700であると言えます。何故なら、オーディナリーのボロは余りにもボロ過ぎるため、ヤンゴンへは超鈍足混合列車でしか姿を現さないのに対し(例えばバゴー鈍行)、アッパークラスのボロは「腐っても鯛」ならぬ「ボロくなってもアッパークラス」であるため、例えばマンダレー行きの混合メイル、ターズィー行きのミキスト準急 (?) や、ピィ本線のチミダイン~ピィ鈍行でお馴染み (?) です。
但し、とにかくリベットつきのボロはあくまでもボロですので、このBDUEZ10700のうち窓廻りクリーム+青細帯の急行用塗装を纏う車両は全く存在せず (少なくともこれまで見かけず)、必ずこの「格落ち鈍行・準急用塗装 (仮称)」に塗られています。そして、客も客で「どうせボロい」と認識しているためでしょうか、急行列車のアッパークラスと比べて明らかに空いており、とりわけピィ鈍行に連結されている場合にはいつ見てもガラッガラです。ボロくて滅茶苦茶トロい鈍行アッパークラスに乗るくらいなら、非冷房ながらもガンガン飛ばす日本中古長距離バスに乗った方がマシ、と沿線民に見捨てられている可能性大でしょう。というわけで、時間さえあれば、ピィ鈍行のこの客車、そしてネーピードー~ピィ間のキハ141/142をつないでエーヤワディー管区周遊旅行なんぞをしてみたいのですが……。
しかしその前に、今後急速にミャンマー国鉄の車両入れ替えが進行し、格落ち列車のアッパークラスにも現・急行用のアッパークラス車(これとても十分ボロいのですが ^^;)が入ってくるようになれば、あるいは一層バスに客を取られて旅客列車がさらに減るという事態となれば、このBDUEZ10700形はあっという間に離脱してしまうのかも知れません。そして現にそのような動きの片鱗が……(つづく)。