LBT10733。妻面の貫通路は埋められています。
LBT10721。
LBT10737。この車両を含む3連は、今回の訪問時有数の激濃編成でした♪
LBT10747。
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ミャンマー国鉄がサービスの核として誇る(?)アッパークラス車であるにもかかわらず、どうしようもなくボロいため日陰者的なBDUEZ10700形……。やはり急速な経済発展の始まりや日本からのさらなる中古高速&観光バス輸入によって行き場が無くなりつつあるためでしょうか、ここに来て3扉ロングシート車への格下げ改造が進みつつあります。具体的には、5ケタの車番はそのままに、形式をBDUEZ (Bogie、Day、Upper。EZは不明 ^^;) からLBT (Long seat?、Bogie、Third) に変更し、車体中央に幅広の乗降口&ステップを設置(客室との袖仕切りが大きく、それでスコールをしのぐつもりであるため、ドアはありません)、車内インテリアも最新型ロングシート客車であるLBTZ13300形に準じたプラ椅子のロングシート・明るい車内となっています。車内に入ってしまえば、運賃200ksの最新型との違いは扇風機の有無しかないほど、見違えるような手の入れられ方です。
そして何よりも驚いたのは、昨年訪問時には全然見かけなかったこの客車が、今やヤンゴン環状線の6連や、マンダレー本線を経て東郊方面へ向かう3~4連において割と一般的に見られるようになっていることです。ごく最近の改造であることは、塗装のキレイさに加え、何と言っても中央ステップが改造ホヤホヤで光を放っている (?) ことからも一目瞭然。大幅な車内アコモリニューアルを経ているとはいえ、リベット付きのヴィンテージ級客車が、数百万都市の通勤輸送用として新たに投入されるというのは、世界広しといえどもヤンゴンくらいしか考えられないわけで、それはすなわちヤンゴンの鉄道シーンが現在進行形で激しく変わりつつあることを示しているように思います。
しかし、それは同時に、当面のミャンマー国鉄の窮状を示しているとも言えましょう。僅か2年ほどの間に衝撃的なほど悪化した交通渋滞のため、鉄道通勤客が増えている中、電化はまだ当分先の話 (?)、日本からDMUを購入しようにも今すぐヤンゴンばかりに集中するわけにも行かず (先日ついに名古屋港にて船積みされたキハ47・48は何処に配置されるのやら)、結局は余剰となったアッパークラスのボロを格下げして急場をしのごうという方針かと思われます。その勢いで、どう見ても輸送力が低く乗り心地も極悪な東方紅21+RBT800の編成を置き換えてしまったのは瞠目に値しますが、その勢いがさらに本格的なヤンゴン近郊鉄道近代化に向かうのも時間の問題でしょう(1~2年後はムリとしても、10年後には全然違っていると思います)。そのときには、超ヴィンテージな英国DMU崩れともども、このようなリベット客車は呆気なく廃車となるでしょう……。これがもし、ヤンゴンで余剰となったのち、地方の近郊列車増発用に振り向けられれ、地方配置組のRBEと競演することになれば、それはそれで衝撃的展開ではありますが……(笑)。
なお、リベット付き「標準客車第一世代 (?)」は他に、フ・エータ様からのコメントでご教示頂いた通り、ファーストクラス(オーディナリーの椅子にモケットを張っただけのシロモノと考えて良く、決してアッパークラスを上回る豪華車両ではありません)の10200番台 (?)、及び郵便オーディナリー合造車(現在確認しているのはBQME1932)があります。しかし前者は資料となる手持ち写真がないので省略 (^^;)。後者は、極めて多様な形態を誇る (?) 郵便オーディナリー合造車をまとめて紹介する記事に載せますので、とりあえず「標準客車第一世代」はこれにて。