熊本バスセンターに雲集する路線バスのうち、熊本電鉄はその字の如く鉄道会社であると分かりますが、もう一社、「隠れ元鉄道会社」として熊本バスが大きな存在感を示しています。社名は「バス」なのに……ということで、そのココロは、かつて熊本近郊にて気動車を運行していた熊延(ゆうえん)鉄道の名残とのことです。熊延鉄道はその名の如く、熊本から険しい山岳を越えて延岡までの路線を建設するという野望もあったようですが、結局資金不足で実現することはなく、豊肥線の南熊本から枝分かれして南南東に向かう28kmちょいの路線を細々と走らせて1964年に廃止となり、鉄道車両は主に江若鉄道に移ってバス部門が熊本バスと改称し今日に至っているとのこと。
その路線網は往年の名残で、熊本市からみて南東方向に重点が置かれていることから、熊本電鉄との接点はバスセンター界隈に限られるということなのでしょう。そんな熊本バスのシンボルカラーはオレンジということで、何やらチ○ンラーメンの包装の色を濃くしたような (^^;) 旧塗装車を初めて眼にした瞬間、思わず「昔気質の田舎バスって感じでサイコー!!」と鼻息が荒くなってしまいました。いや極端なことを申しますと、熊本バスの旧塗装車を撮りたいと思ったからこそ、熊本市電撮影もそこそこにバスセンターに密着したという次第です (笑)。
ただ、旧塗装車は何のかの言って旧塗装車。頻繁にやって来るわけではありません。一番激写したかったのは、熊本駅から藤崎宮前へ向かう途中に目撃した西工二段窓ボディの旧塗装車だったのですが……。というわけで、1枚目の96年製いすゞジャーニーを激写出来ただけでも御の字かと思っていたのですが、バスセンターでの持ち時間の終盤近くになって超目玉な車両が!! 91年製の三菱エアロバスとは……!! うーむ、つまらん鉄道車両よりもシブいボロバス……という言葉が脳裏をグルグル駆けめぐってしまったのでした (^^;;)。