地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

加悦SL広場を訪ねて (5) 武骨なDB201

2010-11-25 00:00:00 | 保存・園内・特殊車両


 最新の鉄道雑誌発売日に合わせて発行されたRP誌の『アーカイブス・セレクション (19) 私鉄車両めぐり』、既にお手に取った方も多いかと存じますが、いや~~素晴らし過ぎる中身でございます (*^^*)。大都会・京阪神圏からそれほど遠くない (?) 距離でありながら消えてしまった路線が多いのが関西のローカル私鉄の特徴だと思うのですが (江若鉄道とか、もし湖西線に化けずに現存しているとすれば、東の関鉄と並ぶ非電化私鉄の大御所としてさぞかし垂涎の世界となっていることでしょう……電化されたとしても面白そうですし。一方、別府鉄道は年齢的に行こうと思えば行けなくもなく……惜しいことをしました)、そんな路線群の良き時代の姿が超てんこ盛り! しかも、如何にも模型的な風景や車両に富み、見ているだけで様々な妄想が沸々と湧いて来ます (笑……ジオラマを作る余裕はないのですが -o-)。
 というわけで、都内の書店でこれを購入した後、帰宅時に乗った東急8500系の車内にてページをパラパラとめくり、「はぁ~、もっと早く生まれたかったよなぁ」と溜め息をつきつつも (^^;)、今でも当時の雰囲気を丁寧に保存している加悦SL広場という場所がますます超貴重な存在に思えてきたのでした……。



 訪問時、入口の近くで如何にも華奢な客車・フハ2と連結された姿で佇んでいた小型DL・DB201は、昭和28年の新造以来一貫して加悦鉄道に所属してきたという、展示車両の中でも数少ない生え抜き車両。上記RP誌増刊号に載っていた加悦鉄道訪問レポートは何と!今からちょうど50年前のものですので (沿線の名所故事を織り交ぜた格調高き美文調の筆致は、いまどきの所謂レールウェイ・ライターには決して真似できないものでしょう)、掲載されている所属DLはこのDB201のみ。新造後まだ7年で、ラッシュ時に小型客車を牽引する主力であったとのこと……。傍目に見ると、大型アントに毛が生えたような (?) ボディでは到底非力で、小型客車を2~3両連結して人を満載しただけでヘタってしまいそうな雰囲気すら漂っているのですが、意外と馬力が出るものなのですなぁ……(^^;
 このDL、異様にゴツいスタイル(特にボンネット部)が最高に印象的ですが、それは昔の専用線・林鉄の姿を伝える写真でしばしば見かける森製作所製小型DLの唯一の生き残りであることの証とか……。個人的には、この手の小型DLがロッドを上下させながら忙しく走り回った往時をナマで見ているわけではありませんので、胸の奥に湧き上がるものは深い懐旧の情というよりも、プチ趣味の宝箱を開いた瞬間のときめきのようなものでありました (笑)。動態復旧に成功しているとのことですので、イベントに合わせて動く姿を是非いずれ見てみたいものです……。

関鉄竜ヶ崎線110周年・HMつきキハ532

2010-11-24 00:00:00 | 地方民鉄 (関鉄系)


 昨日は関鉄竜ヶ崎線の開業110周年イベントとして、キハ532とキハ2000の混結編成が走ったほか、キハ532が竜ヶ崎の車庫構内で展示され、出来れば訪問してみたかったのですが……天気が思わしくないことからパス (汗)。激しくたまった仕事疲れを多少でも和らげるべく自宅にこもっておりました (^^;)。まぁキハ532の記念HMつき姿そのものは、まだまだ猛烈に暑かった9月の初旬、週末の定例運転日に合わせて撮っておりまして、稲刈りを目前に控えた初秋の青空の下を快走するシブく美しい車体を完璧に記録しておりますので、まいっか……ということで。いやはや、余りにも忙し過ぎて長らくロクに撮り鉄できないうちにすっかり出不精になってしまいました (鬱)。



 それはさておきキハ532、普段ほとんどスポットライトが当たることはない最高に地味な車両ですが、国鉄キハ20の下回りに片開き扉&二段窓&グロベンの車体を載せ、正面も「正調関鉄スタイル 」(?) を保っているという点で、実にローカル私鉄趣味的視点からみて魅力的です (*^^*)。それに、運転台が南西方向に寄っているという超独自の竜ヶ崎線スペックや、丸ノ内線から去って久しい薄ピンク系の壁面など、車内も濃いぃ要素がてんこ盛り……! 通常は新鋭 (?) の主力車であるキハ2000・2両の陰で予備車的存在に甘んじていますが、機能維持とファンサービスを兼ねて週末の土日いずれかにに定例運転が設定されているのは最高に嬉しいことです (運転日は公式HPをご参照下さい)。唯一惜しむべきは、運転区間が余りにも短いことでしょうか。佐貫を発車して「良いねぇ~」と堪能し始めるや否や、あっという間に入地を過ぎて竜ヶ崎に着いてしまいますので……(汗)。
 まぁ、そんなお気楽さこそが竜ヶ崎線の真髄なのかも知れません。竜ヶ崎駅周辺はご多分に漏れずシャッター通り化が進み些か寂しい雰囲気も漂いますが、佐貫駅は全面改装され、しかもパスモが入地駅でも使えるようになっている等 (いや~これはびっくらたまげました ^^;)、堅実に路線を維持して行こうという関鉄の意気込みが感じられます。というわけで、これからもキハ532にはそんな小さな鉄道のマスコット (?) としての地味~な活躍を期待したいものです。

創立90周年の長電車両 (7) 2000系A編成

2010-11-23 00:00:00 | 地方民鉄 (甲信)


 長野電鉄公式HPによりますと、JREから長野電鉄に譲渡される253系の愛称が、志賀高原の名所・地獄谷に集まる猿にちなんで「スノーモンキー」に決まったそうですが、まぁ言われてみれば253系のあの顔や塗り分けは猿に似ていなくもないでしょう。と申しますか……長電はどうやら従来の塗装を成田エクスプレスのロゴのみを消してそのまま踏襲する気は満々のようですね……公式HPのイメージ画像を見る限りでは (汗)。まぁOER10000形もレッドの色調を多少変えただけで現1000系「ゆけむり」となっていますので、同じく東急車輌を出場するあかつきには多少色合いを変えるのでしょうか? あと形式名は……1000系に続けて2000系とすると、現在も残る伝統の2000系と車番が重複する可能性があるようにも思われるのですが、あるいは一気に5000・7000・9000系といった、現在使われていないキレの良い数字を割り振るのでしょうか?



 いずれにせよ、かねてから分かりきっていた2000系の引退……これで完全に先が見えて惜別の情が一層募ります。とくにA編成は既に車齢半世紀をゆうに過ぎ、選定そのものが廃止されて久しい鉄道友の会エバーグリーン賞の基準に堂々匹敵するような気がします。エバーグリーン賞は昭和20年代までの半鋼製釣掛式電車及びそれらと同世代の車両を主に念頭において設定されていたようですが、今やこれほどステンレス製VVVF車が隆盛し、DCもハイブリッドへ移行しつつある世の中にあっては、この手の初期カルダン駆動車も堂々たる産業遺産として顕彰するべき時代になっていると思われますので……。
 というわけで、廃車後も何らかのかたちで保存されることを切に望みますが、小布施駅側線の保存車のような悪い状態では悲しすぎますので、モハ2001の1両だけでも庫内保存→折に触れて須坂駅構内側線に展示、というかたちにならないものかと期待しています。いやその前に、まずは間近に迫った最後の雪の季節を無事故で乗り越え、有終の美を飾って欲しい……と願うばかりです。あ、引退に合わせて発売される茶色A編成の鉄コレは、もちろん近所の模型屋にて予約しました (^_^)。

キヤノン新Lズーム試し撮り・小田急8000形

2010-11-22 00:00:00 | 大手民鉄 (小田急)


 先週金曜、発表以来待ちに待ったキヤノンの新ズームレンズ・EF70-300mm F4-5.6 L IS USMが目出度く発売開始となりました! バンザーイ\(^O^)/ 
 かねてから個人的には、出勤ついで鉄や出張ついで鉄、それに大口径ズームレンズを使わずお気楽に済ませたい撮影など、非常にコンパクトでありながら素晴らしい解像力を誇るDOズームレンズ (EF70-300mm F4.5-5.6 DO IS USM) を使用し、その圧倒的な機動性と画質は最高に重宝しているところですが、如何せん積層光学素子という最新の光学デバイスの未解決の問題として、強い光源に当てられた際にかなり盛大なフレアや光源周辺の滲みが生じやすいという問題があります。とくに、300mmの望遠端で撮影する際にはモロにその問題が現れますし、望遠ズーム一般で見られる通り望遠側でのコントラスト低下も避けられないのが実情です。最近はレタッチでコントラストを補えますが、やはり元画像でなるべくコントラストを得ている方がレタッチもやりやすいわけで……。
 というわけで、今後もアタッシュケースに望遠ズームを入れる際にはDOズームは超万能だ!と思う反面、完全なオフの時間に機動的に高画質なカットを撮るには、是非300mm端の暗いLズームが出て欲しい……と思っておりました (200mmまでのF4 Lズームでも良いのかも知れませんが、200mmでの画質は200mmズームよりも300mmズームの方が良かろう……とシロウト心に思う次第 ^^;)。そこで、新宿ヨドで予約していたブツを発売日に目出度く引き取ってきました。



 ただ、ここしばらくロクに撮り鉄する余裕がない私、この週末も自宅に仕事を持ち帰っており、しかもそういうときに限って甥っ子が遊びに来てNゲージで遊ぼうとせがむ始末 (汗)。嗚呼……最近動いている車両を撮ったのは約1ヶ月前の夜の八王子駅 (14系富士急) と先月末の京急 (模型祭りついでに蒲田と新町で少々) 以来完全にご無沙汰で、折角買っても試し撮りにも行けないようでは宝の持ち腐れではないか……という暗い週末になろうとしていました。しかし、詰まり気味だった仕事もようやく暗雲が晴れて一段落 (ホッ)。そこで、少々時間を確保して近場の小田急に繰り出し、さっそく撮り味やハンドリングを確認!
 画質そのものについては……やはり圧倒的にLですね♪ 天気が悪くともコントラストが保たれ、望遠端に振っても (2枚目の画像) ヘッドライトがDOレンズのように青緑色に滲むことはありません……(左右が超カツカツなのは、架線柱が線路に非常に近いために良好なアングルが得られにくい小田急ならではの事情ということでご諒解下さい。汗)。また、ハンドリングも軽すぎず重すぎず、手ぶれ補正がシャッター速度4段分効いていることもあって、ファインダーの覗き心地 (ファインダー画像の安定度) は至って上々♪ 製品画像を眺めた段階では「単にフツーのプラ鏡筒に白い塗装を塗っただけなのか」と思ったものですが、実際には他の白玉に近い (?) 表面処理が施されており、しかも防塵防滴面でも安心できそうな重く柔らかい回し心地もうれしいものです♪ 唯一最大の難点は、他の回転式L・DOズームと異なり、ズームリングの手前にMFリングがあるため、うっかりするとAF撮影中でもフルタイムMFとして回しそうになる点ですが、まぁこればっかりは慣れでしょうか。
 何はともあれ、うーむ、今後の撮影が実に楽しみな一品です♪ 但し、以上の戯言はあくまで超!個人的レビューですので、決して鵜呑みにはされませんようお願い申し上げます。この記事をもとに購入したものの気に入らないので弁償せよ!と仰られても一切責任は負いません (笑)。
 ちなみに、元箱を開封して出て来た取扱説明書冊子の表紙では、何故か日本製・日本での印刷であるにもかかわらず、簡体字中国語が最も目立ちます (滝汗)。んんー、あくまで中国市場を最大の念頭に置いた製品なのか (中国人のキヤノン・ニコン信仰はややもすると日本よりも激しく、Lレンズを持って観光地をウロウロすれば現地のカメヲタおじさんにつかまって熱い会話になるのは必定……^^;)、それとも説明書を読まずに使って問題を起こす割合が他の国よりも多いのか……。
 それはさておき小田急8000形ですが、個人的には顔が余り好きではないため当ブログには初登場……だったと思います (^^;)。しかし今や、5000系列が急速な勢いで減り続け、ここしばらく江ノ島線車内から相模大野の「処刑台」を見下ろすとだいたい5000・5200形の廃車体が横たわっているという悲しい現実がありますので、これからは8000形といえども車体が白いだけで自ずとレンズを向ける機会が増えるのだろうか、という気がしています。

加悦SL広場を訪ねて (4) 古典客車の競演

2010-11-21 00:00:00 | 保存・園内・特殊車両


 しばらく間が開いてしまいましたが、加悦SL広場シリーズの続きです。
 加悦鉄道の古典車両、DCのコレクションは素晴らし過ぎて涙が……という感じですが、PCも負けてはいません。ハ21の車歴は1893年・鉄道省新橋工場新造というスゴさであり、車体こそ1935年に作り直されたものの、産業遺産としての価値は決して他に劣るものではないでしょう。しかもそんな車両が屋内ではなく、こうして青空の下に佇んでいるのですから……。



 そしてこちらは旧・伊賀鉄道の注文流れ品として加悦鉄道開業時から活躍してきたというハ10。ダブルルーフの構造を外と中の両方から味わうことが出来ます……(*^^*)。短距離の路線に二等車とはこれ如何に?という気もしますが、鉱山関係者(経営陣や技師など)の出張利用時には重宝したのかも知れません。
 他にもハブ3・フハ2・ハ4995といった客車が現存していますが、フハ2の画像は後日改めて (^^;)。ハブ3とハ4995は下回りをからめて撮影出来ず……(苦笑)。


 ハ21車内。ボックスシートがメチャ狭! (^^;



 ハ10車内。とにかく美しい……。
 二等車部分との仕切りは平成6年に復元されたとのことです。