地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

近鉄伏見駅前の京都市電1800形

2012-01-15 00:00:00 | 保存・園内・特殊車両


 松の内も既に終わり一月は早くも半ば、初詣シーズンの神社仏閣はまったりとした賑わいへと移っているようですが、幸福と平安を祈る善男善女の人波は節分頃まで断続的に続くことでしょう。そんな季節は、有名初詣スポットの最寄り駅を間違える人が続出しがちなようで、例えば近鉄伏見駅は伏見稲荷大社から結構遠いことから「当駅は伏見大社最寄り駅ではない」云々の掲示がデカデカと……。あ、でも関西の人々はそれくらいのことは百も承知なのでしょうか?
 というわけで、そんな伏見駅の界隈を昨年末に訪ねた際の記録です (すごいこじつけ ^^;)。出張ついでに奈良交通・八木新宮線を通し乗った前日は、午前中に怪社で仕事をしたのち午後の新幹線「のぞみ」で京都に向かったのですが、夕方からの会合までは少々時間があったことから、かねてから近鉄車内から眺めるにつけ気になっていた伏見駅前の京都市電1829号を訪ねてみました。



 周知の通り、京都市電1800形は広島電鉄でかなりの数が生き残っており、決して珍しい車両ではないのかも知れませんが、やはり京都で眺めて見ますと「う~む、本当に昔は京都の街中を路面電車が埋め尽くしていたのだなぁ……」と感無量。路面電車の保存車というと、公園などに置かれたきり荒廃し、いつの間にか解体されてしまうという事例が枚挙に暇がありませんが (-_-)、ここの保存車は近所の町内会の集会所として用いられていることもあってか、丁寧に塗装されて極上のコンディションを保っているのは特筆に値するかも知れません (^^)。車内を覗いてみても、ニス塗りの車内が実に美しく……こんなところで自治会の集会を開催しビールでも飲めばさぞかし美味いことでしょうなぁ~! (笑) 残念ながら、車輪は直接コンクリート面と接しているためレールに乗っているわけではなく、集電装置も撤去されていますが、この美しい保存状態を考えれば、それぐらいは余裕で目をつむることも出来ましょう。毎日の通勤通学の折にこんな車両を眺めながら近鉄電車に乗る……う~ん、うらやましいことです。

【A Preserved Kyoto City Tram 1800 in front of KINTETSU Kyoto Line Fushimi Station】Kyoto City Tram ended her history in 1970's, some of the cars are alive in HIROSHIMA Dentetsu (Tram), and some cars are left in Kyoto. If you visit Kyoto, you can access this one most easily, because Kintetsu Fushimi Station is the 5th from Kyoto Station.


 標準塗装VVVF車とシリーズ21のブツ4編成なんて、阪神直通後は滅多になかったような気がします (単に私が事情に疎いだけなのかも知れませんが ^^;)。いや~久しぶりに目にしました。


鉄コレ相鉄6000系を昭和30年代塗装にする

2012-01-13 00:00:00 | 超へっぽこ模型製作


 昨年末は鉄コレ京急1000形非冷房車発売で個人的に盛り上がったのも束の間、新年に入ってからも鉄コレの勢いは止まりませんね♪ トミーテック公式HPを見れば、いよいよ流電クモハ52の発売が迫っていることがうかがえますし、東急車輌「電車市場」ではかねてから予告されていた東急6000系 (もちろん初代の「湯たんぽ」) の完成品画像が掲載! いやはや、こうもお気に入りツボ車両が相次いでリリースされますと、N化作業も手抜かりなく積極的に推進しなければなりませんなぁ~。その結果、撮り鉄に行く時間が減少……(笑)。
 しかしその一方で、折角リリースされながらもなかなか売り切れない不運な車両もあります。最も代表的なのは……相鉄6000系旧塗装車でしょうか (鬱)。ダークグリーンがシックなツートンカラーに赤い細帯が鮮烈な旧塗装を幼心によく覚えているオッサン沿線民としては、このモデルは超ツボだったものです……。とは言え、ただでさえ趣味的にマイナーな存在である相鉄において30数年前に消えた塗装ですし、6000系は先に鉄コレで黄緑新塗装が発売されていたため旧塗装は同じ金型の二番煎じの感が強く、加えて塗り上がりが宜しくないという最大の問題が……。このため、発売以来約3年を経ても依然として主要駅にて在庫があり、早く売り切れて別のモデルが出ないものかと常に願う私としては実にもどかしい気分です (-_-;)。
 そこで、ならば自分で買い足すことによって在庫の切り崩しに少しでも貢献しようと思いまして、ピーンとひらめきました。そうだ、新CI戦略に即した妄想新塗装バージョンを作ったのに次いで、今度は昭和30年代に釣掛駆動車に塗られていた塗装を再現し、妄想リバイバル編成を作ってしまおう!……と (笑)。



 というわけで、横浜駅で2箱4両をゲットし、さらに塗装が超ボッタリであったためN化しないまま在庫としていた新塗装2両とまとめてシンナー池にドボン! ここのところの寒さゆえ、常温ではシンナーを以てしてもなかなか塗装が剥がれず苦労したものの、ふと思いついてシンナーに漬けたままフタをしてしばらく日なたに放置したところ、あっという間に液温が上がってズルッと色が落ちて行きましたとさ……(良い子の皆さんは真似しないでくださいね ^^;)。
 あとはフツーに塗装を進め、エナメル塗料で色を差し、車番インレタや幕ステッカーを貼って行く……という作業を淡々と進めるのみですが、最大の難関は当時の色のリアルな再現……。いろいろ資料を漁ってみますと、どうやら昭和30年代の旧塗装は《かなり青みが強く彩度も低めなグリーン》と《暗めで薄幸そうなクリーム色》の組み合わせであったらしく、一応それも褪色したネガ・ポジの影響を受けているため、本当にそうだったのかは知る由もありません。とは言え、JTBパブリッシングから出版された超豪華本で昔の私鉄電車の貴重この上ないカラー写真を紹介されているヒギンズ氏も、当時の相鉄について「東急や京急と比べて未来があるのかよく分からない雰囲気だった」云々という印象を語っておられますので (残念ながらこの本で紹介されている相鉄のコダクローム画像は昭和30年代末の山吹色塗装……)、決してお目出度い雰囲気の塗装ではなかったのだろう……と想像されます。湘南顔の5000系は登場時からダークグリーン・ツートン+赤帯の塗装であったことからして、何故全ての鋼製車が同じ塗装で統一されていなかったのか?とも思うのですが、まぁ考えてもみれば相鉄の車両のカラーリングが統一されていた時代など全然ないわけで、今も新旧塗装がいろいろ入り乱れている以上、昭和30年代においても塗装が統一されず、5000・6000系と釣掛で色が全く異なっていたのも相鉄らしいと言えばそうだな、という気がして参りました (笑)。
 ともあれ、大体のイメージを固めたうえで、横浜ヨドの模型用品コーナーにて色とりどりの缶スプレーを比較し、さてどの色をチョイスしたものか……と思案したものの、これ!というドンピシャな色がなかなか見つかりません (-_-;)。そこで結論として選んだのは、GMの常磐エメグリとGMのスカ色用クリーム色。塗ってみると些か派手目になってしまった嫌いはありますが (苦笑)、そこに京急1000形集中冷房車のクーラーを載っけることで、1990年代にもしリバイバル塗装編成が走ったらこんな感じだったのでは?という妄想編成に仕上げてみました (^^;)。そういえば京急の「ありがとうギャラリー」編成も、昭和30年代までの赤+黄ツートンを再現するつもりがピンク味の強い仕上がりでしたし、まぁこれはこれで良いのかも知れません (笑)。むしろ……こうして出来上がってみますと、余りにも昭和な雰囲気にもうメロメロ自己陶酔です (*^^*)。
 でも少々冷静になってみますと、何やら江ノ電っぽくもあり……(^^;)。もし現実の江ノ電が20m車の世界であるとすればこんな感じになるのかも知れませんが、そうなると「小さな電車の観光路線」としての味わいはガタ減りでしょうか (^^;)。そういえば、配色をひっくり返すとソウルメトロ2号線のような (笑)。。
 こんな感じで出来上がった新年初妄想、あと2両塗って予定の6両が揃いますが、記事は省略します。さて、次はどんな車両を妄想フリーランスに改造しようかなぁ……と (誰も期待されていないでしょうけど ^^;;)。

激変迫る京阪宇治線2600系 (上) 旧塗装

2012-01-12 00:00:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 去る師走、京阪は宇治線用の新型車として13000系20両を新造する旨を発表しましたが、ロングシート車の前作である10000系から隔てること幾年、正面デザインが完全に新3000系に準拠しており、逆に10000系という車両の存在感が中途半端なものになったなぁ~と思ったのは私だけでしょうか (^^;)。この13000系、当面は宇治線用とアナウンスされていますが、京阪には他にも車齢40~50年に達している車両がゴロゴロしているわけで、中長期的には本線用7~8連も用意されて積極的に世代交代が進められて行くことになるのでしょう。昭和の電車を酷愛する立場からみれば、これまでの京阪はまさに昭和30~40年代的雰囲気が炸裂しまくっているが故にパラダイスの観があるのですが、一般の非鉄利用客の皆様にとってはさすがに今や昭和レトロそのものとしか言い様のない車内はアレでしょうから、「う~む、これも時代の流れで致し方ない。ジャンジャン来る今のうちに撮って乗っておかなければ」と思う次第です。



 とはいえ個人的には、他の鉄道会社の例に漏れず、京阪もまず本線系の車両の置き換えを進め、完結したローカル線の観がある宇治線は後回しとなり、宇治線は卵形車両陣の最後のパラダイスになるのだろうか?と思っておりましたので、宇治線から手を付ける旨の宣言はまさに寝耳に水でありました。いやしかしそういえば……京阪は先に交野線を10000系化&ワンマン化したのでしたっけ (^^;)。つくづく物事に疎い私です……(笑)。実際問題として、ただでさえJR奈良線の増強のため昔ほど客が乗らなくなったといわれる宇治線では経費削減が課題であると思われ、しかもここに来て関西では原発停止に伴う節電の必要性も高まっているようですので、宇治線で2600系のオールM編成をいつまでも悠長に走らせる余裕はないのでしょう。13000系の電力消費は2600系の65%に過ぎないそうですので……これ自体は進歩と認めなければなりますまい。
 というわけで、新年は京阪もなるべく撮り重ねたいと思うものですが、宇治線はこの春の置き換えを前にそろそろ大賑わいとなるのでしょうか? ……昨年7月の京都出張ついでに宇治線を訪れておいて良かった!! この日は京都の夏らしく凄まじい蒸し暑さでしたが、こんな感じで2600系旧塗装をゲット出来れば何も言うことはございません (*^O^*)。
 しかし……この時の最大の目的は別だったのでありました (^^;)。続きは改めて。

横浜高速鉄道Y500系を今のうちに撮る

2012-01-11 00:00:00 | 大手民鉄 (東急)


 東急東横線がメトロ副都心線に直通運転する歴史的大転換は、これまでのアナウンスですと2012年度ということになっていたはず。しかし、東急公式HPに掲載されている会長年頭挨拶の文面を眺めてみますと、あらら、その期日が「来春」になっているではありませんか……。確かに、鉄道各社ダイヤ改正の恒例シーズンである3月に直通開始を期すということでしたら、2013年3月もとりあえず2012年度であることには変わりありませんが、かねてから2012年という字面を見せつけられてきたファンのはしくれとしましては、些か「ちぇっ、先延ばしか……」という感がなくもありません (汗)。既に副都心線側の準備が基本的に終わっている (渋谷駅の中線はホームを取り払い化粧直し工事等をするのみ) ことを考えますと、代官山~渋谷間のトンネル建設や優等停車駅ホーム延伸、そして車両の副都心線直通対応改造など、東横線側の準備が多少ズレ込んでいるのでしょうか? 昨年しばらくの間は震災に伴う停電・サプライチェーンの混乱がありましたが、その影響がいろいろな形で副都心線直通作業にも現れてきた可能性も……。



 とは言え、とくに車両面では、5050系及びその10連バージョンである4000番台の増備、及びそれに伴う9000系の大井町線転属と8090系の廃車→秩父行きという、副都心線直通準備に伴う玉突きが進んでいるのも事実。その結果、既に最近の東横線は5050帝国の観を呈するようになっており、単に「走るんです」ボディに帯を巻いているだけの5050 (&4000) が洪水のようにやって来るのを年末の渋谷駅にて眺めるにつけ「あ~つまんね。あれほど8000・8590・9000の天下が続いていたはずの東横線が、僅か約8年かそこらで全くの別世界になってしまうとは……」と、思わず遠い目になってしまわずにはいられません (滝汗)。
 というわけで、同じ「走るんです」シリーズ車両である横浜高速鉄道所属車・Y500系ですら、ラッピングを異にするだけで俄然イケメン度が優れている (?) ように思われ、たまにやって来ればついつい熱く注目せずにはいられません。「走るんです」のはずなのに……ちょっとした差別化によって「非・走るんです派」な人間ですらその気にさせてしまうとは……何だかニクい演出ですなぁ (笑)。
 そんなY500系も、考えてみれば6編成のみであることから、副都心線直通が始まれば滅多に来ない車両のひとつとなり、その鮮烈な姿を眺める機会も減ることでしょう (まぁ東武9000・西武6000・メトロ7000が来ると思えばワクワクですが。笑)。そこで、現在でも少数派であるY500系を東横線で「それなりに集中的に」、かつ他にヲタがおらずのんびり・まったりと撮るのであれば、恐らく直通を約1年後に控えた今ぐらいが最後の旬なのではないか?と思いまして、正月初撮りは東横線へ。生まれてから幼稚園の頃まで東横線沿線に住んでいた私にとっての顔馴染みは8000以前の車両であったことを思えば、幼い頃見慣れた風景の中をブルーのY500系が走るシーンは本当に隔世の感がありますが、欲を言えば同じデザインのまま青ガエル5000系を思わせるグリーン系になればなぁ……と (有り得なさすぎ ^^;)。

神奈臨浮島線・石油需要繁忙期の勇姿

2012-01-10 00:00:00 | 貨物列車 (神奈臨)


 一昨日は、いつもお世話になっております「あまのじゃく」様ご主催の新年会が開催されまして、私も近場で鉄活動して腹を減らしたうえで有難く参加させて頂いたのですが、あまのじゃく様の御人脈を通じて集まった濃いぃ鉄ヲタ(含・鉄道関係者)数名が酒を片っ端から傾けながら縦横無尽に昨今の鉄道事情を語るその場はまさに興奮のるつぼ……(笑)。私もおかげさまで年始早々多大な刺激を頂くことができました。あまのじゃく様をはじめ、ご参加の皆様どうもお世話になりました~m(^^)m
 とはいえ、日本の鉄道を趣味的にとらえてみますと、やはり撮りたい列車と車両の激減、そして景気や生産・輸送体系の変化をうけて、どうも暗い話題中心にならざるを得ないのも事実です。とくに……あまのじゃく様や、リンク頂いております「ロジ担」管理人・ロジ担様 (一昨日久々にお会いしてお元気そうで何より!) と私が知り合うきっかけとなった車扱系貨物の旬、あるいは神奈臨の面白さの旬は、はるか遠くに過ぎ去って久しいのではないか……ということで議論が一致せざるを得ないという……。国際埠頭の塩コキに、千鳥線の青化ソーダ、ラテックス、エチレングリコール、浮島線の酸化エチレン……全てが懐かしすぎます (-o-)。その一方で、神奈臨の貨物輸送をめぐっては、時代を反映した新展開が図られていたものの雲散霧消してしまったらしい云々……という話題も飛び出し、激しく歯ぎしりせざるを得ないのでありました (T_T)。



 というわけで、久々に神奈臨のカットをアップしてみることにしましょう~。個人的には最近、神奈臨を訪れる頻度は多忙やら何やらのため減少してしまい、訪れるとしたら立ち位置のバラエティがそれなりにある千鳥線……という感じでしたので、日中の列車が石油タキと単機に限られる浮島線は相当御無沙汰になっていたのですが (たまにある末広町からの特大貨物を狙えば良いのかも……^^;)、昨秋にはその千鳥線もヤードにフェンスが立って従前ほどの撮りやすさはなくなりましたので、アングルが限られるものの気軽にバンバン (?) 車扱貨物を撮影できるという点で浮島線の面白みが脳内で急上昇している今日この頃。そこで、去る師走にはリハビリ鉄として曇った日を狙って浮島線を久しぶりに訪れ、オイルターミナル青タキを多数連ねて必死に勾配を登るDD55の勇姿に興奮を覚えたのでした☆ 貨物時刻表を見ると概ね1~2時間間隔で運行されている浮島線の石油列車は、詳論するまでもなく石油需要の変動ゆえに運行状況にはいろいろと波があり、真夏に訪れようものなら短編成、さらにはウヤなどいろいろな落とし穴が待ち構えていますが、さすが真冬は旺盛な灯油需要に支えられて繁忙を極め、通常であれば単機であるはずの313レも空車タキを20車ほど連ねてやって来たのには大興奮! その折返しの314レも積車18~19車を連ねて激しい唸りが!! いや~たまには来てみるものですね♪ 
 そういえば、原発にどっぷりと依存するわけには行かなくなった中、まだまだ代替エネルギーへの転換はこれからという事情があり、復興元年は過渡期元年であることを意味することから、今年の冬は当面寒さをしのぐ策として石油をより多く需要するという状況があります。したがって、浮島線の冬の風物詩である青タキ長大編成も、今後数年間は (?) いっそうの隆盛を見せることになるのでしょうか? 内陸部の多くの人々に暖を届けるための最前線ランナーとしての神奈臨DL……その咆哮が一層元気で高らかなものであることを期待せずにはいられません。