地味鉄庵

鉄道趣味の果てしなく深い森の中にひっそりと (?) 佇む庵のようなブログです。

晩秋関西鉄2012 (10) 南海汐見橋線

2013-06-20 00:00:00 | 都市民鉄 (近畿以西)


 浅香での103系撮影に大満足したあとは、夕方からの京都での用務に向かうため、大阪環状線~東海道線と乗り継いで京都へ。翌土曜日はまるまる時間があったことに加え、いつもお世話になっております「ぱれっと」様が堺での「路面電車サミット」を傍聴されるため関西にお越しとのことでしたので、名古屋からのアーバンライナーが到着する近鉄難波で待ち合わせ、お互い購入しておいた事業者限定鉄コレをお渡しし、そのまま南海でのエクスカーションを楽しむことにしました。そこで向かった先は……折角同じホームで尼崎行に乗り換えられること、そして最終的には堺東へ向かうことから、一つ先の桜川。そう……天下に轟く「大都会の超ローカル線」南海汐見橋線を久々に味わったのであります (*^^*)。
 桜川駅の極めて未来的で清潔な空間から一歩外に出ると、突然時計の針が数十年逆回りして南海汐見橋駅に……。改札口真上の如何にも時代がかった路線図も、ここに来て剥がれ具合が深刻になりつつあるなど、本当にここが天下の繁華街なんばから眼と鼻の先とは信じがたい気分です。とはいえ、とにかく超絶な非日常ぶりに思わず心は弾みます (爆)。というわけで、前日の抜けるような晴天とは打って変わって陰鬱な雨模様の中、やって来た2200系に乗っていざディープすぎるショートトリップへ!



 そこで向かったのは、高速道路の真下に忘れられたかの如く佇む木津川駅。ここはかつて、南海の貨物輸送における一大拠点であったとのことで、恐らく目の前の水運と連携した輸送が展開されていたのでしょうが、繁華を極めたというヤードの面影は今や全くなく、僅かに1本残された側線は草に埋もれて雨に濡れ……。そして極めつけは駅舎。建築そのものは随分とレトロモダンな雰囲気を漂わせているように思うのですが、貨物輸送がなくなってしまえばただのうらぶれた場末の乗降所……という感じで、駅前からして完全未舗装の水たまりと化し、草木が周囲にテキトーに生い茂っています。もっとも、所謂廃景マニア的視点からみれば、激しく脳内物質の分泌が促進される光景でもありましょう。そこで、降りしきる雨にもかかわらずとにかくスナップしまくり (^^;)。天気が悪くフラットな光線であるため、上り下りの両方とも撮影出来、とくに岸里玉出行は構内踏切上から望遠撮影後すぐにそのまま乗車出来るという美味しさです (30分間隔ですので、それが出来ないと逆にツラいのですが)。
 そんなこんなで木津川駅でのエクスカーションを終えたあとは、津守・西天下茶屋を経てすぐに岸里玉出に到着、高野線本線の普通列車で堺東に向かったのですが、休日日中の汐見橋線なんてヲタだけの世界で、絶対にパンピー乗客など乗っていないだろうと思いきや、意外や意外……リア充な家族連れやカップルが三々五々乗っていたのには驚きましたし、「いったい誰が使うのか……」としか思えない木津川駅でも乗降があったのには驚愕を覚えました。阪神なんば線の誕生により、阪神方面と南海方面との短絡ルートとして一定の役割が生じているのかも知れません。なんば駅での近鉄~南海乗換は、やたらと歩かされるうえに壮絶に人が多く面倒ですから……。

第四ジャカルタ炎鉄録 (34) 東葉高速1060F

2013-06-19 00:04:00 | インドネシアの鉄道


 去る1日から運用が開始されたジャカルタ圏の自動改札&乗車券のICカード化、及びそれに伴う運賃の距離比例化は、何のかの言ってICカードの予備不足やら何やらであるため、予備として用意された紙の乗車券との併用という如何にもありがちな展開となっているようですが、これに合わせて (特に自動改札を設置するスペースの確保の関係で) あちこちの駅で旧駅舎の使用が停止され、急ごしらえの新駅舎や新改札に移行しているとか……。いつの間にか個人的な次回ジャカルタ遠征があと約2ヶ月後に迫っているのですが、多分これら駅舎インフラ面で相当浦島気分を痛感することになるのだろうなぁ……と予想しています。



 というわけで、さっさと昨年8月に撮影した分のお気に入りカットをアップし終えてしまいたく (果たしてそれは可能なのか?! ^^;)、東葉高速1000系の続きです。
 総じて東西線5000系、ならびに本質的にはメトロ5000系と同じ車両である東葉高速1000系は、東西線での激烈な混雑を耐え抜くタフでシンプルな (?) スペックが幸いして、ジャカルタの地でも故障が少なく絶好調のフル回転を続けておりますが、この2形式の導入にあたって賄賂が飛び交い大騒ぎになったことを思えば、実は賄賂の金額をプラスしても故障が少ない分だけ安上がりな買い物だったのかも知れません (んなこたぁない? 爆)。
 そんな東葉高速1000系のうち、1060Fは正面の額縁部分にバティック模様をあしらい、東葉高速マークも神鳥ガルーダと見立てられてピカピカに光っておりました。そんな1060Fがガンビール~ジュアンダの国政中心部を走る姿は、ある意味でジャカルタの電車が最も輝きを放つ一瞬でありますが、最近のホーム撮影原則禁止措置により、気軽にこういうシーンを撮影出来なくなったのは残念です……(TT)。

神奈中多摩地区の狭隘区間・小野路を行く

2013-06-18 00:00:00 | 濃いぃ路線バス&車両


 去る8日から9日にかけて行われた神奈中ブルドッグの大回送作戦の一端を見届けた興奮が未だ生々しい今日この頃なのですが、「昔の神奈中も良いけど今の神奈中もね」というわけで、神奈中有数の狭隘区間・小野路を走るゲテモノ・エアロスター様の画像をアップしてみましょう。
 周知の通り、単独のバス会社としては日本最大規模を誇る神奈中は、神奈川県内のみならず町田市・多摩市・八王子市など東京都内の一部にも路線網を展開していますが (そもそも廃藩置県の当初、これら三多摩地方の自治体は神奈川県でありました)、個人的に神奈中というとどうしても平塚や本厚木、及び神奈川県に思い切りめり込んでいる町田といった主要駅の周辺を怒濤のように続行運転している印象が強いことから、京王の天下という雰囲気が強い多摩ニュータウンや聖蹟桜ヶ丘で神奈中バスを見かけますと、何故かアウェー感をひしひしと感じてしまいます (^^;)。しかし伝統的に、多摩ニュータウンが開発される前から、如何にも田舎~な雰囲気が炸裂する神奈川~東京の都県境一帯の村々を結んで主要駅に至る路線は、やはり神奈中バスの得意分野の一つだったのでしょう。



 というわけで、鶴川から若葉台・永山・多摩センター・聖蹟桜ヶ丘へと至る各路線 (そして鶴川~調布という、登戸~淵野辺と並ぶ免許維持路線) は、そんな時代の名残を留めつつ、今やニュータウンとして開発が進んだ風景の中を日々快走しているわけですが、ごく一部の区間についてはまさに谷戸の田舎道そのものな雰囲気が現存しており、前後のクルマの動きに注意しながらエアロスターが超!狭隘路にグイッと首を突っ込むという光景が見られます。それが即ち、鶴32系統、鶴川~小野路~多摩センター線のハイライト、小野路バス停すぐそばの狭隘区間です! 
 個人的にはここしばらく、毎週1回・期間限定で京王相模原線沿線の事業所に通っているのですが、割と早い時間に用事が終わり、さりとて京王線から6000系が去って久しいことから (以前この事業所に出入りしていた時には、仕事が終わると6000系撮影に繰り出していたものですが……遠い目)、撮りバスの道に浮気しようと思いまして (笑)、そこで目を付けたのがこの路線。鶴川に着いたあとはそのまま小田急に乗って帰宅しても良し、さらに小田急バスでこどもの国に向かい恩田に寄り道しても良し……(^^;)。
 そこで勇躍、多摩センターを50分間隔で発車する小野路経由鶴川行に乗りまして「ゲテモノは天井が高くて居住性はサイコーだけど、前ドアの幅を広げた影響でヲタシートが狭くて叶わん……」と思いつつ、多摩ニュータウンの小綺麗な街並みを眺めることしばし。ニュータウン南端に忽然と現れる「小野路方面・大型車通行不可」の表示にまず戦慄を覚え、さらに南野二丁目バス停発車直後、突然道が狭くなって (辛うじて1.5車線ではなく2車線ですが……)、一気に奈落の底へと転落して行くジェットコースターのような急勾配に「ドヒャー!」と腰を抜かしそうになりました (^^;)。そして一端道が広くなった後、いよいよ小野路バス停発車直後の狭隘路に突入……! 一応、脇の旧家が道路用地を明け渡さないことにより、その生け垣の部分だけ超絶に狭隘な区間となっており、そこを過ぎるとすぐに最近拡幅されたと思われる快適な二車線路となりますが、最狭部分はあの押熊を思い出すものがあり、照りつける日射しを遮る濃いぃ緑と相俟って、一瞬背中がヒヤリ……と感じた次第です (^^;)。ここを過ぎた後は、永山からの道と合流した後しばし狭めな田舎道テイストの二車線路もあったりしますが、総じてスイスイと走って所要30分で鶴川に到着~。
 うーむ、出来れば拡幅前の小野神社前~小野路間で絶叫したかったですね (^^;
 そして、2枚目のような感じで大都会・多摩センター駅前の風景に馴染んでいるゲテモノ様が、僅か15分ほど走ったところで緑濃いド田舎の狭隘区間に突っ込んで行くというギャップを思うにつけ、痛快さと神奈中バス路線網の奥の深さを思うのは私だけではないでしょう……。


 小野路方面大型車不可!矢印細っ!



 四車線路が突然多摩・町田市境で一変!



 恐怖のジェットコースター風スロープを下る……(@o@;)。



 小野路到着。これだけでは左折して折返し場に入るとしか見えず (^^;



 しかし構わず直進!



 マジ狭っ! (滝汗)

鉄コレ富山地鉄14760形をN化する

2013-06-17 00:00:00 | 超へっぽこ模型製作


 地方私鉄好きなヲッサンの懐を狙い撃ちにした鉄コレのラインナップは、恐らく担当者の趣味にもよるためか、富山地鉄が異様な充実ぶりを誇るようになって参りましたが、先週にはその真打ちとして14760形の雷鳥色とかぼちゃ色が発売となりました! 周知の通り、既に14760形の雷鳥色バージョンは、昨年の秋に某映画DVDと抱き合わせで発売となっておりましたが、個人的にはとくに映画ファンというわけでも三○友○ファンというわけでもありません。そこで「高い金を出してDVDまでつかまされる必要はない。金型製作費用を回収しようと思えば、どう考えてもDVD付き限定版のみの発売で終わるわけがない。ここはじっくりとオープンパッケージでの発売を待つべさ……」と思いまして待つことしばし、案の定○ミーテック大本営発表として雷鳥・かぼちゃ両色での発売が発表された瞬間、思わずガッツポーズしたことは言うまでもありません (ケチですなぁ……^^;)。



 というわけで、早速近所の模型屋に予約を入れて待つこと幾月……ようやく発売された今回の14760形は、繊細なモールドに加えて乱れのほとんど無い塗装が魅力的で、思わず「むふ~ん♪」という気分です。そこで早速N化作業を推進し、今や実車では滅多に見られなくなった4連として楽しむことにしたのですが、大きな落とし穴がこの作業の中に隠されていました……。正面のスカートパーツは床板及びカプラー受けパーツとしっかりと組み合わされ、如何にも「ドシロウトは触ると失敗してヤケドするぜよ」と言わんばかりの雰囲気を醸し出していますが、2連での走行をも考慮して、先頭に出す車両に動力を挿入し、スカートパーツやダミーカプラーパーツを何とかいじって移植しようとした次第。しかし……動力のスペーサー部分にこれらを嵌めようとしても、どうしてもうまく嵌らず、したがって車体と動力をドッキングさせるにも難儀し……結局4連の中間に動力を入れて、常にクハ175込みの3両以上で運行することと相成りました (苦笑)。ホント、この手の微調整は難しいです……。そして気が付いてみれば、1枚目の竣工記念画像では雷鳥色の方のダミーカプラーが上を向いてしまっており大変恐れ入ります (レタッチが終わった後で気が付きましたので、今さらもう一度撮影のために並べる気にならず……どうも悪しからず ^^;;)。
 何はともあれ、既に鉄コレとして発売された富山地鉄カルダン駆動車軍団を並べてみますと……いや~壮観です! ここまで来れば勿論、14780形や14720形もいずれ発売されることを当然期待して良いはずですよね……ト○ーテック様!

東急恩田通信・赤帯8000系列の明暗編

2013-06-16 00:00:00 | 大手民鉄 (東急)


 大井町線から全車離脱した8090系のうち、デハ8490・8290など一部の車両は秩父7800系用として (?) 保留され、逆にこれまで秩父7500系を用意するにあたって必須であった先頭車やデハ8190は続々と解体のため搬出されてしまったわけですが、先週火曜日にちょこっと恩田の様子を見に行ってみたところ、解体となる中間車のうち最後の (?) 一両であるデハ8180がパンタをもがれ、車番と側面LEDを外された状態で放置されていました……。恐らくそろそろ搬出という頃合いでしょうか (あるいは既に搬出済みとか)。長年の活躍お疲れさまでした……。もっとも、8691Fの中間車はまだ辛うじて活きているうえ、一昨日も小宴のあと田都急行で乗車したデハ8195の激走ぶりを楽しんだばかりですので、余り感傷に浸る暇もなく「これからは田都○Kの時代だな!」という気分なのですが (爆)。



 いっぽう、田園都市線の赤帯編成である8634Fは検査入りしており、しばし工場内に取り込まれる前のこまごまとした作業が行われていました。再び出場線から姿を現すあかつきには、赤帯が一層引き立つ美しいボディを取り戻すことと思われ、嗚呼楽しみ……。ともあれ、同じ赤帯の8000系列とはいえ、8090系と8500系のたどる運命は全く対照的すぎます。しかもシロウト目には8090系の方が新しく見えるだけに、何とも言い様のない運命の分かれ目が眼前で展開されているように思われたのでした。
 そして……8634Fの奥に並べられた注目の8692・8693F先頭車計4両は、再び菱パンが載せられているだけでなく、いつの間にか正面窓ガラスに御丁寧にも紙の車番プリントが貼られているではありませんか! これから廃車解体されようという車両の場合、側面ナンバープレートを外したあとマジックで車番を殴り書きするのが定例となっており、こんな感じで丁寧に車番が貼られるという事例は見覚えがありませんので、こりゃぁ間違いなく他社に譲渡でしょう。それが果たして何処の会社で、東急側で仕上げの改装を全面的に請け負うのか、それとも譲渡先で改装を実施するのかにつきましては、未だ知る由もありませんが……。


 大井町帯を巻いたままの不思議な沈黙は一体……。
 なお、テクノのシャッターがちょこっと開いていましたが、見えた中味は内緒 (爆)。まぁじきに全ては明らかになることでしょう……。