浅香での103系撮影に大満足したあとは、夕方からの京都での用務に向かうため、大阪環状線~東海道線と乗り継いで京都へ。翌土曜日はまるまる時間があったことに加え、いつもお世話になっております「ぱれっと」様が堺での「路面電車サミット」を傍聴されるため関西にお越しとのことでしたので、名古屋からのアーバンライナーが到着する近鉄難波で待ち合わせ、お互い購入しておいた事業者限定鉄コレをお渡しし、そのまま南海でのエクスカーションを楽しむことにしました。そこで向かった先は……折角同じホームで尼崎行に乗り換えられること、そして最終的には堺東へ向かうことから、一つ先の桜川。そう……天下に轟く「大都会の超ローカル線」南海汐見橋線を久々に味わったのであります (*^^*)。
桜川駅の極めて未来的で清潔な空間から一歩外に出ると、突然時計の針が数十年逆回りして南海汐見橋駅に……。改札口真上の如何にも時代がかった路線図も、ここに来て剥がれ具合が深刻になりつつあるなど、本当にここが天下の繁華街なんばから眼と鼻の先とは信じがたい気分です。とはいえ、とにかく超絶な非日常ぶりに思わず心は弾みます (爆)。というわけで、前日の抜けるような晴天とは打って変わって陰鬱な雨模様の中、やって来た2200系に乗っていざディープすぎるショートトリップへ!
そこで向かったのは、高速道路の真下に忘れられたかの如く佇む木津川駅。ここはかつて、南海の貨物輸送における一大拠点であったとのことで、恐らく目の前の水運と連携した輸送が展開されていたのでしょうが、繁華を極めたというヤードの面影は今や全くなく、僅かに1本残された側線は草に埋もれて雨に濡れ……。そして極めつけは駅舎。建築そのものは随分とレトロモダンな雰囲気を漂わせているように思うのですが、貨物輸送がなくなってしまえばただのうらぶれた場末の乗降所……という感じで、駅前からして完全未舗装の水たまりと化し、草木が周囲にテキトーに生い茂っています。もっとも、所謂廃景マニア的視点からみれば、激しく脳内物質の分泌が促進される光景でもありましょう。そこで、降りしきる雨にもかかわらずとにかくスナップしまくり (^^;)。天気が悪くフラットな光線であるため、上り下りの両方とも撮影出来、とくに岸里玉出行は構内踏切上から望遠撮影後すぐにそのまま乗車出来るという美味しさです (30分間隔ですので、それが出来ないと逆にツラいのですが)。
そんなこんなで木津川駅でのエクスカーションを終えたあとは、津守・西天下茶屋を経てすぐに岸里玉出に到着、高野線本線の普通列車で堺東に向かったのですが、休日日中の汐見橋線なんてヲタだけの世界で、絶対にパンピー乗客など乗っていないだろうと思いきや、意外や意外……リア充な家族連れやカップルが三々五々乗っていたのには驚きましたし、「いったい誰が使うのか……」としか思えない木津川駅でも乗降があったのには驚愕を覚えました。阪神なんば線の誕生により、阪神方面と南海方面との短絡ルートとして一定の役割が生じているのかも知れません。なんば駅での近鉄~南海乗換は、やたらと歩かされるうえに壮絶に人が多く面倒ですから……。