ミャンマー国鉄における雨樋付き4ケタナンバー日本製旧型客車、お次はヤンゴン環状線用3扉ロングシート車であるBDTXZ1350形 (?) です。この車両は恐らく登場当初、ボックスシートの急行用オーディナリー客車であったと想像されますが、後に新客車が続々と現れる中で、ヤンゴン環状線や地方の混合列車用としてロングシートに格下げされたものと推測されます。扉の数は最初から3扉?
にもかかわらず、LBT・LBTXを名乗らず、登場時からのものと思われるBDTXZを名乗っているのは不思議ですが、まぁいずれにしてもオーディナリーであることには変わりません。今回ご紹介した画像の車番は1370で、他に1365の存在を確認しておりますので、多分1350形なのではないかと推測しているのですが、正式な番号区分は謎であることを申し添えます (滝汗)。
一方こちらは……BDTX1513。形式名は1500or1510形でしょうか。雨樋や小型ベンチレータが存在しないため、1950年代日本製という基準には合致しないものと思われます。それでも、車番が4ケタということで、他の客車と比べても非常に特殊な存在であることから、敢えて紹介させて頂きます。何やらクラシカルな台車、そして登場時はアッパークラス・コンパートメント寝台であったことを何となく匂わせる窓割り……ということで、BDTZ10300 (オーディナリー)やBDUEZ10700(アッパークラス)と同じく、ビルマ国鉄国産初期グループに属する客車なのではないかと推測しておりますが、リベットが全くない優美な車体であること、そして紛れもなく4ケタナンバーであることから、果たして日本製とビルマ国鉄初期型のいずれに分類すれば良いのか全く判然とせず……眺めれば眺めるほど謎は深まります。
ただ一つ言えることは、ロングシート車が最初からこのような窓割りで登場するはずはなく、歴史上のある時点で格下げ・ロングシート化されたということでしょう。この手の、元は高貴だったと思われる客車の成れの果てという姿は、実に趣味的な好奇心をかき立てずにはいられないものがありますが、私は所詮、ミャンマー国鉄内部にある設計図・車歴表を眺めうる立場にはない通りすがりの鉄ヲタに過ぎませんので、将来どなたかが本格的にミャンマー客車事情調査を進められた暁にあらゆるナゾが判明する日を待望しているところです (汗)。
マラゴン持ちのNa運用が、こんな超ボロボロ混色編成で来た頃が懐かしいです……。