~あらすじ~
何事にも積極的に関わらない省エネ高校生・折木奉太郎。しかし姉の命令で入部させられた古典部で、次から次へとささやかな謎が彼に襲い(?)かかる。
~感想~
鬼太郎ブックカバー目当てで購入した二冊目。しかしさすがは米澤穂信、ただでさえ安い値段をさらにお得に感じさせる、贅沢な一冊でした。
連作短編集のような形式ながら、前半部分の数々の謎は、語り手・折木の推理のキレを見せるための序奏パートといったところ。
クライマックスでは四者四様の推理の果てに、パッチワークのようにそれぞれの手がかりをつなぎ合わせ、一つの真相を導き出す。
しかしそれはたった一言で突き崩され、裏に隠された真実が明るみに出て、謎めいたタイトルの(そして文集の名の)意味が知らされるや、単なる日常の謎ミステリに留まらない、青春小説としての姿も浮かび上がる。とどめに最後の最後に現れる、あの人物の意図するところも、またいい。
中編程度の分量で一気に読めるが、ページ数以上の満足を得られること請け合い。これぞまさしく夏の一冊、でしょう。
07.8.7
評価:★★★☆ 7
何事にも積極的に関わらない省エネ高校生・折木奉太郎。しかし姉の命令で入部させられた古典部で、次から次へとささやかな謎が彼に襲い(?)かかる。
~感想~
鬼太郎ブックカバー目当てで購入した二冊目。しかしさすがは米澤穂信、ただでさえ安い値段をさらにお得に感じさせる、贅沢な一冊でした。
連作短編集のような形式ながら、前半部分の数々の謎は、語り手・折木の推理のキレを見せるための序奏パートといったところ。
クライマックスでは四者四様の推理の果てに、パッチワークのようにそれぞれの手がかりをつなぎ合わせ、一つの真相を導き出す。
しかしそれはたった一言で突き崩され、裏に隠された真実が明るみに出て、謎めいたタイトルの(そして文集の名の)意味が知らされるや、単なる日常の謎ミステリに留まらない、青春小説としての姿も浮かび上がる。とどめに最後の最後に現れる、あの人物の意図するところも、またいい。
中編程度の分量で一気に読めるが、ページ数以上の満足を得られること請け合い。これぞまさしく夏の一冊、でしょう。
07.8.7
評価:★★★☆ 7