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ミステリ感想-『リロ・グラ・シスタ』詠坂雄二

2007年08月27日 | ミステリ感想
~あらすじ~
吏塚高校の屋上で発見された、在校生の墜落死体。同じ頃、校内では名高い「吏塚の名探偵」が受けた、奇妙な依頼。それは、この事件での依頼人の無実を証明すること……。独特の文体、凝りまくった趣向。“青春彷徨推理小説”(イミテーションハードボイルド)を自称して、ずいぶんと奇妙な才能が出現した!
カッパワン登龍門。
※帯より転載


~感想~
痛さ120%の中二病ミステリ。

痛い。とにかく痛い。どのくらい痛いかというと、いつ邪気眼影羅が飛び出してもおかしくない、飛び出されても違和感がない痛さ。
なんせ主人公は、亡くなった友人の妹に「兄を返せ!」と責められ「それは無理だ。あいつは物じゃないからね」と返すほどの中二っぷり。
ヒロイン(?)の援交少女は「べりべりさんくす」「らいらいらーい」と外来語を織り交ぜまくるラノベの住人。「らいらいらーい」ってお前は谷村新司か!(藤崎マーケットでも可)
痛くて痛くてひきつった苦笑いを浮かべながら読みとおすのが非常に辛かった。
メインの物理トリックはさんざん時計台をいじくり回したすえに出てくるもので新味に乏しく、これでは時刻表をいじくり回したらアリバイトリックができましたと大差ない。
脇を固めるトリックは一瞬で見当がつき(以下ネタバレ→)御鞍に妹が出てきた時点で、女装しているのではなく妹と入れ替わっていると普通のミステリバカなら考えるだろ!
最後に明かされるトリックも(以下ネタバレ→)性別トリックなんて、主人公の性別が言及されていない&一人称が私の時点で、いの一番に考えるわ!
中二文章で精神を、章ごとに変わる文字色で視神経をさいなまれ、どこをどう楽しめばいいのか解らなかった。それが世界の選択か……。

ラ・ヨダソウ・スティアーナ。



07.8.26
評価:☆ 1
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