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ミステリ感想-『波上館の犯罪』倉阪鬼一郎

2014年08月16日 | ミステリ感想
~あらすじ~
孤高の芸術家が建てた波上館。その内外で次々と起こる不可解な死。
脳波を放ち世界を変えることを企んだ今は亡き芸術家が犯人なのか。


~感想~
毎年恒例のバカミスに別シリーズを悪魔合体。
作者が「すべての文章、いや、すべての言葉が伏線になっているミステリー」「もうここから先へは行けません」と言うように、いつもの偏執的な細工が施されるとともに、「わたしは犯人、被害者、探偵、記述者」という一人四役ネタまで組み合わせた大変な労作で、もう執筆作業を想像するだに戦慄せざるをえない。
しかしせっかくの細工は数十ページも読めば容易に気づきうるもので、それ以上のものは無いのが残念。
まあそれ以上のものを期待するとさすがにクラニーが死ぬので無理は言えない。何はともあれ本当にお疲れ様でした。


14.8.14
評価:★★★ 6
コメント (2)