~あらすじ~
大病院の気ままな御曹司・月ノ森雪麻呂はもののはずみで級友を殺してしまう。
死体処理を命じられた堀川真樹夫は夢の中で出征中の兄に頼み込み、蜥蜴人間の不思議な力で級友を甦らせ……。
09年日本推理作家協会賞、このミス6位、文春7位
~感想~
端的に言って「すげえ嫌な話」で非常に楽しめた。
ホラー小説だが、戦時中を舞台に、不思議な力を持つ蜥蜴人間が現れるものの、その周囲を除き飛躍した設定はあまりなく、ホラー・SF・戦争物になじみのない読者でも問題ない。
むしろ容赦のない人体破壊を筆頭としたエロ・グロ・バイオレンスや、9割がクズか狂人の登場人物、ボンボンと取り巻きの珍騒動→ゲリラとの熾烈な戦い→恐怖の肉食虫は実在した!→御曹司の変態SEXと脈絡なく展開する、ほとんど趣味だけで書いてるような物語こそ取り扱い注意。
だが最後の最後に日本推理作家協会賞の名に恥じない……とまでは言わないし、意外性にあふれることよりもとにかく「すげえ嫌な真相」が待ち受けており大変満足できた。
直前に読んだのが東野圭吾「ゲームの名は誘拐」で、それに感じた不満が本作で吹き飛んだのも大きい。読者は選ぶが一読の価値ある「嫌な話」である。
15.2.2
評価:★★★☆ 7
大病院の気ままな御曹司・月ノ森雪麻呂はもののはずみで級友を殺してしまう。
死体処理を命じられた堀川真樹夫は夢の中で出征中の兄に頼み込み、蜥蜴人間の不思議な力で級友を甦らせ……。
09年日本推理作家協会賞、このミス6位、文春7位
~感想~
端的に言って「すげえ嫌な話」で非常に楽しめた。
ホラー小説だが、戦時中を舞台に、不思議な力を持つ蜥蜴人間が現れるものの、その周囲を除き飛躍した設定はあまりなく、ホラー・SF・戦争物になじみのない読者でも問題ない。
むしろ容赦のない人体破壊を筆頭としたエロ・グロ・バイオレンスや、9割がクズか狂人の登場人物、ボンボンと取り巻きの珍騒動→ゲリラとの熾烈な戦い→恐怖の肉食虫は実在した!→御曹司の変態SEXと脈絡なく展開する、ほとんど趣味だけで書いてるような物語こそ取り扱い注意。
だが最後の最後に日本推理作家協会賞の名に恥じない……とまでは言わないし、意外性にあふれることよりもとにかく「すげえ嫌な真相」が待ち受けており大変満足できた。
直前に読んだのが東野圭吾「ゲームの名は誘拐」で、それに感じた不満が本作で吹き飛んだのも大きい。読者は選ぶが一読の価値ある「嫌な話」である。
15.2.2
評価:★★★☆ 7