~あらすじ~
昭和初期、警視庁の管内で刺殺体が発見される。多数の刺し傷があり、身分証を所持していたことから怨恨、強盗の両面から捜査が始まるが、間もなく同様の死体が相次いで見つかり、しかも奇妙な法則に基づいているように思われ……。
2017年このミス16位
~感想~
本ミス5位にランクインした「黒龍荘の惨劇」を頂点として、以降は正直なところいまいちな作品が続いていた作者が、久々に飛ばしたヒット作。
なんら接点のないはずの被害者たちをつなぐTHE本格ミステリなミッシングリンクが、状況に沿うためだけに考え出されたみたいな雑でゆるいエスポワール風コン・ゲームに落ち着き、これといった駆け引きもなく幕を閉じて、それを後手後手に回りっぱなしの刑事が足を使った超地味な捜査で突き止める……という全く華のない物語。これだけでは間違いなく話題にならなかったところだが、超意外で仰天したけどすげえどうでもいい真相が最後に明かされることにより、怪作あるいはバカミスとしてインパクトを残すことに成功した。
しかし本当に、もう本当にバカパクとしか言えない真相で、はっきり言って物語的にはあってもなくてもいいような、というか明確に必要ないし、なんならこの作品ではなく別の作品にも付けられるような代物で、読後の感想が賛否両論に分かれたのも納得である。
ともあれこの12ラウンド終了のゴングが鳴った後に背後からぶちかまされた必殺ブローの付け足しにより、超地味な佳作に過ぎなかった作品を、一読忘れ得ぬ衝撃作へと変貌させたのは間違いない。
興味があれば読むことを止めはしないが、怒って壁に投げる人もいるだろうなあ。
17.12.23
評価:★★★ 6
昭和初期、警視庁の管内で刺殺体が発見される。多数の刺し傷があり、身分証を所持していたことから怨恨、強盗の両面から捜査が始まるが、間もなく同様の死体が相次いで見つかり、しかも奇妙な法則に基づいているように思われ……。
2017年このミス16位
~感想~
本ミス5位にランクインした「黒龍荘の惨劇」を頂点として、以降は正直なところいまいちな作品が続いていた作者が、久々に飛ばしたヒット作。
なんら接点のないはずの被害者たちをつなぐTHE本格ミステリなミッシングリンクが、状況に沿うためだけに考え出されたみたいな雑でゆるいエスポワール風コン・ゲームに落ち着き、これといった駆け引きもなく幕を閉じて、それを後手後手に回りっぱなしの刑事が足を使った超地味な捜査で突き止める……という全く華のない物語。これだけでは間違いなく話題にならなかったところだが、超意外で仰天したけどすげえどうでもいい真相が最後に明かされることにより、怪作あるいはバカミスとしてインパクトを残すことに成功した。
しかし本当に、もう本当にバカパクとしか言えない真相で、はっきり言って物語的にはあってもなくてもいいような、というか明確に必要ないし、なんならこの作品ではなく別の作品にも付けられるような代物で、読後の感想が賛否両論に分かれたのも納得である。
ともあれこの12ラウンド終了のゴングが鳴った後に背後からぶちかまされた必殺ブローの付け足しにより、超地味な佳作に過ぎなかった作品を、一読忘れ得ぬ衝撃作へと変貌させたのは間違いない。
興味があれば読むことを止めはしないが、怒って壁に投げる人もいるだろうなあ。
17.12.23
評価:★★★ 6