小金沢ライブラリー

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オカルト三国志  火の国の衣

2019年04月17日 | オカルト三国志
「異物志」に曰く。
南海の斯調国に火州という所がある。春と夏には自然と発火し、秋と冬には自然と消える。火の中には樹が生え、枝や樹皮は生き生きとしているが、火が消えると枯れてしまう。住民はその樹皮で布を作った。青みがかった黒色で、汚れた時には火の中に投げ込むと綺麗になった。

「傅子」に曰く。
150年頃、梁冀(りょうき)はこの布で衣を作った。宴会の際にわざと酒をこぼして衣を汚し、腹を立てたふりをして燃やしてしまえと命じた。衣に火がつくと真っ赤に輝き、汚れが落ちて火が消えると真っ白になり、客を驚かせた。

(ちくま版1巻285P)
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