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ミステリ感想-『愛人岬』笹沢左保

2022年11月24日 | ミステリ感想
~あらすじ~
古手川香織は帰省を利用し上司で愛人の水沼雄介と宮津へ初旅行に向かい、翌朝に水沼が1千万円の借金をしている友人の杉森が女とともに殺されたと聞かされる。
警察は杉森と女は心中ではなく殺人事件と断定。だが犯行時刻、水沼は南京錠を掛けられた密室にいたはず。香織は愛人の容疑を晴らすため女の夫のアリバイを追う。


~感想~
本文405ページ中64ページ(※自分調べ)で濃厚な濡れ場が描かれるほとんど官能小説。
ホテルで地下室で旅館で隙あらば絡み合い、中田氏6回(※自分調べ)、騎○位、後○位、69と肉弾戦を繰り広げる。ごちそうさまでした。
その合間に香織はほぼ徹夜でセクロスしてるのに調査のため西へ東へ飛び回り、24歳とはいえそのタフネスぶりには驚かされる。学生時代スポーツとかやってました?
トリックは堅牢な密室すぎてそこに作為があったはずと犯人こそバレバレだが、香織の調査が徒労に終わらない真相や、ぬけぬけと仕掛けられていた伏線は見事なもの。
あまりにエロすぎておすすめしづらいが、読んで損はないいつもの笹沢左保のクオリティである。

これで全7作の岬シリーズのうち2作(※本作は5作目)を読んだが、岬に関係者が集まり解決編が行われる縛りがあるようで、2時間サスペンスのラストシーンで崖に集まるのが定番化したのが90年代とのことで、76年から始まったこのシリーズの影響が少しはあったのではと思う。


22.11.24
評価:★★★ 6
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