終戦直後アメリカに赴任するときに注意されたことは、どんなことにも絶対に謝ってはいけない、ということであった。一旦アイアムソーリーと言ってしまえばいつまでも、どこまでも追求する。
これはヤクザのメンタリティであり、総会屋のメンタリティである。孫子の代までつきまとわれ、たかられる。島国日本は四囲をヤクザ国家に囲まれている。心すべきことであろう。
日本人は自国人同士では冷酷非情であるが、外国に対しては極端に弱い。かってメキシコ人がスペイン人に弱かったように、白い神に極端に弱い。いまや、にんにく臭い国や、唐辛子くさい国にもかっての白い神に対してのように抵抗力がない。
「アイアムソーリーなんて言ったっけ?」とすっとぼけることも出来ない。まして、日本人が「すみません」というのはその場の雰囲気を和らげる社交辞令だとつっぱねることも出来ない。
中国殺人餃子事件に対する天洋食品社長の記者会見を見ていると、ヤクザ社会、ヤクザ国家で生きる当然の知恵をうかがい知ることが出来る。