君は東条英機を知っているか。以下知っているものとして話をすすめる。彼についてはかって多数の記事をアップしたが、改めて考えてみたい。一部は繰り返しであり一部は追加になろう。
あえて再説する理由は彼については十分な総括がなされていないこと、彼の評価がこれからの日本の針路にとって通過儀礼として避けられないものと考えられるからである。
南北戦争は知っているよね。奴隷解放戦争として捕らえられている。すくなくとも名目では。実質は北部の新興産業勢力と南部の奴隷労働農業との勢力争いだ。
南北戦争がなかったら日本は一世紀はやくアメリカの勢力圏になっていただろう。そしてアメリカは19世紀中にチャイナ市場を支配していただろう。アメリカにとってまさに南北戦争は痛恨の内戦であった。
ペリー提督を日本に送って恐喝したにもかかわらず、開国の成果を英国などの欧州諸国に奪われてしまったのだ。つまり先につばをつけたにもかかわらず英国に獲物を奪われてしまったのだ。南北戦争でアメリカは極端に疲弊してしまい海外侵略の余裕がなくなった。
やがて体力が回復してくると手始めに日本に接近するハワイの王族を拉致監禁してアメリカの支配下に置く。スペインにいちゃもんをつけて戦争をしかけてプエルトリコ、グアム、フィリピンなどを奪う。たしか1900年ごろ NEW LAND ACTとかいうふざけた法律を作ってハワイやフィリピンを属州ないし植民地にしてしまう。
アメリカの本格的な巻き返しが始まるのは第一次世界大戦後である。
第一次世界大戦では、立場が逆になって欧州諸国が疲弊して国際政治どころではなくなる。その一方第一次世界大戦で一段と力をつけたのが日本とアメリカだ。どうしたってぶつかる。
日系移民の排斥がある。アメリカ各州で日系移民の土地取得を禁止する法律が出来る。土地を借りることも禁止する州もある。移民を禁止する。
日英軍事同盟条約の延長を英国にさせないようにあらゆる妨害工作をする。これは成功して1922年だったか、延長されずに失効した。これでアメリカは日本を攻撃してもイギリスから反撃されることがなくなった。これはべらぼうに重要なことだよ。
おそらくアメリカ史上最高の勝利ではないかな。あとはじっくりと機会をまつだけだ。日本も力をつけているからスペインにいちゃもんをつけたように簡単にはいかない。