NHK日曜ドラマの篤姫はどうも設定が珍妙だ。時代考証には鹿児島大学の原口泉教授が毎週の撮影に立ち会っているとかいう記事をどこかのブログで読んだが、衣装や建物、部屋の内装あたりが時代考証の対象になっているのかね。
せりふはめちゃくちゃだ。江戸時代の武士(といっても一般のことではなくて旗本の家庭のことらしいが)の家の女性は、何々じゃといったものらしい(自分より身分の低いものに対しては)
鹿児島ではどうだったかしらないが、とにかく、じゃ言葉は現代口語ではなく伝承にしたがっているようだが、その一方でほとんどのせりふは現代の若いおねえちゃん言葉だ。どうもベルトの下あたりにあせもが出来そうな違和感がある。どうせなら統一したらーどうじゃ。
篤姫(鹿児島時代)と尚五郎との会話や、付き合い方?も妙だ。民放の時代劇でも男女交際の風俗やせりふは時代劇風だ。現代風の設定ではない。NKKが今回とちくるったように小学生の学芸会風になったのは、なにかに目覚めたのかね。
さて、篤姫は視聴率がいいらしい。彼女の生涯は腹黒い斉彬の政略の道具にされたわけだが、現代のおばさん、お姉ちゃんはむしろ旗を押し立ててNHKに抗議にいかないのかね。理解不能じゃ。
斉彬は陽性一方の裏のない名君ということになっているが、わたしはその説をとらない。別の話になるので機会があったら別途ふれたい。
さて、場面設定がどうであるにせよ、尚五郎と篤姫が鹿児島であのような関係であったと設定すると、後世小松帯刀が徳川慶喜のブレーンのようになり、緊密な関係になったことが理解しやすくなる。いくら乱世の兆しがあったとはいえ、将軍が陪臣のそのまた家老とあのような関係になることはなかなか理解しにくいからね。
慶応三年秋の大政奉還は小松帯刀と坂本竜馬のシナリオだからね。それを慶喜が採用したのはよほど小松を信用していたからだ。実際に折衝したのはもっぱら小松だ。いくらなんでも浪人の坂本竜馬が将軍に合えるわけがない。
そして慶応三年11月の京都小御所会議まえに坂本竜馬は正体不明の暗殺者にやられる。小松は急病で鹿児島を出発できない。徳川慶喜は会議から排除される。一貫した作為なしには考えられない。そして明治新体制の枠組みができた。