「原爆を投下するまで日本を降伏させるな」鳥居民著草思社文庫を読み始めた。
このカテゴリーに掲載されたいたほかの人の記事で興味をもったのだ。
最初に著者はトルーマン大統領が「原爆を落とさねばさらに百万の米兵が死ぬ」とか言って原爆投下を正当化した問題を取り上げている。これがどうも香具師のいんちき口上らしい。アメリカの学校では今でもこれが教えられているという。もし本当ならとんでもないことだ。
香具師の口上と違うのはいくら抗議しても値段が、いや数字が下がらないことである。
鳥居氏はフィリピン、沖縄での米兵の戦死者は2万7千人であることから考えて百万というのはおかしいという。もっともな意見である。
もっとも、べらぼうに多くの、という意味でミリオンズ・オブという修辞なのかもしれない。それなら翻訳者はモチット工夫せい。
一方鳥居氏のいう数字にも変だなと思うのがさっそく出てくる。アメリカがグアムサイパンを占領すると日本本土へのB29による爆撃を開始したが、連夜500機の大型爆撃機B29が飛来したという。ちょっと変だ。
テニアン、グアム、サイパンの飛行場から出撃させているわけだが、一晩で500機も出撃させる能力が米軍にあったとは考えられない。第一そんなに多数を出撃させる必要もなかっただろう。
これは当時日本近海に複数遊弋していた航空母艦から出撃した艦上攻撃機(戦闘機に毛のはえたようなもの)やB29編隊の護衛で飛来するムスタングなどの護衛戦闘機を含んだ数ではないのかな。
まだ本題に入っていない。本も10ページほど読んだだけだ。以下次号。
& その後調べたところ、何度か500機程度の編隊で空襲したことがあるらしい。毎回ではない。原爆搭載なら一機ですむわけだからえらい生産性の向上になるわけだ。
だけど、この資料米軍の資料なのかな。それとも日本軍の資料なのか。まだ半信半疑である。著者の鳥居氏は出典をあきらかにすべきだろう。