東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

尾崎秀実の思い出本題

2013-10-07 19:25:12 | 国際・政治

とある秋晴れの午後、多磨墓地で二人の外人青年に道を聞かれたことがある。

二人とも金髪の白人でひょろひょろと背が高く、スラブ系のように見えた。一人はタタールの血が混じっているのか頬骨が張り出していた。

私は久しぶりに東京に帰ってきて病死した昔の恋人の墓参りをしようと思い立ったのである。

二人は日本語で話しかけてきた。「おざきほつみの墓はどこですか」。言われて戸惑ったがかすかにゾルゲ事件の関係者かしらとあやふやな記憶が浮かんできた。わたしが「ああ、ゾルゲ事件で死刑になったスパイの?」とつぶやくと二人は侮辱されたようでなにやら言おうとしたが、もともとこちらも墓がどこにあるのか知らないらしいと思ったのか私から離れていった。

彼らは手にメモだか地図のようなものを持っていた。どうも近くに尾崎秀実の墓があったらしい。いまでもロシアではゾルゲや尾崎は救国の殉教者として大きな尊敬を集めているらしいことが彼らの反応でわかった。

いつのことだったか、もうソ連邦は崩壊していたような気がするが、大分昔のことだ。


尾崎秀実の思い出

2013-10-07 08:14:02 | 国際・政治

物騒な題だな。前回の続きである。

鳥居民「原爆を投下させるまで日本を降伏させるな」。ようやく90ページまで読んだ。読むのに苦労する本だ。理由は文章が下手なせいだ。

著者が最初に断っているが、シナ事変(昭和12年以降初期)の話が最初の半分以上、後半がタイトルの話。そしてしょっぱなに終戦直前の御前会議の話が10ページほど出てくる。前回はここを読んでのアップであった。

90ページ当たりまで苦労して読んだ。ほとんど昭和19年に東京拘置所で絞首刑になった尾崎の「活躍」だ。だから書名のテーマがどう料理されているかご報告できない。

著者は戦時中のシナ関係の歴史の専門家だそうだが、ほとんど推測だ。「ではないか」、「と推測される」といった文章で埋め尽くされている。文章がうまくて、整理されていて、必要な補足説明(素人向けの)があれば面白いのかもしれないが、せっかくのネタがかわいそうだ。

90ページまで読んだところでは尾崎の最大の仕事(尾崎自身も最大の仕事と考えていたことは)、スターリンに日本の南進方針をご注進したことではなくて、日本にもあった蒋介石との和平推進論に反対してシナ大陸で大々的に日本軍の作戦を展開して、シナに平和をもたらさないようにするように言論マスコミに登場して煽ることである。これは毛沢東から尾崎への指令であったという。

蒋介石と日本軍が争っている間に毛沢東がシナ各地に浸透しようというわけである。

つまり蒋介石が日本と講和すれば、蒋介石の国民党軍は次にシナ共産党の討伐に向かうから毛沢東には都合が悪いわけだ。

そこでいつになったら「原爆投下裏話」の話をできるかわからないので、尾崎の思い出をひとつ。なにそんなに眉を動かさなくてもよろしい。大した話じゃないから。

長くなったな、わけてアップするか。

つづく