前回紹介したヘンリー・ストークス氏の著書だが、
面白いと思ったのは日英同盟を破棄(自動延長しなかった)したのが英国衰退の原因だったといっていることだ。イギリス人から見てもこういう見方もあるわけだ。そしてこの見方は正しいのだが。
日英同盟が存続していれば、日本がマレイ、シンガポールなどを占領することもなかったし、したがってこれらの国が戦後独立して英国の支配を脱することもなかった。
また、インドが独立することは最低でも50年は遅れただろう。おそらくいまでもインドはイギリスの植民地である可能性が高い。大英帝国の凋落がこれらの植民地を失ったことによるものは明白であり、イギリス側から日英同盟の失効は間違いだったという反省がでるのも当然である。
ちなみに、日英同盟が失効したのはアメリカの執拗な工作が成功したためである。
それと別のことだが、ナチスをさばいたニュルンベルグの戦争裁判は英国が主導したといっているが、アメリカが極東軍事裁判と同じで音頭をとっていたと思っていた。あまりこういうことは聞かなかったのでね。
ストークス氏は何回も東京裁判のいい加減なことを指摘しているがニュルンベルグ裁判については書いていない。論述の対象ではないということだろうが、あるいはアメリカが主導したリンチ裁判である東京裁判とはまったく違うという認識なのではないか。
ニュルンベルグ裁判と東京裁判の比較をだれかしてくれるとありがたい。チャイナや半島人が両者を同じようにいうのには非常な違和感がもともとある。ここはぜひ一対一対応で徹底的な比較分析研究を期待したい。