東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

連合国戦勝史観の虚妄

2014-02-13 21:25:57 | 国際・政治

前回紹介したヘンリー・ストークス氏の著書だが、

面白いと思ったのは日英同盟を破棄(自動延長しなかった)したのが英国衰退の原因だったといっていることだ。イギリス人から見てもこういう見方もあるわけだ。そしてこの見方は正しいのだが。

日英同盟が存続していれば、日本がマレイ、シンガポールなどを占領することもなかったし、したがってこれらの国が戦後独立して英国の支配を脱することもなかった。

また、インドが独立することは最低でも50年は遅れただろう。おそらくいまでもインドはイギリスの植民地である可能性が高い。大英帝国の凋落がこれらの植民地を失ったことによるものは明白であり、イギリス側から日英同盟の失効は間違いだったという反省がでるのも当然である。

ちなみに、日英同盟が失効したのはアメリカの執拗な工作が成功したためである。

それと別のことだが、ナチスをさばいたニュルンベルグの戦争裁判は英国が主導したといっているが、アメリカが極東軍事裁判と同じで音頭をとっていたと思っていた。あまりこういうことは聞かなかったのでね。

ストークス氏は何回も東京裁判のいい加減なことを指摘しているがニュルンベルグ裁判については書いていない。論述の対象ではないということだろうが、あるいはアメリカが主導したリンチ裁判である東京裁判とはまったく違うという認識なのではないか。

ニュルンベルグ裁判と東京裁判の比較をだれかしてくれるとありがたい。チャイナや半島人が両者を同じようにいうのには非常な違和感がもともとある。ここはぜひ一対一対応で徹底的な比較分析研究を期待したい。


It's only a paper moon

2014-02-13 09:44:15 | 国際・政治

アメリカはペーパー・タイガー(張子の虎)だといったのは毛沢東だったかな。てーしたものだぜ、何十年も前に。

アメリカは朝鮮半島で事が起こったらなるだけ日本に肩代わりさせたいと思っている。はやく韓国から撤退したいのだが、ハングル人が足にしがみついて離さない。これがアメリカが日本に集団的自衛権を明確にすることを求めている最大の理由だ。

集団的自衛権は結構だが、半島人のために行使してはならない。頭のいい安倍首相だ、この辺はアメリカ向けに促進するようなことをいっていても、最終的にはうやむやで引き延ばすのではないかと思う。ちょいと深読みかな。

実際韓国人のために戦うなんてばかばかしい話である。

ところで、祥伝社文庫の「連合国戦勝史観の虚妄」という本がちょっと評判らしい。作者のヘンリー・ストークスというひとは、フィナンシャル・タイムズ、ロンドン・タイムズ、ニューヨーク・タイムズの東京支局長を歴任した人だ。

欧米人ではなくて、日本人がこう「あからさまに」日本側の真実(史観)を述べることがないのは残念だ。

議論のしかたはいろいろあるが、TPOがある。外交的、社交的、敗戦国的な配慮が必要な場合もあるが、すでに有効性を失っている。ストークス氏のように「あからさまに」日本側の真実を述べるべきである。

とにかく、はっきりとスピーク・アップしない限り、欧米人にはわからない。遠慮という配慮は無用な時期である。とにかく、レトリックを一新する必要がある。

作者は三島由紀夫と親交があったようだ。その部分だけが私には違和感があった。三島は霊力というより魔力の人だ。作家としても私はあまり評価していない。

かって、このブログで三島由紀夫氏は天皇ストーカーだと書いたことがある。天皇とはかくあるべきだというところから出発している。また、武人的な存在であると考えているようだ。

天皇かくあるべき説は僭越も甚だしい。天皇とは悠久の歴史で地下(ジゲ)には思議せられざる存在である、神と同じように。

2・26事件の青年将校も同じ発想で、昭和天皇が反乱の鎮圧を命じたことに逆上して昭和天皇を廃位して高松宮を天皇にしろと獄中で言った被告がいたが、これなんか「自分のアイドルはかくあるべきだ」という思い込みでストーカーと同じだ。

また、天皇に大元帥、武家の頭領的な箔付けをするのはあまりスマートではない。