東方のあけぼの

政治、経済、外交、社会現象に付いての観察

スノーデン物語「暴露」

2014-05-13 09:55:51 | 国際・政治
昨日発売されたばかりなのかな、奥付をみると5月13日発行(つまり今日)となっているが、昨日書店で買った。

クレン・グリーンヴォルトという人が書いたスノーデンのノンフィクションだ。まだ20ページしか読んでいないが、きわめて示唆にとんだ内容がいくつも出ている。

インターネット時代(インターネットがないと極めて日常生活が不自由な時代)の国家、企業、個人のプライバシー、セキュリティ防御について考えさせられる。

最大の元凶はアメリカとチャイナである。アメリカとチャイナは情報戦争をしているようで、アメリカのIT企業はチャイナのプライバシー侵害に協力している。まだ、20ページしか読んでいないが、ヤフーとかグーグルが中国情報機関に協力して利益を得ていることが書かれている。

IBMのことも当然そのうちに出てくるだろう。なにしろ、すでにIBMは中国企業だからね。

この時代に日本が国家的プロジェクトとして取り組まなければならないのは、以下の三分野で日本企業の独立性を再び回復することである。STAP細胞の実現よりはるかに緊急性の高い課題である。

1・パソコン本体、2・OS、3・通信関係(回線、モデム)

1a・パソコン本体は日本ブランドはまだあるが、生産ラインは中国にあるのがほとんどである。これらのパソコンは、どういう仕掛けがほどこされているのか、最初のセットアップ時に奇妙な振る舞いをするものがあると言われている。

2a・OSはかってはNECだったかな、日本にもあったが、今はMS、appleなどいずれもアメリカ製だ。MSは米国政府の圧力に屈していることはすでに明らかである。ライオンも危惧を拭えない。

3a・通信関係ではモデムというかルーターの関係でいまや日本製はほとんどない。多分政策価格に負けているのだろう。日本市場ではほとんど、中国製と韓国製である。HuawayとかLGしか入手出来ない。

中国のフアウェイ(華為って書いたかな)については、製品に盗聴プログラムがプリセットしているとして、アメリカ政府は政府、企業に使わないようにすでに勧告している。にもかかわらず、日本では最大のシェアを誇る。

「暴露」ではスノーデン氏が著者に暗号化ソフトを使えと勧告しているが、暗号化ソフトというのは送り手と受け手が同じソフトをインストールしなければならず、しかも暗号キーも共有しなければならない。ごく特殊な場合しか実用的ではない。

それに暗号化ソフトを使っていると分かるとそれだけで、盗聴のターゲット・リストに乗せられるだろう。そして、伝統的な諜報活動(尾行などのヒューマン・手段)の対象になるだけだ。ある人から聞いた話だがIBMはこういう活動もしているようだ。

つまり情報の受け渡しは昔ながらの公園でこっそり会って紙のメモを交換するなど、本当の話らしい。このほうが安全だからね。情報のプロであるIBMらしい。

上記のIT三分野は国家が補助してでも育成すべきだろう。かっては日本も最先端を走っていたが、経済的理由でことごとく撤退したのだから。国家安全保障会議もこのような配慮がなくてはザルに水である。